2023年08月22日

映像のフィールドワーク展 vol.2 ひもをうむ、あむ、くむ、むすぶ…とは?

今週のゲストは、造形作家の下中菜穂さんをお迎えします。
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下中さんは現在、世田谷文化情報センター
生活工房ギャラリーで開催中の展覧会
『20世紀の映像百科事典をひらく
映像のフィールドワーク展 vol.2
ひもをうむ、あむ、くむ、むすぶ』の
企画制作に関わってらっしゃいます。
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1952年にドイツの国立科学映画研究所が開始した
エンサイクロぺディア・シネマトグラフィカ、
という映像群……これらは世界の知識の記録を収集する
ことを目標にした、いわば映像による百科事典を作る
プロジェクトです。ECフィルムとも呼ばれています。
今回の企画展ではこの記録フィルムの中から
「績む 編む 組む 結ぶ 撚る 綯う 織る」
という紐作りに関する約50作品を展示上映
しています。

下中さんは、倉庫に眠っていたこの記録フィルムを
発見し、多くの人が見られるようにデジタル化する
活動を始められます。

下中「初めのうちは見て面白い!みたいな話を
してたんですけれども。見てるうちに手がムズムズする
というか、自分たちでやってみたくなる……再現できるよう
にとられてるフィルムなので。ただ見るのではなくて
映像で行われていることを実際に自分たちでやってみたり
する新しい実験的なワークショップもするようになったんです」

20世紀の映像百科事典をひらく
映像のフィールドワーク展 vol.2
ひもをうむ、あむ、くむ、むすぶ

公式HPはこちら!

今夜の選曲…Halleluwah / CAN

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月21日

紋切り遊びの世界とは?

今週のゲストは、造形作家の下中菜穂さんをお迎えします。
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1964年千葉県生まれ。約30年にわたり、江戸時代の
紋切り遊びの研究と普及に関わり、文様暮らしの中で
楽しむ文化や手仕事を現代に蘇らせるべく活動
されていらっしゃいます。

まず、下中さんが研究されているこの紋きり遊びとは?
紋切型っていう言葉……全然つまらないものという意味
ではなく、切り紙、紙を折り畳んで型紙の通りに切る。
それを開くと、家紋が現れる手技のことだったいいます。
江戸時代には、誰でも割と簡単に綺麗な紋が作れる
ということで始まったそうです。

下中さん曰く、家紋は文様のデザインの基本形のような
側面があると言います。今日までに発展させることで、
いろんな模様文化が出来上がっているのだとか。

今夜の選曲… OUTSIDE MY DOOR / CAN

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月17日

SDG’sの発信 と これからのロビー活動

今週のゲストは、株式会社ゴールド・ニッポン研究所、代表取締役の
松崎 豊さんです。

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国連が進めるSDGsの流れについて松崎さん、
これまでに国連が取り組んできた「よりよい社会を作りましょう」という事をわかりやすくまとめてあるので、すごく良いものだと思ってるそう。

また松崎さん「実は日本は昔からSDGsに取り組んでいる」とのこと。
というのも日本には100年以上続く企業が何百社もあり、世界でも有数。
これらの会社は、地域に人々に愛される商品やサービスを作っている会社で、まさに持続的発展にあたります。
こういう点を、日本は自ら押し出していっても良いのではないかと松崎さんおっしゃっていました。

アメリカでロビー活動をしている人は一万人以上。
そして活動のために、ロビイストとして
議会に登録をしなければいけないそうです。
比べて日本は、特に規制がなく…
あまり自覚なく企業や団体に陳情に行っている。とおっしゃっていました。

今夜の選曲… Ne Me Quitte Pas / Nina Simone

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月16日

新たなロビー活動<パブリック・アフェアーズ>

今週のゲストは、株式会社ゴールド・ニッポン研究所、代表取締役の
松崎 豊さんです。

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松崎さんが提唱されている新しいロビー活動、パブリックアフェアーズ。
具体的な例として以前、モニタリング機器を販売している会社の装置を、
どのように病院に普及させるか、という手法を考えたそうです。

パブリックアフェアーズのスタートは調査、、、
ですが、一番は国会議員の先生方に認識してもらうこと。
そのため、医療機器の普及の際は、
「こんなに良いプログラムがある」をわかってもらうため、
そこに厚生労働省の人や、審議官・医師会の方に来てもらったり、
イギリスの保健省や厚労省の学者さんが日本に来たときに
ゲストとして講演してもらったりと、認識を広めて、
学会からも参加してもらって進めたそう。

また「乳酸菌飲料」もパブリックアフェアーズと関わりがあります。
実は、世界には乳酸菌飲料の規格がありませんでした。
そこでヤクルトがロビー活動をして、一生懸命協会作って
乳酸菌飲料という規格を定めたそうです。

今夜の選曲… I Put a Spell on You / Nina Simone

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月15日

日本の環境活動におけるロビー活動

今週のゲストは、株式会社ゴールド・ニッポン研究所、代表取締役の
松崎 豊(まつざき・ゆたか)さん です。

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松崎さん曰く「環境問題のすべての始まりはロビーだった」とのこと。

2000年のジョージ・W・ブッシュが大統領になる選挙の際、
クリントン政権の副大統領の地位にいたのが、
アメリカの政治家であり、環境ロビイストのアル・ゴアです。

アル・ゴアはこの選挙で大敗した後『不都合な真実』という
有名な本・映画を制作しました。
この時アメリカでは自由経済活動が制約される嫌う国民性もあり、
環境問題自体に関心がありませんでしたが、
映画としてセンセーショナルに世論に喚起したという事で、
アル・ゴアは環境ロビイストの地位を確立しました。

また日本における環境活動とロビーについて…
2001年に樹立した小泉政権下の中央省庁再編によって、
規模の小さな環境庁から環境省に格上げになりました。

その後、小池百合子さんが環境大臣に就任し、この時高まっていた
「京都議定書を実行しなければならない」という機運から
彼女を先頭に、日本でも本格的に環境問題への取り組みが推進されました。
2003年ごろ行われた「チームマイナス6」「クールビズ」は10年たってもイメージが残っています。

これだけの広がりを見せたことについて、
松崎さん、、、
小池さん自身がテレビキャスター出身ということで、
非常にわかりやすくメディアに働きかけ、意識喚起を図り、
財界の人々をイベントに巻き込む手腕を発揮していた。
日本のアル・ゴアのような人で、立派な環境ロビイストの走りのような人
だとおっしゃっていました。

今夜の選曲… Don't Let Me Be Misunderstood / Nina Simone

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月14日

変化するロビー活動への認識

今週のゲストは、株式会社ゴールド・ニッポン研究所、代表取締役の
松崎 豊(まつざき・ゆたか)さん です。

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松崎さんは、1965年東京生まれ。
米国マーシャル大学院・政治学・国際関係論学科を
修了され、衆議院議員の政策担当秘書官を務めたのち、
株式会社ベクトルで、PRとロビイングを融合した
「パブリック・アフェアーズ事業」を立ち上げるなどを経て、
昨年、ゴールド・ニッポン研究所を設立されていらっしゃいます。

長年、政治に近い場所で活動をしてきた松崎さん。
2016年にはプレジデント社より
プロデュースされた本『ロビイングのバイブル  Bible of LOBBYING』が出版されています。

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「ロビー」というと、マイナスイメージがあるかもしれません。
昔はブローカー(仲介人)のような人が暗躍している印象や、
ゼネコンや入札への口利き…というような
個社・個人の利益のための活動がありました。

ですが、昨今のロビー活動は変化しており。
ここ数十年の欧米のロビーは、パブリック・アフェアーズという呼び方で、
社会的正義や社会の公益性を高めるといった…
社会のためにどういったことをしていったらよいのか、
あらゆるステークホルダーの意見を聞いて、
透明な活動をしながら実現していく活動になっていると仰っていました。

今夜の選曲… Tell Me More and More and Then Some / Nina Simone

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月09日

コンビニ型のゴミ箱…とは?!

メディアアーティスト藤幡正樹さんをお迎えしています。

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『「超分別ゴミ箱 2023 ラブ=プラスチック ワークショップ」』
では、馬喰町の会場内、無料のエリアに、
商品棚がゴミ箱になっているコンビニそっくりの
建物を建てるという企画に挑戦されました。

コンビニ会社3社が出資したこの取り組み。
コンビニで買った商品を、隣の建物に捨てていく…
という形になるものには、藤幡さんの狙いがあるそうです。

藤幡「ある意味、企業責任を問うことになるんです。
(コンビニ)メーカーごとの箱だから、捨てるときにメーカーが
引き取るべき、っていうのは一つの主張なんです。」

今回の展示は、他にも石油コンビナートでプラスチック作ってる
合成会社からや、パッケージのメーカー、それから流通などの
パートナー企業とみんなで問題を共有して考えるという方式。
今後は個人でこうした問題について考えてくれる人を増やして
いくのが目標とのことでした。

藤幡さん、お話ありがとうございました!

今夜の選曲… Crazy Little Thing Called Love / Queen
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▼超分別ゴミ箱 2023
会場:東京都立工芸高等学校
住所:東京都文京区本郷1-3-9
日程:2023年8月19日 - 2023年8月20日
   (※両日とも12:00–17:00)
料金:無料
※イベントのご参加には事前予約が必須となります。
下記リンクの申し込みフォームから参加の申し込みが
可能です。ぜひ、奮ってご応募ください。
https://sites.google.com/view/ssgbpj
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staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月08日

8月19日、20日に開催!ラブ=プラスチック ワークショップとは?

メディアアーティスト藤幡正樹さんをお迎えしています。

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8月19日、20日に東京ビエンナーレと関連した、
超分別ゴミ箱 2023 ラブ=プラスチック ワークショップ」が
都立工芸高校にて開催されます。

プラスティックのゴミを日付をつけて収集し、
日付ごとに写真を撮影。
その後、分別を行い、ポリプロピレン、ポリエチレン
など15種類に分け、分類ごとに熱をかけて溶着。
およそ5mほどのオブジェを制作します。

このワークショップで行っているように、
プラスチックごみは分別すると15種類に分ける
ことができます。
ただ、こうしたプラスチック同士を複合した素材は
うまく分類できず、燃やすしかできない現状があるのだそう。

そもそも、プラスチックは再利用をするとしても
その透明さが価値になっていくもの。
溶着したときに、印刷したインクが滲み出て
混ざり合ってしまうとプラスチック自体に混ざり
濁りができてしまうのです。

私たちの生活に身近なプラスチックといえば、
ペットボトル。この再利用還元率は現在60%ほど
ですが、今後はもっと増えてくるだろうと
藤幡さんはいいます。

商品としての付加価値が生まれる、この側面が、
再生利用のネックになっている現状があるそうです。

今夜の選曲… Don't Stop Me Now / Queen
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▼超分別ゴミ箱 2023
会場:東京都立工芸高等学校
住所:東京都文京区本郷1-3-9
日程:2023年8月19日 - 2023年8月20日
   (※両日とも12:00–17:00)
料金:無料
※イベントのご参加には事前予約が必須となります。
下記リンクの申し込みフォームから参加の申し込みが
可能です。ぜひ、奮ってご応募ください。
https://sites.google.com/view/ssgbpj
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staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月07日

プロジェクト「超分別ゴミ箱2023」とは?

メディアアーティスト藤幡正樹さんをお迎えしています。

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藤幡さんは1956年東京生まれ。
80年代からメディアアートの先駆者として活動され、96年には
日本人として初めてアルス・エレクトロニカ・ゴールデン・ニカ賞を
受賞するなど国内外で活躍。
慶應義塾大学や東京芸術大学で教鞭もとられており、
2005年には東京芸術大学大学院映像研究科の設立に
貢献。2016年には紫綬褒章を受賞されました。

メディアアーティストとは、インターネットが台頭してきた
90年代に、インターネット自体を個人的な表現に使えるか
というところから、始まったものであるといいます。

藤幡「本来はマスメディアじゃなく自分のメディアを作る…
コミュニケーションの場を開く、新しいメディアを作る、
それはテクノロジーと関係ない話でもある。
その辺がなかなか日本で浸透しづらいんです。
僕的にはメディアアートはずっと続いています」

2年に一度開催される国際芸術祭、東京ビエンナーレ
藤幡さんは『超分別ゴミ箱2023』というプロジェクトを実施されて
いらっしゃいます。

超分別ゴミ箱2023では、ゴミの分別と
再使用・再生利用の重要性が高いプラスチックの
ゴミについて知り、考えるプロジェクト。
このプロジェクトを通して藤幡さんが考えたのは、
実は”ゴミ箱はデータベースアーカイブでもある”
という視点。”アーカイブであればゴミではなくなる”

東京ビエンナーレは、資金集めをしながら制作するボトムアップ式。
集まって何か発見する場所を作るというのは、
まさにメディアアーティストとしてのあり方そのものであり、
超分別ゴミ箱のプロジェクトは、東京ビエンナーレの
考え方ともすごく合っているということで共感され
参加されています。

藤幡「自分たちの共有する価値観というものを作る。
そういう意味では、ゴミってすごくいいテーマで、
”そのまま捨ててしまう、要らないもの”として
見えなくしてしまうものを可視化していくと、
そのうちに価値が出てくるんですよね。」

今夜の選曲…You're My Best Friend / Queen

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年08月03日

食のお取り寄せ通販「文春マルシェ」

今週のゲストは、
一般社団法人日本ガストロノミー協会会長、柏原光太郎さんです。

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柏原さんは2020年に、食のお取り寄せ通販「文春マルシェ」を
立ち上げています。

週刊文春も文藝春秋も共に読者層が50代、60代ということで、
文春マルシェも「シニアの人が美味しいものを載せよう・集めよう!」が
当初のコンセプトだそう。
実際にどのようなものが好まれているのでしょうか?

柏原さん自身が同年代になって、気づいたそうですが…
お年寄になると脂っこいものを食べない…と言われているけれど、
実は「みんな油ものが大好き!」とのこと。
ただ、自分で油で揚げるとなると「面倒だし怖い…。」ということで
商品を探してみると、世の中には、揚げないコロッケなど、
お手軽な商品がたくさんあることに驚いたそうです。

最後に大阪と京都の食について。
京都は単位面積当たりのミシュランの数が世界一とのこと!
(サンセバスチャンが第二位)
また昔は大阪の方が食い倒れの街だといわれていましたが、
現在は和食の聖地といえば、京都!という風になっています。

これは柏原さん曰く「ブランディングがうまい。」とのこと。

また、日本料理の歴史を勉強してみると…
海に面して、山に近い大阪は、海と山の美味しいものがあったため
食い切り割烹が発達します。
ところが物流の無かった京都は、新鮮なものが無いため、
鯖寿司…漬物…といった技術が発達していきました。
このような状態で、
流通が整ったため「技術がある京都に食の中心が移ったのではないか?」
と柏原さんはおしゃっていました。

今夜の選曲… Gangsters / The Special AKA

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柏原光太郎さんの著書
「フーディー」が日本を再生する!ニッポン美食立国論 
――時代はガストロノミーツーリズム――

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ぜひお手に取ってみてください。

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク


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