2006年04月21日

【第3回】「築地の朝めし」こはく

昨日のフレンチ「ピエール・ガニェール」について

 昨日は、予約の取れない驚異の3ツ星、青山の「ピエール・ガニェール」で、カルチエ社長とご会食。お店は満杯。サービスよろしい。私の知っている料理記者はみな誉めるのだが、私にはクエッション。まずは、皿数多すぎ、ディナーでなんと23皿。パリとは違った現地の食材ということで、魚がけっこう出るんだが、鰹と、ホウボウ、車エビにマナガツオ、さらに貝類。しかも、東京で勉強したんだろうね、火の入りが微妙なレアを目指したんだろうが、ただの生焼け。魚の火の通し方は、“わかんねェ”というか、食文化の違いなんだから、日本流なぞ考えず、バッチリ火を通しておフランスでいいのでは。中途半端ね。決定的にダメなのが、色感。これまた吉兆でお勉強したのか知らんが、民族の違いだネ。一緒にいた狂牛病の専門家、福岡教授のご指摘とおり、毒キノコの色のとりあわせだ。ただし、あれだけ食べても、今朝は快調、おなかペコペコ。食材、油、全ていいものつかってらっしゃる。

 てなことで、今朝は“かるーく”おにぎりだ。『ソトコト』編集部近くにある、隠れた名店、「こはく」にしよう。

おにぎりは1個150円くらいから。この日は、5個で865円。

その場で握ってくれる、懐かしいおにぎり

 編集部から徒歩でジャスト1分。扉を開けると、自称「築地のブー・フー・ウー」のベテランお嬢さん3姉妹が迎えてくれる。「おはよう、今日はなにがおいしいの?」と声をかけると、ベテランお嬢さん、カウンターに座っているお客さんを巻き込んだ会話がはじまる。その元気のよさ、いきのよさは、朝から気持ちいい、さすが築地。ぼやぼやしていると、私なんか頭から食べられちゃいそうだ。

 肝心のおにぎりは、注文してから握ってくれる。米はこだわりの秋田産。角煮から、ゆかり、大葉、じゃこなどバラエティー豊かな具があり、今日は何にしようかしばし悩む。するとベテランお嬢さん「じゃあ、自分で伝票書いて!」 築地では“ぼやぼや”してたら、こうなってしまう。思いつくままに書いたら、5つも頼んでいた。竹の皮に包んでもらって、外に出たらいい天気。ベテランお嬢さんの威勢のよさと、うまいにぎりめし、今日はいいことありそうだ。

 全部自分で食べるんじゃないよ。うちの若い奴ら、いつもろくなもの食べてない。ちゃんとしたもの食べないと、いい雑誌が作れない。だから、多めに買って、顔色悪いやつに食べさせる。朝から米を食べないとだめだ。衣食足りて礼節を知るというが、本当にそう。築地の人は、朝早くおきてちゃんとめしを食べているから、元気がいいし、声もでかい、礼儀正しい。自然と人と人の関係もよくなる。今日の築地ルール、“築地では元気よく、礼儀正しく!” そのために、朝からちゃんと朝めし食べなさい!

こはく
住所:中央区築地7-16-1
電話:03-5565-5176
定休日:土・日曜、祝日

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