2025年03月10日
災害情報と地域メディア
今週のゲストはメディア研究者の 村上圭子さんです。
村上さんは、学習院大学法学部卒業後、1992年NHKに入局。報道局でディレクターとして『NHKスペシャル』『クローズアップ現代』等を担当後、ラジオセンターを経て、2010年よりNHK放送文化研究所で、メディア研究に携わり、今年1月に、退職。
現在は、フリーのメディア研究者として活動されていらっしゃいます。
村上さんは「災害情報と地域メディア」という観点から長年、被災地で取材や調査をされていらっしゃいます。
村上さんは阪神淡路大震災が発生した時、入社して3年目で、当時は報道局でディレクターをやっていたそう。2日目に現場に入り、実際に情報が届く場所と全く届かない場所の差に衝撃を受けたといいます。また、この時指摘されていたのが『ヘリコプターの音』でした。
「実際に取材をしてみると、建物倒壊した中に生きてらっしゃる方がたくさんいらっしゃって。救出を"声"を頼りやっていたんです。 それで私、お話聞かせていただけませんかって3年目だからおどおど言ったら、ものすごく怒られてですね。胸ぐらをつかまれて、『お前たちメディアが俺たちの家族を殺してるんだ』って言われてですね。」
取材をやめて、一緒に救出をしたという経験があるそう。
この経験から、メディアが災害時に果たすべき役割について深く考えるようになったといいます。
「マスメディアがやることって、被災地の状況を外部に伝える報道と、被災者に必要な情報を届ける『災害情報伝達』と大きく2つあると思うんです。1人でも多くの人の命を救うためにどうやって情報を伝えていくのかとそのために何ができるのかっていうふうなことを自分自身考えたいと。」