2012年05月24日
浮世絵に見る江戸の食事情
「 “江戸の暗号”をさぐる 100倍拡大!浮世絵DVDブック 1 日本橋 広重」の構成と文章を担当された、伊東ひとみさん。
浮世絵は、浮世絵師が偉いんじゃなくて、版元が一番力があるんだそうです。版元とは、今でいうところの出版社。版元が企画→絵師が絵を描く→彫師が彫る→絵師が色を指定→刷師が刷る→出版!多くの人の手によって作られているんですね。ちなみにお値段は1枚お蕎麦一杯分、だいたい500円くらいだそうです。 |
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浮世絵には食も記されています。江戸で最も成功した料亭のひとつ「八百善(やおぜん)」も。
八百善といえば、江戸末期の書物「寛天見聞記」に書かれた「一両二分の茶漬け」が有名です。10万円のお茶漬け??ある時、美食に飽きた通人が数名、八百善を訪れ「極上の茶漬け」を注文しました。しかし、なかなか注文の品は出てきません。半日ほど経ってやっとお茶漬けが出て来ましが、なぜそんんなに時間がかかったのか店の主人に聞いたところ「香の物は春には珍しい瓜と茄子を切り混ぜにしたもので、茶は玉露、米は越後の一粒選り、玉露に合わせる水はこの辺りのものはよくないので、早飛脚を仕立てて 玉川上水の取水口まで水を汲みに行かせました」と。それを聞いた通人たちは、「さすが八百善」と納得して帰ったといいます。
「江戸の人は人生を楽しんでいる」と伊東さん。お金持ちの方はもちろん、庶民も蕎麦や寿司、天ぷらを食べ、お花見をするなど四季を楽しんで、風流な暮らしだったそうです。
今夜の選曲: AND YOUR BIRD CAN SING / BEATLES