2006年05月15日

【第14回】「築地の朝めし」 きつねや

沖縄で微生物のパワーを知る
 先週末は、沖縄出張。デトックスの最先端の、EMスパに行ってきた。同行していただいたのは、世界文化社の加治さん。ドマーニ花塚編集長、日経ヘルスの西沢編集長、そしてホテル評論では日本一のノンフィクション作家の桐山君だ。桐山君以外は、異常な健康フェチ。
 でも驚いたネ。あの沖縄ヒルトンがこんな形でよみがえっているとは、詳しくはソトコトみてネ。EM生みの親、ヒガ先生とも会えたし、微生物の世界はとんでもないことになってました。古タイヤが重油に戻ったり、ヒガ先生のシントロピー理論は世界を変えるネ。次回は我々みたいな文学頭ではなく、科学頭をつれていこう。EMバラまきゃ、この築地も、クリーンで、臭いもしなくなるという。ゴミもゼロなんて、ホンマかいなと、今朝の朝めしは「きつねや」に決めた。


第14回 カオティック鉄鍋 きつねや
 で、今日はホルモン煮の「きつねや」。もんぜき通りの、ゴチャゴチャした一画にある。新大橋通りを往来するトラックやら、歩道を駆け抜ける小車やらが行き交う中、店頭でホルモン、たまねぎ、こんにゃくなどがグツグツと鉄鍋で煮込まれている。まさに、EMをバラまくと、消えてなくなりそうな店。でも、これが築地らしさとも言える。

ホルモン煮550円。ごはん(並)220円。

 私は、50代。朝からホルモンなどがっつけない。編集部へ行って、血色悪そうな奴を捕まえて、朝めしをご馳走してやることにした。私は、ご飯とおしんこを頼み、彼にはご飯とホルモン煮を注文してやった。食べるのは、もちろん歩道の上に置かれた、立ち食い用テーブル。
 せっかくなんで、ホルモン煮を一口二口食べてみる。見た目とは違い、意外にあっさりしている。よく言えばなんだか、ハヤシライスのような味もする。でも三口目はいらない。彼は、モソモソとホルモン煮とご飯を替わりばんこに食べながら、こうつぶやいた。
「モツって、スタミナつくんですかね?」
 ソトコト6月号(発売中!)の巻頭エッセイによると、人間は食べたものを粉々に消化してしまうので、「肝臓が調子悪いからレバーを食べる」、「お肌が荒れているからコラーゲンを摂る」というのは、非科学的らしい。でも、こいつに言っても始まらない。思い込み効果で、スタミナがつけば御の字だ。
「そうらしいな、もっと食え!」

煮えたぎる、チノイケ地獄のよう。

 「きつねや」の名物は、「ホルモン丼」ということになっている。が、あのホルモンを煮込んだ汁をたっぷり吸い込んだ飯を食うと、血はドロドロだ。血を沸騰させてセリに挑む河岸の兄ちゃんならいざしらず、素人さんには、ホルモン煮とご飯をおススメする。

 築地に沖縄のEMをバラまくと、この店はどうなるのか? 消えてなくなってしまうなら、築地市場もなくなってしまう。残るようなら、築地市場も残るだろう。ある意味で、非常に築地らしい、そしてアジアの雑多な雰囲気を色濃く残す店だ。

きつねや
住所:中央区築地4-9-12
電話:03-3545-3902
営業時間:7:00〜13:30
定休日:休市日(日曜祭日、第2・4水曜日など)

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