〜BACK TO LIVEHOUSE〜 vol.2
2021.01.12 SUPER BEAVER 渋谷龍太❷
「 2021年について 」
それぞれ配信ライブの機会などもありました。
※そもそも"有観客"という概念も新しいような…
このような状況下で良かった点は
配信でなければ見られない人がいる、
ということを知れたこと。
バンドとして、自分自身として
"現場で観てもらってこそ"という想いで、
"現場に勝るものはない"と考えてきた渋谷さん。
その気持ちに変わりはないけれど、
配信をやったからこそ届けられる相手が実際にいて
それに気が付けたからこそ、
1つの発見・可能性として
配信ライブを捉えることができたんだとか。
現場で起きていることがすべてで、
現場で起きていることだけがすべてではない。
そんな風に思えるようになったのは嬉しいこと。
ただ「配信ライブ」と言っているものの
ライブと同じ部屋に入れていいものではなくて。
ライブができないから、配信ライブ…
このような道順にはなっているけれど
どうしたってやはり 代わりになるのは難しい。
ステージの上=発信者、
フロア=受信者というのは少し違っていて、
オンステージしている側が
発信の割合が高いのは当然ではあるものの
同時に受信者であることは間違いない。
フロアからもらうものはものすごく大きく、
それは発信をしてくれているからこそでした。
綺麗事なしでいえば、
配信ライブでは 声が聞こえません。
声 手拍子 もらえるようにお願いはするけれど、
何も聞こえません。
ただそれでも声を放つのは、
画面の向こうでアクションを起こすことに
意味があると思うからでした。
本当は顔を見て歌を歌いたい。
どうしても手拍子も声も届かない。
そこに感じる"はがゆさ"を
その場だけで終わらせないのは、
状況が良くなりまた会えるようになった時に
よりこの大切さをかみしめられるようになるため。
聞こえないなら聞こえないなりに、
見えないなら見えないなりに。
必死にやっていくので、
必死でやってくれよ!と伝えてくれました。
現在、緊急事態宣言の最中で
明日どうなっているかも
予想がつかない日々が続いていますが
収録時点での
UNISON SQUARE GARDEN、XIIXの
今年のライブ活動について話しました。
まずは、UNISON SQUARE GARDEN。
2月から愛知、東京、大阪、神奈川県を
2デイズずつ周る、
LIVE TOUR 2021「Normal」がスタート!
いつも通り変わらない楽しさを届けるべく
今までのワンマンライブと変わらない
タイトルの通り”ノーマル”なライブを
ノーマルにお届けするツアー。
※ 放送時点では全公演、
開場・開演時間を変更して実施予定。
一方、XIIXは1月30日に
「XIIX Streaming LIVE 2021 “4th FLOOR"」
を配信。
今回のライブでは観ている人の
「UNISON SQUARE GARDENの
フロントマンが歌っている」
というフィルターを取り外したい!
そのためにはXIIXを
より多くの知ってもらうことが必要!
ということで、
全国を回らずとも、
観てもらえる今回の配信ライブを企画。
YouTubeで無料で見ることができます!
詳しい情報は
XIIXの
オフィシャルサイトをご確認くださいませ。
『僕は
ライブの楽しみは
ライブにしかないと思っているし、
少なからず
そういう風に思っているお客さんも
いるんだろうなっていうことは
わかっているので、
そういう人が
いつでもフラっとライブが観れるように
極力、有観客ライブを
続けていきたいというスタンスで
やっていこうと思っています。
皆さん、気が向いた時に
ライブに遊びに来てもらえたらと思います。』
2020年の
UNISON SQUEARE GARDENと
XIIXの活動について
2020年はコロナの状況が毎月変わり、
目まぐるしい日々が続く中
大変だった方も多かったのではないでしょうか。
1年をザッと振り返ってみますと・・・
コロナの影響でライブができなくなり始めたのが
おそらく2月だったと思うんですけど
2月13日が僕にとって
コロナでライブができなくなる前の
最後のライブでした。
その後はライブの予定は立っているものの
開催ができるかわからず、
結局できなかった、というのが4月まで続きました。
それまではライブはできなくても、
レコーディングができるから
「早くライブができたら良いな」
くらいに思っていましたが
さらに4月上旬にはレコーディングもできなくなり、
そこでUNISON SQUEARE GARDENは
完全に動きを止めてしまいました。
程なくして緊急事態宣言が発令。
家を出ようにも出れないし、お店もやっていないし
人も誘えない。
そこで何をしようかと考えた時に、
ひたすらXIIXの制作をやりました。
XIIXというバンドは
まだ馴染みのない方も多いと思いますが
まだその当時は2回しかライブをしたことが
ありませんでした。
だから、いつかくる
ライブやレコーディングができる日に向けて
今はひたすら下積みだなと思って、
毎日毎日、曲を作り音楽と向き合っていました。
最初は時間がたくさん取れて
楽しかった気持ちも少しあったりしました。
でも。
ずっと続けていると
音楽を作っている目的や、
向かう先が具体的に見えないことに
すごくモヤモヤしてきて。
けど、やれることはそれしかないし、
とにかく今できることは曲を作ることで
それが必ず糧になるということを
毎日自分に言い聞かせながら
制作をしていました。
そんな日々を経て、6月にレコーディングが再開。
UNISON SQUEARE GARDENのレコーディングも
止まっていたので、
自粛中に大量に作ったXIIXの曲と並行して
レコーディングを進めました。
1ヶ月で20日間くらいスタジオにいたような
気がするくらい
人生で一番レコーディングをしました。(笑)
7月からはUNISON SQUEARE GARDENで
オンラインライブをスタート。
もちろん無観客ではありましたが。
やってみて思ったのは、
すごくライブが楽しかった。
ライブをする喜びを思い出したというか、
ライブをやる、「楽しい」という気持ちは
他では埋まらないと痛感しました。
それはおそらく僕だけではなく、
メンバー全員だと思います。
その7月のライブを機に
バンドの風通しが良くなって、
少し明るくなったような気がしています。
僕たちはライブをやることで
自分たちを保っているんだな、
とすごく思いました。
ただ“無観客“というところに感じる虚しさというか
やはり生音に勝るものはないと、
僕は思ってしまっているので
スマートフォンやパソコン越しにライブを見るのは
生のライブには勝てないなという思いが
この時は正直、少しありました。
10月からは念願の有観客ツアーが
UNISON SQUEARE GARDENでスタート。
本当に最高でした。
ライブはホールだったので、
前後左右1席置おきに座ってもらい、
マスクはしているものの、顔はよく見える状況。
泣いているお客さんがすごく多かったです。
それを見て、ライブができる喜びをすごく感じたし
誰に向けて音楽をやっているのかっていうのが
わかりました。
ただ、その場所は最高だったけど
その会場に行かないという選択をした人がいる、
ということを忘れたくはなくて。
そういう人に向けて何ができるだろうと考えた時に
“オンラインライブ”だと思いました。
いままでは、
生のライブには敵わないのがネックであるのが
オンラインライブだったと思っていたけど、
オンラインライブの良さというのは
家でいつでも見られるところだなと。
だから、
ライブに行きたいけど行かないっていう人が
少なからずいるのであれば
そういう人に
ライブの楽しさを忘れないでもらうために
オンラインライブをやりたいと
今は思っています。
そういう人たちがいずれ落ち着いた頃に
フラッとライブに来れるように
有観客ライブは継続してやっていきたいと
思っています。
もちろんいろんな意見もある。
年末のフェスが中止になったり、
ライブをキャンセルしている人もたくさんいるので
なんとも言えないですが、
いま現在はライブをやりたいという想いでいます。
やはりライブをやることが好きで
音楽をやっているし
ライブは他に替えられないものだということも
分かっている。
もしお客さんの中でも、ライブを観ることが好きで
それは他では埋まらないんだと思っているのなら
それを僕らは見せていきたいなという風に、
今は思っています。
なくなってしまったライブハウス、
今もガイドラインを遵守しながら
その差はとても難しく
「企業努力」の一言では
バンドマンにとって、ライブハウスにとって
ライブができる場があること
なによりお客さんが集まってくれること
"あたりまえ"になっていた部分があったのでは。
それに対する感謝の気持ちというものを
その「量」こそを、もっときっと大切にすべきだった。
SUPER BEAVERとしても
ツアーが全て飛んでしまったこと、
大規模な会場でのライブ中止…などの影響を受けた中で
自身もどうなってもおかしくなかったんだろうな
慣れや慢心は怖いものだ、と
「いまここだ」という時期が来るまでに
"恩返し"というかたちで
今度はお世話になったライブハウスに対して、
バンドマンが動いていく番。
一番効果的にぶちかませるチャンスを
いまこの瞬間も動きながら模索し
「フロムライブハウス」と掲げた言葉に
恥じない活動をしていきたいと話してくれました。