2025年08月14日

ごみ収集が担う新たな福祉的役割

今週のゲストは立教大学コミュニティ福祉学部教授の藤井誠一郎さんです。

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清掃事業が従来のごみ処理を超えて、福祉的な役割を担うようになっているそう。

例えば高齢者のごみ出し困難者に対する「訪問収集」では、職員が直接家庭を訪問してごみを収集します。これは単なるごみ収集ではなく、安否確認の機能も果たしています。

「ごみが出ているというのを認識することで、これ安否確認になるわけです。二、三日出てなければ福祉の部署に電話して、これどうなってるんでしょうかというところを見に行っていただく。」

また札幌市での印象的な事例もご紹介いただきました。
というのも、雪の多い冬季には、訪問収集の職員が高齢者にとって唯一の話し相手になることもあるそうです。わずか3分程度の会話でも、高齢者の方が楽しみにしている様子を目の当たりにし、まさに福祉サービスだと実感したといいます。

東京23区では防犯上の理由から外に出されたごみを収集するだけですが、地方では玄関先でのコミュニケーションも行われており、住民との対話がごみ収集を通じて実現されています。

最後に藤井さんは現業職の価値を強調していらっしゃいました。
自治体では人員削減や委託化が進んでいますが、現業職だからこそできる住民サービスがあり、彼らが新たな街づくりや住みやすい地域社会づくりに貢献できるとおっしゃっていました。

staff| 21:00 | カテゴリー:


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