2006年05月11日

【第12回】「築地の朝めし」 魚四季(うおしき)

築地の大動脈を突っ切る
 今日は、今週初めにお約束した厚生会館の名店にご案内。晴海どおりからスグ入れるが、私がおすすめしたい迷宮めぐりコースがある。お馴染み、波除神社のワキを隅田川のほうに入る。トラック、ターレ、荷車、自転車、バイクが入り乱れており、ボヤっとしていると、轢かれちゃう。怒鳴られるかもしれないが、それも河岸のご挨拶。
 右手に見えるは、いわゆる場内市場。左手が駐車場。つまり、買出し終わった人が、荷物を車に積み込む動線のド真ん中を突っ切る。築地の大動脈を横断するワケだ。いかにもアジア的な、雑多でエネルギッシュな空気が楽しめる。まあ、朝めし前に、ターレやトラックが吐き出す黒煙も吸い込むことになるんだが。


右手は場内だ

ヒト、ターレ、自転車の3連星

 そして正面が冷蔵倉庫群。運がよければ、扉を開け閉めする度に白い煙が立ち上がるシーンを見ることができる。夏の暑いときなんかに、汗をかきかきこのコースをたどり、冷蔵倉庫前で冷たい白煙を仰ぎ見る。私が好きな、築地の1シーンだ。
冷蔵倉庫を左に行けば、目指す厚生会館。そして、ガイドブックに登場しない名店「魚四季」がある。


第12回 秘密の花園 魚四季
 厚生会館には、宿泊施設があり、大浴場がある。屋上はなんと体育館だ。前にも書いたとおり、築地の中ではキレイでゆっくりできるトイレがあるので、覚えておいた方がいい。目指す「魚四季」は厚生会館の1階にある。ここのマグロは結構いける、実家がマグロの私が自信を持っておススメできる。朝は、魚四季朝定食がいい。ガイドブックなんかには載っていないが、量もほどほどで、マグロのブツがつく。

魚四季朝定食 630円

 この店の親会社は品川の古い料亭。従って、朝定食とはいっても、きちんと5品。河岸の食堂は、1点豪華主義という店が多いなか、こういう店はありがたいネ。マグロのほか、小鉢をつまみながら、白いご飯と一緒においしくいただく。食べ終わっても、腹八分目くらいでちょうどいい。

 ふと店をみまわしてみる。河岸に似合わず、というかスーツにネクタイという人もチラホラ。河岸に出入りする業者も、大きな会社組織というところが少なくない。そんな河岸のホワイトカラーを良く見かけるののも、この店の特徴。
 しかし、思わず聞き入ってしまう会話を交わしているのは、やはり河岸の兄ちゃん、おじさんたちだ。今日も、隣の席で「貸した金が返ってこない」だの、「払った葬式代はどうなっているのか?」といった冠婚葬祭トラブル話や、「ミスプリント千円札はパチンコ屋で使えるか?」といった熱い議論が交わされている。店内に流れる、ありふれた有線放送がその雰囲気を変に盛り上げる。

 厚生会館への道も迷宮、「魚四季」で交わされる会話は人生の迷宮。今日の築地ルール、「たまには築地の迷宮をさまよいなさい」。

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魚四季
住所:中央区築地6-20-6 厚生会館1F
電話:03-3545-8018
営業時間:6:00〜14:00、17:00〜22:00
定休日:休市日(日曜祭日、第2・4水曜日など)

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