2026年02月09日

「モビル文学」とは

今週のゲストはメディアアーティストの志村翔太さんです。

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志村さんは神奈川県川崎市出身。大学卒業後、旅行会社、プログラマーを経て、情報科学芸術大学院大学博士前期課程修了。場所のナラティブをテーマに、モバイルテクノロジーを用いた新たなメディア表現を追求していらっしゃいます。

志村さんが提唱する「モビル文学」は、自転車で街を走りながら、小型プロジェクターで路面に小説を投影していく独自の表現活動です。

「街に小型プロジェクターで、文字を投影しますので、路面の状況とか、あと街の光ですね、そういったものに影響を受けて、文字が変化するっていうのがポイントかなと思います。一般的な、例えば文庫本だと同じフォントサイズで、同じ書体がずっと付いてると思うんですけど、映像メディアを使うということと、街の環境の影響を受けるってことで文字が揺れたり、ぶれたりするっていうのが、モビル文学の特徴かなと思います。」

固定された文庫本の活字とは異なり、街の光やアスファルトの凹凸によって文字が揺らぎ、形を変えるのが最大の特徴。幼少期から20年間欠かさず日記を書き続けてきたという志村さんの、「自分自身と対話し、言葉を刻む」ことへの深い執着が、モバイルテクノロジーと融合して生まれました。

今回の個展『モビル文学 多摩川アンセム・フォー・マイセルフ』
会場は、東京・蒲田にある元製鉄所の無骨な空間「ギャラリー南製作所」。舞台に選んだのは、志村さんが慣れ親しんだ「多摩川」です。川を境界として、生まれ育った川崎側と羽田空港側という「二つの場所」をテーマに、巨大な映像作品を展開しています。

会場には実際に自転車が一台設置されており、来場者は自身のスマートフォンに専用ソフトをインストールすることで、志村さんの制作プロセスを擬似体験できます。孤独なサイクリングを通じて街に物語を綴る、その「書く」と「走る」が一体となった感覚を体感できる構成です。

staff| 20:00 | カテゴリー:


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