2025年08月07日
建築の枠を超えて、新しい社会インフラを目指す
今週のゲストは建築家で東京大学生産技術研究所特任教授の豊田啓介さんです。
従来の建築家の枠を超えた活動をする豊田さん。
というのも、コンピュテーショナルデザインで建築のデジタル情報を扱ってると、それが建築以外の領域でも価値を持つ、可能性がありそうなものだと考え、実践しているということ。
最終的に目指しているのは新しいライフスタイルの実現だといいます。
「寝たきりの子が病院からもアバターで授業に参加して友達と楽しめるとか、地方にいながら渋谷区の小学校に通い続けられるから、森の中から授業に出られるみたいなライフスタイルを提供したい」
また、豊田さんは大阪・関西万博の誘致段階からかかわっており、コモングラウンド的な概念を実装する社会実験の場として位置づけていました。改めて、万博に対するリアルな感想も伺いました。
そもそも、万博会場には住民がいないことから、『社会実験の場にしていきましょう』というのが、誘致段階の一番のコアのアピールだったそう。
しかし、コロナ禍やAIなどの新技術への社会的な見方の変化により、「未来の技術とかスマートシティみたいなことに対しては手放しでポジティブにだけはいられない環境になっている」と現状を分析していました。
最後に今後の展望について、、、
大学の立場としては
「コモングラウンドっていうのがどういうふうに新しい社会のインフラになっていくか。それをいろんな企業さんとか国とかと一緒に実装検証をしていきたい」
そして建築家としては
「どこにいても、いろんな参加ができるんだったら次は自分はどこでどんな生活したいのかとか、そのときに欲しい環境ってどんなのかな」と、自らも新しいライフスタイルを探求し続けているとおっしゃっていました。