2025年03月12日
スマホの普及による変化
今週のゲストはメディア研究者の 村上圭子さんです。
長年、被災地で取材や調査を続けている村上さんに、昨年発生した能登半島地震について、過去の震災と比べた特徴を伺いました。
「人が少ないというのがあると思います。また集落単位の結束が強くて、大きな避難所へ移ることを避ける傾向がありますね。そのため、情報伝達が難しい場面がありました」
能登半島地震の取材を続ける村上さんは、過去の震災と比べた際の特徴について語りました。「能登半島の地域性として、集落単位の結束が強く、大きな避難所へ移ることを避ける傾向があります。そのため、情報伝達が難しい場面がありました」と話します。
また、村上さんは震災後、ラジオ局の立ち上げを検討しましたが、東日本大震災の時と大きく状況が異なっていたのが"スマホの普及"でした。
能登半島地震は被害が大きかったにも関わらず、Starlinkという衛星ブロードバンドが大きな役割を果たし、インターネット環境がだいぶ早く回復したそう。
「情報を得るにも、もうみんなスマホで、自治体も情報伝達をLINEで行うようになりました。」
しかし、スマホを使えない高齢者や、孤立地域の住民にとっては、依然としてラジオが重要な情報源だったそう。と指摘します。自治体がLINEでの情報発信に頼ることで、一部の住民が情報から取り残された可能性があります。
「きつい言い方をすると、自治体の皆さんが少数の見えない人たちに関しては全体最適ということになってしまったのは、これはやっぱり考えないといけないことなんじゃないかなって。これは能登半島地震の一つの教訓じゃないかなっていうふうに思っています。」