2025年03月17日

雑草とは??

今週のゲストは、樹木医の瀬尾一樹さんです。

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瀬尾さんは埼玉県出身。2019年から21年までX(旧Twitter)で植物の名前を答える活動を行い、1年半で約2万回植物の名前を答えて話題に。2020年には『街のスキマ植物図鑑』を出版。個人向けガイドや植物観察会、トークイベントなどを通じて身近に見られる植物の魅力を発信しています。

著書『街のスキマ植物図鑑』では、新宿駅周辺を歩き回りながら見つけた野生植物を紹介しており、新宿駅から1時間ほど歩き回って見つけた野生植物の数は、なんと124種類。

このルートは、新宿駅のバスタ新宿のある出口をスタートし、代々木駅方面へ進み、2〜3キロほど歩いたものだそう。距離としては15分ほどの距離になります。

本で紹介されているのは、一般的に雑草と呼ばれるものたち、、ちなみに雑草は「決まった定義はなく、人が邪魔だと思った植物が雑草と呼ばれることが多い」とのこと。

また著書の中には、植物たちの面白い生存戦略がいくつも紹介されています。
例えば「オオバコ」は、人がよく通る道沿いに生えていますが、踏まれることで種を運ぶ特性を持っているということ!

「普段の散歩でも目線を変えるだけで、街の植物の面白さが見えてくる」と瀬尾さん。
街歩きの新たな視点を教えてくれました。

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2025年03月13日

復旧・生活再建の過程でも被災者を取り残さない

今週のゲストはメディア研究者の 村上圭子さんです。

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村上さんは、能登半島地震の取材を続ける中で、災害直後だけでなく、その後の復旧・生活再建の過程でも被災者を取り残さないことが重要だと語っています。

そうした中、2月23日には石川県輪島市町野地区で1日限りのラジオイベントが開催されました。
町野町は、特に被害がひどかった地区で雨の二重被害で、500人ほどが仮設住宅に住んでいらっしゃるということ。
ラジオイベントのきっかけは、町野町復興プロジェクト実行委員会の人がラジオをやってみたいと考えていたからでした。

「情報も伝えたいし人の心も繋ぎたいしっていうふうなことで。ただ担い手や、運営資金など色々な課題があるので、とりあえずお試しでやってみようということで、実験放送をやりました。」

現在は今後の定期的な放送の継続を検討するフェーズに入っているということです。

村上さんは今年1月末に33年間勤めたNHKを早期退職し、フリーのメディア研究者として新たな道を歩み始めました。「災害は暴力的に地域を破壊し、人の命や心を傷つけます。しかし、その絶望の中で人々が再起していく力強さにも学ばせていただいています」と仰っていました。

「被災地に限らず、少子高齢化や地域衰退といった問題に対しても、どうすれば取り残される人を減らせるのか。災害を通じて学んだことを活かし、どのように再生していくのかという汎用的な仕組み作りを考えるためにも、、被災地に色々なアイデアを出していく提案していくことが自分の役割だと考えています」

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2025年03月12日

スマホの普及による変化

今週のゲストはメディア研究者の 村上圭子さんです。

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長年、被災地で取材や調査を続けている村上さんに、昨年発生した能登半島地震について、過去の震災と比べた特徴を伺いました。

「人が少ないというのがあると思います。また集落単位の結束が強くて、大きな避難所へ移ることを避ける傾向がありますね。そのため、情報伝達が難しい場面がありました」

能登半島地震の取材を続ける村上さんは、過去の震災と比べた際の特徴について語りました。「能登半島の地域性として、集落単位の結束が強く、大きな避難所へ移ることを避ける傾向があります。そのため、情報伝達が難しい場面がありました」と話します。

また、村上さんは震災後、ラジオ局の立ち上げを検討しましたが、東日本大震災の時と大きく状況が異なっていたのが"スマホの普及"でした。
能登半島地震は被害が大きかったにも関わらず、Starlinkという衛星ブロードバンドが大きな役割を果たし、インターネット環境がだいぶ早く回復したそう。

「情報を得るにも、もうみんなスマホで、自治体も情報伝達をLINEで行うようになりました。」

しかし、スマホを使えない高齢者や、孤立地域の住民にとっては、依然としてラジオが重要な情報源だったそう。と指摘します。自治体がLINEでの情報発信に頼ることで、一部の住民が情報から取り残された可能性があります。

「きつい言い方をすると、自治体の皆さんが少数の見えない人たちに関しては全体最適ということになってしまったのは、これはやっぱり考えないといけないことなんじゃないかなって。これは能登半島地震の一つの教訓じゃないかなっていうふうに思っています。」

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2025年03月11日

ラジオの力を再確認

今週のゲストはメディア研究者の 村上圭子さんです。

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今年で東日本大震災から14年。村上さんは震災の半年前にNHK放送文化研究所へ移りながらも、震災後は報道の現場に戻り、取材を続けていました。「被害が広範囲に及んだため、どこが取材できているのか全体像が把握できず、情報の空白地帯が生まれた」と振り返っています。

また、この災害では多くの人がラジオの力を再確認した機会になりました。

この東日本大震災の時は、津波の被害があったため通信障害や停電が長期間続きました。そんな中、市区町村単位のコミュニティFMが被災者の安否情報や生活情報を発信し、大きな役割を果たしたといいます。東北と茨城にあった10のコミュニティFMは、スタッフが3〜4人と少人数ながらも、寝る間を惜しんで放送を続けていたそう。

さらに、コミュニティFMがない地域では、災害時に自治体が立ち上げる「臨時災害放送局(災害FM)」が活躍しました。
免許取得も簡単で、最低限の機材があればすぐに運営可能なこの制度は、阪神淡路大震災時に導入されたものですが、東日本大震災では特にその価値が証明されました。

「東北と茨城の18の自治体で災害FMが立ち上がったていう、これがある種トピックスだったかなと思います。」

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2025年03月10日

災害情報と地域メディア

今週のゲストはメディア研究者の 村上圭子さんです。

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村上さんは、学習院大学法学部卒業後、1992年NHKに入局。報道局でディレクターとして『NHKスペシャル』『クローズアップ現代』等を担当後、ラジオセンターを経て、2010年よりNHK放送文化研究所で、メディア研究に携わり、今年1月に、退職。
現在は、フリーのメディア研究者として活動されていらっしゃいます。

村上さんは「災害情報と地域メディア」という観点から長年、被災地で取材や調査をされていらっしゃいます。
村上さんは阪神淡路大震災が発生した時、入社して3年目で、当時は報道局でディレクターをやっていたそう。2日目に現場に入り、実際に情報が届く場所と全く届かない場所の差に衝撃を受けたといいます。また、この時指摘されていたのが『ヘリコプターの音』でした。

「実際に取材をしてみると、建物倒壊した中に生きてらっしゃる方がたくさんいらっしゃって。救出を"声"を頼りやっていたんです。 それで私、お話聞かせていただけませんかって3年目だからおどおど言ったら、ものすごく怒られてですね。胸ぐらをつかまれて、『お前たちメディアが俺たちの家族を殺してるんだ』って言われてですね。」

取材をやめて、一緒に救出をしたという経験があるそう。
この経験から、メディアが災害時に果たすべき役割について深く考えるようになったといいます。

「マスメディアがやることって、被災地の状況を外部に伝える報道と、被災者に必要な情報を届ける『災害情報伝達』と大きく2つあると思うんです。1人でも多くの人の命を救うためにどうやって情報を伝えていくのかとそのために何ができるのかっていうふうなことを自分自身考えたいと。」

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2025年03月06日

映画も制作中!!

今週のゲストは、建築家の岡啓輔さんです。今週のゲストは、建築家の岡啓輔さんです。

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岡さんは高等専門学校を卒業後、住宅メーカーに就職するも1年で退職。その後、20代で建築スケッチのために自転車で日本を2周した経験があるということ!

「ただ普通に建築を見ようと思うと30分で飽きちゃうと思うんです。でも、絵を描きながら30分、1時間と向き合うことで、30分じゃ気づかない...こう見えてたけど、本当はこうなんだ!というものがやっと色々見えてきたり。」

岡さん、憧れていた建築は沖縄の名護市庁舎、また鳥取の三仏寺投入堂という古い建築にもグッとくる!と教えてくれました。

今後100年、200年と残っていくだろう『蟻鱒鳶ル』。
岡さんにこのビルの今後についても伺ったところ、、、
「ここで、1・2時間喋りたいくらいの気持ちがありますが、なんだか...手でモノを作る喜びみたいなものが広がって欲しいと思ってますね。」とのこと。
ちなみにこのビル、総勢で言えば100人以上が携わっているということ!

岡さんすでに『バベる!』という本が筑摩書房さんより出版されていますが、、
今後も新たに2冊の企画が進行中。また、ドキュメンタリー映画の制作も進められているということ!

「青柳拓くんっていう、30歳くらいの監督なんですけど、彼と辻井さんていう2人組がうちの現場を撮り続けてくれて。」

映画の完成、そしてビルの完成が待ち遠しいです!

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2025年03月04日

再開発との戦い...

今週のゲストは、建築家の岡啓輔さんです。

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蟻鱒鳶ルは、2000年に土地を購入、2005年に着工。現在も建設が続いており、すでに20年以上の歳月が経っています。その間、地域が再開発地区に指定され、取り壊しの危機に直面しましたが、多くの支援者の協力によって回避されたそう。

「いろんな方たちが協力してくれたと思いますし、すごく立派な方たちがフォローしてくれましたね。」

建設期間だけでなく、コストもすでに1億円以上に及ぶそう。ですが岡さん自身は、当初は3年ほどで完成すると考えていたということ。曰く『再開発に伴う交渉や設計の見直しが重なり、大幅に時間がかかった』と仰っていました。

「友達の弁護士に相談したら、『何が何でも良いものを作れ。それをやらないと途中でモチベーションが落ちる』と言われて、考え抜いた結果、時間がかかりましたね。」

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また蟻鱒鳶ルには、そのユニークさから、海外の建築学科の学生たちも訪れています。
特にイギリスの学生が多く、世界的に著名な建築学校の学生たちが毎年見学に訪れるそうです。

「やっぱりとても喜んでくれるし、驚いてくれますね。」

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2025年03月03日

蟻鱒鳶ルの由来は...?

今週のゲストは、建築家の岡啓輔さんです。

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岡さんは1965年福岡県生まれ。国立有明工業高等専門学校 建築学科を卒業され、会社員、鳶職、鉄筋工、型枠大工、住宅メーカー大工などを経験。2005年から現在に至るまで、
東京・三田にある蟻鱒鳶ルの建設を行っていらっしゃいます。

岡さんがご自身で建てられている蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)
こちらのビルの名前は、信頼するアーティストにつけてもらったものだということで、ポイントは、、、、
・在るか無いかではなく、在ると言い切る。
・『トン』がついているホテルはイケてる、ミラクルがある!!✨


「漢字がいいなと思って、なんか生き物がいいなって言って漢字を当てはめながら、、、」

小黒
「なるほどなるほど」


「蟻・鱒・鳶...で最後は人間代表、建築家代表でル・コルビュジエのルで(笑)」

地下1階と、1階はギャラリーにする予定で、2階から4階は住宅となっています!

OA曲...僕の好きな先生/RCサクセション

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2025年02月27日

『現れる場 消滅する像』

今週のゲストは、音楽家でサウンドアーティストのevalaさんです。

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evalaさんの展覧会『現れる場 消滅する像』が、
3月9日まで、初台にあるNTTインターコミュニケーション・センターで開催中です。
この展覧会は、サウンドアートの枠を超えた音の体験を提供するものです。

こちらはevalaさんのプロジェクトSee by Your Earsの現時点での集大成の展覧会となっており、合計8作品、ほとんどが新作で構成されています。

「美術館の展覧会というと、通常は絵画や彫刻が展示されるものですが、今回の会場はほぼ薄闇の空間になっています。その中で音だけを頼りに、さまざまな作品を体験する展覧会です。」

《Sprout "fizz"》という作品では、その展覧会の一番開けたスペースの床に130以上のスピーカーが配置され、それぞれ独立した音を発することで、訪れる人がまるで新しい自然の中にいるような感覚を味わえるようになっているということ!

さらに、代表作《大きな耳をもったキツネ》もこの展覧会で体験することができます。
この作品は音の反射が物理的にない無響室が会場となっており、一脚の椅子に座って、空間を広くしたり狭くしたりと、人工的な音響創作を体感できます。

「いわば真っ白なキャンパスみたいなものですね。真っ白なキャンパスだからこそできる、ちょっと非日常な体験というような、そういう作品です。」
この作品事前予約制ですが、とても人気だということ。「予約開始すぐにアクセスを頑張っていただければ...!」とおっしゃっていました。

『現れる場 消滅する像』は3月9日まで開催中です!

staff| 21:00 | カテゴリー:

2025年02月26日

非日常な音

今週のゲストは、音楽家でサウンドアーティストのevalaさんです。

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evalaさんに教会や神社仏閣などの建築物における音の違いについて伺いました。
音フェチだというevalaさんは、ずっと音を録りながら世界中を歩いているということですが、教会と神社仏閣においては共通項がありながらも対照的だそう。

「みんなが集まるパワースポット的なところって、実際に録音すると、音の反射が通常ではない、非日常なんです。なんか音から見つけてきているのかもしれないと思ったりします。」

例えば、沖縄にある男子禁制の御嶽では、サンゴの死骸が堆積し穴の開いた地面には吸音効果が、その空間に入ると、少し音が静かになるということ。
また、西洋の教会において建築物や楽器のチューニングを通して、天から音が降ってくるような反射構造があるそう。

staff| 21:00 | カテゴリー:


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