2025年09月03日
体験型展示で感じる防災の可能性
今週のゲストはビジュアルデザインスタジオWOWのディレクター、大内裕史さんです。
その一つが「そのとき、そのとき」という積み木の作品。
大内さんによると、一見ただの積み木遊びの場所に見えますが、
実は10分に1回テーブルが揺れる仕掛けになっているそうです。
「床に水の波紋のような映像を映していて、10分間かけてテーブルにじわじわ波紋が広がってきます。
これがテーブルに差し掛かるとテーブルが揺れるんです。揺れの強さはランダムで、
倒れなかったり倒れてしまったり。その周りにいる人たちの心理って、
すごく災害のときに似てませんか?「その時」があえて地震ですとも言ってないんですけど、
人のこういう気持ちをあぶり出すような作品になっています」
また展示の中でも、特にユニークな取り組みの一つが「災害救援鳩」のプロジェクト。
大学院生の中嶌健さんが、高校生の頃から研究している取り組みで、
電気が使えなくなったときの通信手段として鳩を活用するというものです。
幼い頃から父親がレース鳩を飼っていた中嶌さんが、災害ニュースを見て思いついたアイデアだといいます。
また、「災害の先にある希望のかたち」として、石巻工房のAスツールも展示されています。
2011年の東日本大震災後、仮設住宅に住む人たちのために市民DIY工房として立ち上がった石巻工房は、
今では都内のカフェやホテルでも導入される世界的なブランドに成長しました。
「復興支援という形よりも、むしろそれをきっかけに事業として成長し続けているということも、
防災という展覧会ではあるんですけど、その先っていうのも示せるかなと思って選んでいます」
展覧会の中腹にあたる場所に設置されたこのスペースは、休憩場所としても機能し、
これまでの歩みをまとめた映像と共に、明るい希望を感じさせる空間となっています...!