2025年09月11日

今が一番輝いている人生を目指して

今週のゲストはプロトレイルランナーの井原知一さんです。

LINE_ALBUM_トレイルランナー 井原知一さん_250905_1.jpg

井原さんが挑戦を続けるバークレー・マラソンズは「悪魔のレース」と呼ばれています。
過去40年間で完走者はわずか21名。毎年40名が参加しますが、完走率は1%未満で、完走者が一人も出ない年もあるといいます。

「バークレー・マラソンズという大会は完走者を出させたくないというよりも、人間のできるかできないかの限界にその場があるんです」

陸上の棒高跳びのように、1986年の開始以来、毎年少しずつバーが上がり難しくなっているそう。
今年6回目の挑戦となった井原さんも「過去一番にバーが上がった年で難しい」と話していました。

ドキュメンタリーフィルム「メインクエスト」は、2023年のバークレーへの挑戦を記録した第1作がYouTubeで視聴可能です。
第2作は映画祭への出品後に公開予定で、2025年の挑戦も現在製作中とのこと!楽しみです!!

最後に今後の目標について尋ねると、井原さんは大会主催者ラズとの印象的なエピソードを語りました。

それは、ラズが杖をついた高齢の身体でアメリカ東海岸から西海岸まで歩くチャレンジをすると聞いた時のこと、
「僕がこのチャレンジを今することが、僕のウルトラランニングの人生の中で一番難しいことをやろうとしているんだ」という話をきいたそう。

この言葉に感銘を受けた井原さん。

「人間は衰えていくと若い頃と比べてどうしても衰えるという考えになってしまう中でも、
ラズという人は今が一番輝いているんだなと思って。僕もこの先60歳、70歳、80歳、90歳と
年を重ねていったときに、やっぱり自分がその年で一番輝いていたい」

今までにやったことのない挑戦を続けることで、自分自身を磨いていきたいと語っていらっしゃいました!!

staff| 21:00 | カテゴリー:

2025年09月10日

世界一過酷なレースに挑み続ける理由

今週のゲストはプロトレイルランナーの井原知一さんです。

LINE_ALBUM_トレイルランナー 井原知一さん_250905_11.jpg

井原さんはご自身のドキュメンタリーフィルム「メインクエスト」を公開されています。
この映画は、アメリカで「世界一過酷なウルトラマラソン」と呼ばれるバークレー・マラソンズへの挑戦を記録したもの。
2024年に第1作「メインクエスト~バークレーマラソンズに導かれし者たち~」、
今年は第2作「メインクエスト2~穢れなき負け犬の遠吠え~」を公開しました。

大会を主催しているのは「ラズ」という愛称を持つ方。
現在は杖をついたお腹の出たおじいさんですが、50年以上前からテネシー州の街中から山のトレイルまで走り尽くした伝説のトレイルランナーだといいます。

「通常のレースはWebサイトでエントリーしますが、バークレーにはそういったものが一切なくて、エントリー方法が不明というところから始まります」

エントリーするには過去の参加者からラズのメールアドレスを教えてもらい、
決められた時刻に「なぜバークレー・マラソンを走らなければならないか」というエッセイを送る必要があります。

またそのレースの過酷さは想像を絶します...!1周40キロのコースを5周、富士山だと7個分ほど...!
コースマーキングはなく、地図とコンパスのみで進み、GPSデバイスの使用も禁止。
15か所のチェックポイントでは岩や洞穴に隠された本から自分のゼッケン番号と同じページを破り取って証明とする独特のシステム。
制限時間は60時間という、まさに「獣に戻る」ようなレースです。

staff| 21:00 | カテゴリー:

2025年09月09日

挑戦を恐れず、心が踊ることから始めよう

今週のゲストはプロトレイルランナーの井原知一さんです。

LINE_ALBUM_トレイルランナー 井原知一さん_250905_2.jpg

井原さんは東京・高尾を拠点に「Tomo's Pit」というオンラインコーチング事業を展開されています。
このサービスは、各生徒さんの目標に合わせて毎日の練習メニューを作成し、
オンラインで指導するというもの。生徒さんは20代から70代まで幅広く、男性が6割、女性が4割という構成だそうです。

「初めて100マイルを走ってみたいという方もいれば、日本のトップレベルで競技している方、今後もっと長く走り続けたいという方まで、本当に様々ですね」

毎日走っているという井原さんが食事面で特に意識しているのは、
バランスの取れた食事と、走った後30分以内の栄養補給です。

「走って帰ってくると、コンビニでおにぎりとサラダチキンを買ったり、プロテインドリンクを飲んだりしています」

糖質とタンパク質をしっかり摂って、次の練習に備えることを大切にしているといいます。
ランニングやトレイルランに興味を持った初心者へのアドバイスも伺いました!

「やりたいと思ったら、ぜひ挑戦して失敗することを恐れず挑戦していただきたい。
 失敗を恐れてやらないよりも、失敗をして学んでいった方が人生豊かになると思います」

挑戦の形は人それぞれ。レースへの参加だけでなく、高尾山に行ってみたい、
富士山の頂上からの景色を見てみたいという目標でもいいそうです。

大切なのは「心が踊ること」。苦しい時があるからこそ楽しい、その理由がワクワクすることであれば、なおさらいいのだとお話していました。

staff| 21:00 | カテゴリー:

2025年09月08日

100マイル完走を人生の目標に掲げるプロトレイルランナー

今週のゲストはプロトレイルランナーの井原知一さんです。

LINE_ALBUM_トレイルランナー 井原知一さん_250905_1.jpg

1977年長野県生まれの井原さんは、社会人時代にトレイルランニングと出会い、
現在は東京の高尾を拠点に活動されています。
オンラインコーチング事業「Tomo's Pit」を展開しながら、
フィジカルアーティストとして『100mile,100times』「生涯で100マイル(160キロ)を100本完走」という壮大な目標を掲げて活動中です。

日本のトレイルランニング人口は約20万人、大会は大小合わせて400ほど開催されているといいます。
その中でプロトレイルランナーとして活動しているのはわずか10名ほど!

コースの距離は、キッズレース向けの1キロから、井原さんが主戦場とする100マイル(160キロ)
さらには井原さんが今年6月に完走した大シガイチというレースは435キロと、実に様々です!

「(大シガイチは)5日と6時間42分かかったんですけど、その中で取った睡眠が12時間でした」

30キロごとにサポートスタッフが車で食事を届け、
道中は行動食と沢の水で補給しながらの過酷な挑戦でした。

そんなトモさんがトレイルランニングを始めたきっかけは31歳の時。
当時体重98キロだった井原さんが、勤務先のスポーツ商社の企画で3か月間走り、
7キロの減量に成功!その後、先輩に誘われて参加した長野・斑尾のトレイルランニング大会への準備として
高尾山を走ったことが、この世界にのめり込むきっかけとなったそうです!

staff| 21:00 | カテゴリー:

2025年09月03日

体験型展示で感じる防災の可能性

今週のゲストはビジュアルデザインスタジオWOWのディレクター、大内裕史さんです。

LINE_ALBUM_WOW 大内裕史さん_250829_4.jpg


  • 企画展「そのとき、どうする?展」
  • には、来場者が実際に体験できる展示も準備されています。
    その一つが「そのとき、そのとき」という積み木の作品。
    大内さんによると、一見ただの積み木遊びの場所に見えますが、
    実は10分に1回テーブルが揺れる仕掛けになっているそうです。

    「床に水の波紋のような映像を映していて、10分間かけてテーブルにじわじわ波紋が広がってきます。
    これがテーブルに差し掛かるとテーブルが揺れるんです。揺れの強さはランダムで、
    倒れなかったり倒れてしまったり。その周りにいる人たちの心理って、
    すごく災害のときに似てませんか?「その時」があえて地震ですとも言ってないんですけど、
    人のこういう気持ちをあぶり出すような作品になっています」

    また展示の中でも、特にユニークな取り組みの一つが「災害救援鳩」のプロジェクト。
    大学院生の中嶌健さんが、高校生の頃から研究している取り組みで、
    電気が使えなくなったときの通信手段として鳩を活用するというものです。
    幼い頃から父親がレース鳩を飼っていた中嶌さんが、災害ニュースを見て思いついたアイデアだといいます。

    また、「災害の先にある希望のかたち」として、石巻工房のAスツールも展示されています。
    2011年の東日本大震災後、仮設住宅に住む人たちのために市民DIY工房として立ち上がった石巻工房は、
    今では都内のカフェやホテルでも導入される世界的なブランドに成長しました。

    「復興支援という形よりも、むしろそれをきっかけに事業として成長し続けているということも、
    防災という展覧会ではあるんですけど、その先っていうのも示せるかなと思って選んでいます」

    展覧会の中腹にあたる場所に設置されたこのスペースは、休憩場所としても機能し、
    これまでの歩みをまとめた映像と共に、明るい希望を感じさせる空間となっています...!

    staff| 21:00 | カテゴリー:

    2025年09月02日

    「問い」から考える防災の多様性

    今週のゲストはビジュアルデザインスタジオWOWのディレクター、大内裕史さんです。

    LINE_ALBUM_WOW 大内裕史さん_250829_3.jpg

    21_21 DESIGN SIGHTで11月3日まで開催中の企画展「そのとき、どうする?展」
    参加型の展覧会となっており、会場には10個の「問い」が用意されています。

    また問は「安全な場所ってどこ?」「十分な備えってどれくらい?」といった抽象的なものです。

    「最初はもう少し具体的な状況設定をしようとしていました。例えば『過去にないぐらいの大雨が起きて、どうする?』みたいな。
     ただ、状況設定してしまうとそれに対してのアクションを具体的に答えてしまうので、
     もう少し広く、その問いだけで、その人が普段思い込んでいるところもあぶり出されるといいなと思って、
     少しそういった問いにしています」

    最初の問い「安全な場所ってどこ?」では、災害の可視化としていくつものモニターが展示。
    東京直下型地震の被害想定をビジュアライズしたウェブサイトや、川の流域を地図にしたものなど、
    ほとんどがウェブでアクセスできる一般公開されているものとなっていました!

    また「十分な備えってどれくらい?」という問いに対するパブリックアンサーは「7日間」。
    かつて推奨されていた3日間から大幅に増えています。
    展示では実際の7日分の非常食が並べられていますが、これは食にこだわりのあるスタッフが
    「私ならこうする」という献立を作ったもので、実際には家族構成や食事回数によって必要量は変わるといいます。

    staff| 21:00 | カテゴリー:

    2025年09月01日

    防災をデザインの視点で考える企画展「そのとき、どうする?展」

    今週のゲストはビジュアルデザインスタジオWOWのディレクター、大内裕史さんです。

    LINE_ALBUM_WOW 大内裕史さん_250829_1.jpg

    大内さんはWOWでディレクターとして活動されており、TVCMやアプリケーション、ミュージックビデオなど
    メディアを問わない表現活動を得意とされています。
    また東北出身という背景から震災後は地域でのボランティア活動にも参加されています。

    9月1日は防災の日。現在、六本木の21_21 DESIGN SIGHTでは、
    WOWがディレクションする企画展「そのとき、どうする?展 -防災のこれからを見渡す-」が開催中です。
    この企画展の狙いについて、大内さんはこう説明します。

    「21_21 DESIGN SIGHTは日常の物事をテーマにしてデザインの視点で企画展を行う場所です。防災の知識や技術を一方的に伝えるというよりは、来ていただくお客様たちに『自分ならどうするか』『そのとき、みんなはどうするのか』という、自分ごととして考えてもらえるような展覧会を構成しています」

    展覧会では10個の「問い」を設けており、「安全な場所ってどこ?」「十分な備えってどれくらい?」といった
    防災にまつわる問いが、会場全体を見渡せるように展示!
    またサブタイトルの「防災のこれからを見渡す」には、
    様々な状況や可能性を広く見渡しておくという意味が込められています。

    大内さん自身も東日本大震災で家族が陸前高田市で被災し、家を失った経験を持っていらっしゃいます。
    そんな大内さんにとって防災とは「想像を超える状況だった。普段から準備してもしきれない部分があることを痛感した。無理なくでも続けられることでいいから、やっぱり備えておく必要がある」と話していらっしゃいました。

    防災の専門家ではないデザイナーたちが、デザインの視点から防災を考え直す。
    誰もが自分ごととして防災を考えるきっかけとなる企画展となっています!

    staff| 21:00 | カテゴリー:

    2025年08月28日

    図書館の新たな役割と未来への展望

    今週のゲストは東京都立多摩図書館情報サービス担当の井上郁哉さんです。

    LINE_ALBUM_東京マガジンバンク 井上郁哉さん_250816_5.jpg

    都立多摩図書館では現在、「1年後、5年後、10年後、どんなふうに生きていく?」という青少年向けの企画展示を10月1日まで開催しています。

    中高生世代におすすめの本や、将来について考えることができる本を展示しており、学校以外を舞台に活躍する10代が出てくる本や、大学生活、仕事、家族のあり方など、今後の人生に関わる可能性があることについて書かれた本が並んでいるそうです。

    「これらの企画イベントについては、図書館の司書がそれぞれアイディアを出し合って、最終的には多数決であったりとか話し合いとか、あとはその司書個人個人がどういった本を紹介したいかとか、職員全員で話し合って決めていっています」

    またデジタル化が進む中での図書館の存在意義について尋ねると、井上さんは現代の図書館の変化を指摘しました。電子書籍など図書館に来なくても本が読める時代になってきている一方で、カフェが併設されている図書館やイベントを多く実施している図書館も増えており、本を読んだり借りたりする場所としてだけでなく、人々の日常生活を支えたり、来館者同士の交流の場所となるような使い方がトレンドになっているといいます。

    ちなみに井上さんが行ってみたい図書館はフィンランドの「ヘルシンキ中央図書館」。
    2019年度のPublic Library of the Yearに選ばれたこの図書館は、本や雑誌だけでなく3Dプリンターやゲームの貸し出し、ワークショップスペースなど、従来の図書館の枠を超えた機能を持っているそうです。
    本を通じて人々をつなぎ、コミュニティの拠点として進化し続ける図書館の姿を垣間見ることができました!

    staff| 21:00 | カテゴリー:

    2025年08月28日

    雑誌でつながる学びの場「東京マガジンバンクカレッジ」

    今週のゲストは東京都立多摩図書館情報サービス担当の井上郁哉さんです。

    LINE_ALBUM_東京マガジンバンク 井上郁哉さん_250816_2.jpg

    都立多摩図書館では「東京マガジンバンクカレッジ」という活動を展開しています。
    これは10年前の国分寺移転時に始まった取り組みで、「雑誌の魅力を知る、作る、伝える」というコンセプトのもと、雑誌を仲立ちとした学びや交流の拠点づくりを目指しているそうです。
    カレッジではパートナー制度を実施しており、雑誌やカレッジの活動に興味がある個人や都内の団体が参加できます。パートナーになると、年に1回程度の交流会への参加や、イベント情報・雑誌記事の紹介を掲載したメールマガジンの配信を受けることができます。

    カレッジでは毎年雑誌に関連したイベントを開催!
    今年6月末には国立天文台の方を招いて天文関係のイベントを実施しました。
    講師は天文雑誌に連載記事を書いており、その連載の裏話や、水星をテーマにした天文雑誌との思い出を語る講演会となったそうです。
    講演会はパートナーに限らず誰でも参加可能で、パートナー制度も無料だといいます。

    また図書館の重要なサービスがレファレンスサービス。
    皆さんは利用されたことありますか?

    これは調べたいことや探している資料について、司書が必要な資料や情報を案内するサービスです。来館してカウンターで質問するほか、電話や手紙、メールでも受け付けているそうです。ただし医療や法律の診断、学校の宿題や懸賞はがきのクイズなどは対象外となっています。

    staff| 21:00 | カテゴリー:

    2025年08月26日

    創刊号から絶版誌まで収集する東京マガジンバンクの世界

    今週のゲストは東京都立多摩図書館情報サービス担当の井上郁哉さんです。

    LINE_ALBUM_東京マガジンバンク 井上郁哉さん_250816_3.jpg

    東京マガジンバンクは、書店で見かける一般的な雑誌から、専門誌、大学や企業が発行する学術誌まで幅広く収集しており、令和7年3月末時点で約1万9000タイトルを所蔵!特に女性誌と鉄道関連誌を重点収集しています。

    「東京マガジンバンクを開設した当時、様々なジャンルの雑誌の中から利用者ニーズが高い分野、誰もがイメージしやすい分野、文化として残っていく分野、そして利用促進につながったり戦略的サービス展開に活かせる分野ということで、女性誌と鉄道誌の二つのジャンルを選定して重点収集しております」

    またユニークなものが創刊号コレクション。最も古いものは明治10年(1877年)に出版された経済誌「中外鉱業新報」だといいます。明治時代は商工業やビジネス誌が多く創刊され、明治30年創刊の「実業之日本」なども所蔵されています。

    さらに東京マガジンバンクでは、現在刊行されている雑誌だけでなく、休刊・廃刊したものも基本的に永年保存しており、現在休刊しているものだけで約1万数千タイトルを所蔵しているそうです。また地方誌の収集にも力を入れており、九州から北海道まで日本全国の雑誌を幅広く収集しています!!

    貸出はしていませんが、どなたでも閲覧可能です!ぜひ一度足を運んでみては??
    https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/guide/tama_library/

    staff| 21:00 | カテゴリー:


    バックナンバー

    カテゴリー