2020年12月24日

稲葉さんが次に見据える、今後の展望とは…?

一級建築士で作家の稲葉なおとさんをお迎えしています。

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ーー東京五輪の影響で、2019年から2020年は
東京でもホテルの建設ラッシュになりました。
稲葉さんから見て、どういったところが
特徴でしたでしょうか?

稲葉さん「東京五輪の影響で新築ラッシュでもあったんですが、
改築ラッシュでもあったんです。
古いホテルの改修・改築がいろんなところで
行われていて、それが二極化しています。
1つは、今だからこそ昭和初期に建ったものが、
進駐軍に接収されたり、オーナーが変わって
改築されたものを、もう一回開業当時に
戻そうとして大幅に手を入れたホテル。
もう一つは、今海外の人に受けるために、
ニューヨークテイストやパリ風テイストを
入れて古い内装を消してしまうホテル。
その2つが両極化しているのが
面白いなと思います。」

ーー今後、稲葉さんが関心を持っているテーマとは?

稲葉さん「ずっとホテルにこだわってきたんですが、
邸宅というか、建主さんの思いが今でも伝わるような
家が今でも残っていて…でも、それが伝わって
いないものがたくさんあるんです。
当時の建主さんに感情移入できるような
文章を書いて、尚且つ、自分でこだわった
写真で伝えられたらなと考えています。」

ーー稲葉さんが勧める、「夢のホテルのつくりかた」
読んだ上で行って欲しい入門編のホテルとは?

稲葉さん「日光金谷ホテルですね。
本館、新館、別館とあるんですが、
それぞれ明治、大正、昭和初期に
建てられた中で、こんなにもすごい
工夫がされているんだ、と
この本ではじっくり書いているので、
それを知った上で見ていただきたい。
例えば、この宴会場、上に客室があるのに
柱がないなと…それは二階の床を屋根から
吊っているんです。
というようなことを予備知識として
持った上で現地に行っていただくと
今まで見えてこなかったものが
見えてくると思います。」

今夜の選曲… RUDOLPH THE RED NOSED REINDEER / CRYSTALS

| 20:00 | カテゴリー:ゲストトーク


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