
J-WAVE [NX NIPPON EXPRESS SAÚDE! SAUDADE...] が世界の音楽情報誌WEB「e-magazine LATINA」と共同主催、30回目を迎えたブラジリアン・ミュージックの年間アルバム・ベストテン「2025年ブラジル・ディスク大賞」。リスナーの皆様からの投票(総数3,115通)をもとに、2024年の結果が決定しました。
<1位>フーベル「我々はどこへ行くのか」
Rubel / Beleza.Mas Agora a Gente Faz o Que Com Isso?(185票)

リオ生まれ、34歳。『Casas』が2018年の10位に初ランクインし、関係者1位。2023年、『As palavras,vol.1&2』が3位、関係者2位。本作はギターの弾き語りを軸にバンドやストリングスを乗せ、本人は「ジョアン・ジルベルトのアルバム『Amoroso』などにインスパイアされた」と語った。11月に初来日。「Festival de FRUE 2025」でのソロ・ライヴも大きな反響を呼んだ。20年代の新感覚MPBのリードオフマンにふさわしい。(関係者投票5位)
【投票コメント】
「心洗われる素晴らしい歌声のライヴを聴いて、すぐにCDを買いました。繰り返して聴くたび、じわじわと心に染み渡ります」(女性)
「フーベルの奏でる音楽の幅広さに、まず驚きます。寝る前にいつも聴いています」(男性)
「音楽のクォリティの高さだけでなく、彼の人柄の良さが伝わってきます」(女性)
<2位>ゼー・イバーハ「アフィン」
Zé Ibarra / Afim(177票)

リオ生まれ、29歳。10代でドニカ(Dônica)のメンバーとしてデビューの後、2022年にバーラ・デゼージョの『SIM SIM SIM』が1位、関係者2位を獲得。バーラ・デゼージョで初来日した2003年、ソロ・デビュー作『Marques 256』が7位、関係者5位。来日ソロツアーを行ない番組にもゲスト出演した2024年、ドラ・モレレンバウム、ジュリア・メストリとの『Live at Glasshaus』が8位。バンド編成で録音したセカンド・ソロ作で4年連続のランクインとなった(関係者投票4位)
【投票コメント】
「前の弾き語りのソロアルバムも素敵でしたが、バンドと一緒のアルバムではゼーの美声にたくましさが加わりました」(女性)
「何をやっても話題になる伊達男の、真のソロ・アルバムで、新たなブラジル音楽の入り口となる、現代のMPBの金字塔だと思います」(男性)
<3位>アジムス「マルカ・パッソ」
Azymuth / Marca Passo(162票)

ファースト・アルバム発表から50周年を迎えたジャズ・ファンク・トリオ、現存するオリジナル・メンバーはアレックス・マリェイロス(ベース)。11月の来日公演はアレックスの体調不良で中止となった。
【投票コメント】
「結成の時のメンバーで残っているのはベースの人だけになりましたが、ファンキーなグルーヴ・サウンドが揺るぎない。匠の世界だと思います」(男性)
「アジムスのサウンドの肝はベースにあると再確認できる新作でした」(男性)
<4位>カエターノ・ヴェローゾ&マリア・ベターニア「カエターノ・イ・ベターニア・アオ・ヴィーヴォ」
Caetano Veloso & Maria Bethânia / CAE←→BTH Ao Vivo」(151票)

83歳のカエターノ・ヴェローゾ、79歳のマリア・ベターニア兄妹が2024年8月から2025年3月、ブラジル各地で行なった、2人の正式なジョイント公演としては1978年以来46年ぶりとなるメガ・コンサート・ツアーのライヴ・アルバム。カエターノは30年間、ブラジル・ディスク大賞ベスト10のランクイン回数が、他を圧してダントツ(関係者投票6位)。
【投票コメント】
「2人のカリスマ。年齢を合わせて160歳以上なんて信じられません。円熟の域を超越した、聖なる歌声だと思います」(女性)
<5位>セウ・ジョルジ「バイリ・ア・ラ・バイアーナ」
Seu Jorge / Baile à la Baiana(140票)

『Cru』が2005年の一般投票&関係者投票1位を獲得以来、ランクインの常連セウ・ジョルジ。バイーアの音楽家、ペウ・メウハイ、マガリ・ロルヂと組んだ、10年ぶりのオリジナル・アルバム(関係者投票3位)。
【投票コメント】
「セウ・ジョルジは、どのアルバムも素晴らしい出来。今回も華があり、とにかく聴いていて楽しい。バイーアとリオとR&Bが見事に溶け合っている」(男性)
<6位>サロマォン・ソアーレス&ヴァネッサ・モレーノ「オウトロス・ヴェントス」
Salomão Soares & Vanessa Moreno / Outros Ventos(129票)

11月に来日した、歌手ヴァネッサ・モレーノとピアニストのサロマォン・ソアレスのデュオ・アルバム。ヴァネッサは「Sentido」(2021年4位)、サロマォンとのデュオ作『Yatra-Tá』(2022年4位)、『Solar』(2023年10位)に続いてのランクイン(関係者投票2位)。
【投票コメント】
「宮沢和史オーガナイズ・ブラジル音楽週間で来日公演を観て、ただただ感動しました。いまだに余韻から抜け出せていません」(男性)
<7位>ソユーズ「クロック」
Soyuz / Krok(112票)

ソユーズ(СОЮ3)は東欧ベラルーシのグループ。中心メンバーのアレックス・チュマクがブラジル音楽好きで、本作にはサンパウロで録音した曲もあり、セッサ、チン・ベルナルデスらと共演。日本から角銅真実もゲスト参加。
【投票コメント】
「ここではない、どこかで鳴っている音楽といった趣が、非常にお気に入りです」(男性)
<8位>マリーナ・セナ「コイザス・ナトゥライス」
Marina Sena / Coisas Naturais(103票)

ミナス生まれ、29歳。2020年代のブラジル・ポップスを代表するスターとなったマリーナ・セナが、サードアルバムで初ランクイン。
【投票コメント】
「ブラジリアン・ポップスの新星!独特な世界観を醸し出す歌声と妖艶なビジュアルは、新世紀のリーダー的存在ですね」(男性)
<9位>ロー・ボルジェス「セウ・ヂ・ジス - ロー・ボルジェス・コンヴィーダ・ゼカ・バレイロ」
Lô Borges / Céu de Giz - Lô Borges Convida Zeca Baleiro(94票)
11月2日、73歳で他界したロー・ボルジェスのラスト・アルバムは、北東部出身の年下のシンガー・ソングライター、ゼカ・バレイロとのコラボ作。

【投票コメント】
「ロー・ボルジェスが亡くなってしまったことが残念でなりません。クルビ・ダ・エスキーナの映画を見て、ロー・ボルジェスへのサウダージを噛みしめたいと思います」(男性)
<10位>ジョイス・モレーノ「オ・マール・エ・ムリェール」
Joyce Moreno / O Mar é Mulher(91票)

2025年は来日公演が途切れたが、日本での人気が根強い大御所、ジョイス・モレーノ。バンド編成で、共作を含む未発表のオリジナル曲を歌う。
【投票コメント】
「海という言葉は、ポルトガル語では男性名詞なのだけど、ジョイスは海が女性であると歌っていることに共感しました。私も海は女性だと思います」(女性)
★音楽関係者投票(e-magazine LATINA主催)
<1位>ルエジ・ルナ「ウン・マール・プラ・カダ・ウン」
Luedji Luna / Um Mar Pra Cada Um(71票)

<2位>ヴァネッサ・モレーノ&サロマォン・ソアーレス「オウトロス・ヴェントス」
Salomão Soares & Vanessa Moreno / Outros Ventos(66票)(一般投票6位)
<3位>セウ・ジョルジ「バイリ・ア・ラ・バイアーナ」
Seu Jorge / Baile à la Baiana(58票)(一般投票5位)
<4位>ゼー・イバーハ「アフィン」
Zé Ibarra / Afim(53票)(一般投票2位)
<5位>フーベル「我々はどこへ行くのか」
Rubel / Beleza.Mas Agora a Gente Faz o Que Com Isso?(50票)(一般投票1位)
<6位>カエターノ・ヴェローゾ&マリア・ベターニア「カエターノ・イ・ベターニア・アオ・ヴィーヴォ」
Caetano Veloso & Maria Bethânia / CAE←→BTH Ao Vivo」(35票)(一般投票4位)
<7位>アレシャンドリ・アンドレス「ルアール・トタル」
Alexandre Andrés / Luar Total (32票)
<8位>アントニオ・ロウレイロ「アルデイア・コラサォン」
Antonio Loureiro / Aldeia Coração(26票)
<9位>バイアーナシステム「オ・ムンド・ダ・ヴォルタス」
BaianaSystem / O Mundo Dá Voltas(25票)
<10位>ジュリア・メストリ「マラヴィリョーザメンチ・ベン」
Julia Mestre / Maravilhosamente Bem(24票)