2017年05月26日

建物の記憶と街の記憶、その場所に建物を残す大切さ

株式会社HAGI STUDIO
代表取締役の宮崎晃吉さんをお迎えしています。

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HAGI STUDIOは、リノベーション以外にも
多くのプロジェクト行なっています。
「設計の面白さとしては色々とあるので、
新築の設計なども行なっています。
今、世の中的にも待っていれば仕事を
持ってきてもらえるという時代でもないので、
プロジェクト自体を如何に作るかっていうのが
大事だと思っていて、仕事がないところに
仕事を作っていくことをやっていますね。」

そんな宮崎さんは谷中地区に
「はつねあん」という地元の人向けの
惣菜屋さんを建てられました。
「ここの問題意識の一つとして、相場に対して
賃料がすごく高くなっているということが
あります。元々商売やっている人は、
(いずれ)大家さんになった方がいいじゃないですか。
そうなってくると、家賃で入ってくるのは
観光客向けのお店になってくる。
良いことだとは思うんですけど、
それがずっと繋いでいった時にそれが
陳腐化しないかって恐れがある。
それがあるので5年後、10年後のために、
今から種を植えれることはできないかなと
いうことで、地元の人向けのお惣菜屋さんを
作ったということですね。
元々商店街が持っていた機能ですが、後々
もう一回街が魅力を見出すきっかけになれば
良いなと思います。」


最後に宮崎さんは、
場所として残る建物の記憶、人の記憶の
大切さ、面白さについて語ってくださいました。
「萩荘もいろんな人の記憶に結びついていて、
森田芳光監督の処女作『の・ようなもの』って
映画があるんですけど、あれで主人公が住んでいる
アパートが萩荘なんですよ。あの映画は1981年の
公開なので、僕が生まれた頃の映画に
萩荘が映っているんですよ。35年前の萩荘や
街の記憶なんかを追体験できるって意味では
あの場所に残っている意味ってあるわけですよね。
実は、その建物が街の記憶だったり、人の記憶に
結びついているのはすごく面白いな思っています。

今夜の選曲:BOOT LEG / BOOKER T.AND MG’S

| 20:48 | カテゴリー:ゲストトーク


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