2025年08月18日
地図から風景を読み取る楽しさ
今週のゲストは、地図研究家の今尾恵介さんです。
今尾さんは1959年横浜市生まれ。これまでに多くの地図関連書籍に関わる地図研究の第一人者で、著書には『地図マニア空想の旅』や『地図帳の深読み』シリーズ、また5月には新刊『地理院地図の深掘り』(PHP研究所)が発売されました。これまでにかかわった本は既に100冊以上にのぼります。
地図との出会いは中学1年生の社会科の授業でした。今尾さんはこう語ります。
「横浜の西の方なんで横浜西部という2万5,000分の1の国土地理院の地形図なんですけど、それを見て、今までは神奈川県全図だとか関東地方の図みたいのしか見たことなかったんで、これはすごいなと。校舎がちゃんとこっちの校舎とあっちの校舎が分かれて書いてあって、プールも青く塗られていたんで、これすごい地図だなと思って一気にはまっちゃった」
もともとは音楽系雑誌の編集者だった今尾さん。大学時代はオーケストラに所属し、現在もアマチュアオーケストラ「新交響楽団」で打楽器奏者として42年間活動を続けています。
多くの人にとって地図は道を調べるツールですが、今尾さんにとっては少し違います。
今尾さんによると、地形図は「風景が見える地図」だといいます。
「地形図っていうのは風景が見られる地図なんですよ。ここが針葉樹林であるとか田んぼであるみたいなそういうのが記号で書いてありますので。スマホで見る地図なんていうのは道案内には関係ないので地図記号がないんですね。等高線もないので、この場所が盛り上がってるだとか崖になってるみたいなものがあんまりわかんないんです。」
地図から立体的な風景を頭の中に描き出す、スマホの地図アプリではわからない、地図の魅力を教えていただきました!