2026年02月17日

ユニークな装丁と造本

今週のゲストは画家・作家の井上奈奈さんです。

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井上さんとブックデザイナーの祖父江慎さん、そして製本のスペシャリスト「篠原紙工」がタッグを組んだ『猫の悪口』は、造本の常識を覆す「前代未聞のアートブック」です。

祖父江慎さんによるデザインは、愛猫キリグの曲線から導き出された躍動感あふれる文字組みや、ランダムに変わるページの開き、観音開きの中に別の物語が隠れる仕様など、手に取ることでしか味わえない多層的な体験を創出しています。帯の長さが前後で異なり、タイトルの一部が欠けているといった細部にも、猫のような「おかしみ」と遊び心が満載です!

技術面では、通常は糊の付きを良くするための「ミーリング加工」をあえて意匠として採用し、猫のひっかき傷のようなギザギザの天を表現。さらに、重厚な厚紙を使いつつ軽やかさを両立させた特殊な「スイス装」により、ずっしりとした存在感を放ちます。「時間を閉じ込めた」と評される通り、開くたびに異なる時間が流れるような、舐めるように読み込みたい一冊です。

staff| 20:00 | カテゴリー:


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