2025年09月22日
猛暑が変える甲子園のかちわり氷
今週のゲストはノンフィクション作家の黒井克行さんです。
黒井さんは、早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経て、スポーツや政治経済などのノンフィクション作家として活躍、著書には『工藤公康プロフェッショナルの矜持』や『指導者の条件』などがあります。
今回は猛暑とスポーツの関係について興味深い話を伺いました。
今年の夏の甲子園では、名物の『かちわり氷』にも異変が起きたといいます。六甲山系の水脈から作られ、2日間じっくりと凍らせた氷は、通常なかなか溶けないのが特徴です。しかし例年以上の猛暑により、売り子さんが持って回る間にも早く溶けてしまい、20分程度で売り切らなければならない状況になったということです。
またオリンピックのメインスタジアムとして使用され、世界陸上の会場でもあった新国立競技場は暑さ対策が施された設計になっています。
すり鉢状の構造で熱がこもりやすい中、日本の伝統的な家屋の工夫を取り入れた素材を使い、風通しを良くして熱を逃がす仕組みが作られています。
東京オリンピックでマラソンが札幌開催になったことについて、黒井さんは残念だったと振り返ります。
「東京の35度と大阪の35度と名古屋の35度と札幌の35度、みんな違うんですよ。東京の場合は、ビルの風とかビル抜きとか、エアコンの熱とか、それが場所場所で違うんです」
マラソン関係者は4年間かけて東京のコースを科学的に研究し、
どこをどう走るか、何時頃にピークが来るかまで分析していただけに、
開催地変更は大きな痛手だったということです。