2025年12月30日

声と物語で街の魅力を胸に届ける

今週のゲストは、紀行作家で一級建築士の稲葉なおとさんです。

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稲葉さんは11月に発売された新刊『ものがたりの街 津山』において、文章と写真、そして「語り」を融合させた「ナラティブ・ボイス・ブック」という新しい書籍の形を提案されています。これは各ページにある二次元コードをスマートフォンで読み取ることで、一流声優によるナレーションを楽しめる仕組みだといいます。

語り手を務めたのは、数々の名作アニメで知られるベテラン声優の井上和彦さんです。自身の原稿に声が吹き込まれた瞬間を振り返り、稲葉さんはこう語ります。

「読んでもらった途端にですね、もう涙が出るぐらいに感動しまして。言葉でもって、魂をまた原稿に吹き込んでいただける方なんだっていうふうに実感しました」

本の中では、開館60周年を迎える「津山文化センター」などの名建築についても、井上さんの語りを通じて詳しく紹介されています。音声を取り入れた効果について、稲葉さんはこう語ります。

「井上和彦さんの音声で、まちの魅力を聞くとですね、またジワっと胸に沁みてくるというか」

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2025年12月29日

物語で名建築の価値を次世代へ

今週のゲストは稲葉なおとさんです。

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稲葉さんは、東京工業大学建築学科を卒業後、名建築ホテル旅行記『まだ見ぬホテルへ』で、紀行作家デビューされ、その後、ノンフィクション、小説、写真集と活躍の場を広げられて、永年に及ぶ 建築文化の発展と啓発に関する貢献により、日本建築学会文化賞を受賞されていらっしゃいます。

11月に発売された新刊『ものがたりの街 津山』では、岡山県津山市の名建築を「物語」という切り口で紹介されています。稲葉さんはこう語ります。

「物語であれば、やはり一般の人にも共感していただける。それをまずは伝えることが、建築の良さを伝える上での第一歩なんじゃないかなと」

対談では、建物そのものだけでなく、津山が生んだ偉人の功績にも光を当てています。執筆のこだわりについて、稲葉さんはこう語ります。

「一言で、小学生にもへえって言ってもらえるような、何か切り口を見つける作業をずっと私の方でしてたっていうのが...文筆をする上での一つの大きな作業だったと思います」

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2025年12月25日

新しい福祉の形を模索して

今週のゲストは、合同会社Grip Grap代表の仲西亮平さんです。

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中西さんたちは、単なる経営としての施設づくりではなく、ピザ屋や革製品など「自分たちが誇りを持てる」個性的な福祉施設の立ち上げを支援しています。莫大な資金力に頼るのではなく、まずは自分たちの手の届く範囲(5メートル)からできることを積み上げる。福祉を「難解なもの」ではなく「誰でも参加できるワクワクする実験」へと変え、その輪を広げていく姿勢を大切にしています。

その象徴的な活動が、日本財団の依頼によるスポーツの横断幕・応援幕の制作です。障害のあるクリエイターたちは、主役の選手のみならず、チアリーダーやMC、観客といった周囲の人々をありのままに描きました。彼らの持つ「フラットな目線」は、これまで光が当たらなかった場所へ感動を届け、福祉の新しい価値を証明しました!

今後の展望として、NODDおよび合同会社Grip Grapは、この「5メートルの点」を全国、そして海外へと繋げるネットワーク化を目指しています。各地で生まれる多様な「答え」を集め、コラボレーションを重ねることで、より豊かな社会のモデルを構築しようとしています。答えがないからこそ、皆で知恵を出し合い、繋がりを増やすことで、福祉の可能性を無限に広げていく。そんな共生社会のビジョンをおっしゃっていました!

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2025年12月24日

障がい者福祉の現状を打破する

今週のゲストは、合同会社Grip Grap代表の仲西亮平さんです。

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中西さんは「半径五メートル、手の届くところから」、身近なところからコツコツと取り組むことで影響範囲を広げていく考えで福祉を行っています。福祉事業所では従来、企業からの軽作業(箸の袋入れやパッケージングなど)を請け負うことが多いですが、納期の厳しさや低賃金の問題があるとのこと。

Grip Grapでは、福祉事業所が自主製品を開発し、自分たちで値付けして販売できるよう支援。また、企業と連携して障害のある方々が描いたアートを活用するプロジェクトも展開しています!

NODDの取り組みの一つ「気づいたらチャリティ」。従来は「かわいそうだから買う」「安いから買う」という視点で購入されがちでした。中西さんたちは、障害のある方々のアートには本質的な価値があると考え、適切な価格設定で魅力的な商品として提供することで、購入者が自然と福祉に関心を持つきっかけをつくっています。

日本の障害者福祉の現状については、「時代とともに変化すべきであるにもかかわらず、旧式の方法やルールに縛られすぎている」と中西さん。障害のある人を一方的に支援するのではなく、その人の良いところを見つけて「武器」として活かし、共に進む「共に行く福祉」を提案。

特に障害者アートにおいては、利用者だけでなく支援員の気づきや力も重要であり、両者が協力して作品を作り上げ、それを販売することで新しい福祉の形を模索しています。

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2025年12月23日

NO ODD -福祉×デザインで常識を覆す-

今週のゲストは、合同会社Grip Grap代表の仲西亮平さんです。

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仲西さんは、ビジネスパートナーの寺門さんと共に福祉デザインユニット「NODD」を結成しました。
大手おもちゃ会社で培ったノウハウを活かし、障がい者アートを社会に届ける活動をしています。
美大出身の仲西さんにとって、既存の美術教育のルールに縛られない彼らのアートは、
「後ろからバットで殴られたような衝撃」だったといいます 。

「美大といえども結構ルールがあるんですが、障がい者アートはそこを軽々と乗り越えてくる。『こういう見せ方もあるんだ』って逆に学ばせていただいたっていう感じですかね」

活動当初は自分たちでTシャツを販売して在庫を抱える苦労もありましたが、台東区からのオファーを機に、商品の販売だけでなく「ブランディング」で施設の工賃向上を支援する形へとシフトしました 。 ユニット名「NODD」には、「奇妙(ODD)」という言葉へのアンチテーゼが込められています。

「ODDには奇妙とか変だという意味があるんですが、そこに僕たちはNOを突きつけたい。正当に彼らを社会に出して、正当な報酬を得るという意味合いが入ってます」

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2025年12月22日

障がい者アートと社会をつなぐ

今週のゲストは、合同会社Grip Grap代表の仲西亮平さんです。

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≪写真 左側:仲西亮平さん 右側:寺門誠さん≫

仲西さんは、1977年生まれ、広島県出身。 京都芸術大学卒業後、大手おもちゃ会社の
デザイナーを経て、2018年に独立され『合同会社グリップグラップ』を設立。
福祉デザインユニット「NODD(ノッド)」として活動。福祉に関わりながら、
障がい者アートを使った企画、開発、ブランディングを行い、行政、企業、地域を繋げ
ながら、障がいある人たちをOUT PUTする機会を創造しています。

広島県出身の仲西さんですが、実は学生時代、国体に出場するほどの柔道の実力者でした。周囲からは警察官への道を期待されていたものの、絵を描くことへの情熱を選んだといいます。

「親は警察官になれとかレールを敷いてきてたんですけど、やっぱり僕は描くのが好きだったんですね。デザインをやりたいってなって」

その後、京都芸術大学へ進学し、おもちゃ会社で約15年間キャラクタービジネスに携わり、後輩である寺門誠さんと共に独立。
寺門さんも、J-waveにいらしてくださいました!
立ち上げた会社名「Grip Grap」には、格闘技好きな仲西さんらしい想いが込められています。

「グリップは握手、グラップは組み合うという意味。手を握って抱き合う、そういう関係をお客様とやっていきたい」

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2025年12月18日

手掛けた数々の切手デザイン!

今週のゲストは、日本郵便株式会社 主任切手デザイナーの丸山智さんです。

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郵便局で発行する切手・葉書のデザインに携わっている丸山さん。代表作は「日本の城シリーズ」「鉄道シリーズ」「日本の建築シリーズ」などです。

丸山さんが手がけたシリーズの中でも特に話題になったのが、2018年頃に第一集が発行された『天体シリーズ切手』。この切手は、太陽系や星座、恒星、さらにはブラックホールまで描かれた全4集の全面切手(25面切手)で構成されています。

このシリーズ最大の魅力は、全集を通して絵が繋がるデザインになっていること!第一集発行時にはこの仕掛けを公言せず、第三集で木星が半分に切られたデザインを出した際、SNSで話題になりました!

また、今後の目標として、世の中の流れが便利さに流れていくことに抗いようがないとしつつも、郵便システムを「絶対に残していく」という強い思いを丸山さん。災害時にはネットワークが脆弱になるため、そういった状況では郵便システムが重要な役割を果たすとおっしゃっていました。

なお、今年の年賀はがき、元旦に届けるためには12月25日までに投函する必要があります!

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2025年12月17日

うるし工芸から切手デザインへ

今週のゲストは、日本郵便株式会社 主任切手デザイナーの丸山智さんです。

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丸山さんは、東京藝術大学大学院で漆芸(漆工芸)を専門に学ばれました。

切手デザイナーになったきっかけは、大学院卒業後に就職先がなく研究生として残っていた際、教授が郵政省(当時)の切手デザイナー募集の話を持ってきたこと。当初は切手に全く興味がなく、試験を受ける気もなかったそうですが、「漆の業界に残るより切手の業界に行く方が良いだろう」という教授の助言もあり、デザイナーの道を選びました。

かつて昭和時代、切手に長蛇の列ができブームが起きたことについて。ブームが去った要因を丸山さんは、切手が「売れるために作られていなかった」からこそ、かえって社会の流れに迎合せず粛々と発行が続けられ、流行に左右されなかったのではないかとおっしゃいます。

流行を追うものは廃れも早いため、流行に左右されないデザインこそが重要とのこと!

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2025年12月16日

2026年の年賀状、松竹梅のテーマが??

今週のゲストは、日本郵便株式会社 主任切手デザイナーの丸山智さんです。

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毎年多くの人が手にする年賀はがきですが、その制作期間はおよそ1年にも及ぶといいます。
そして2026年の年賀状をデザインされたのが丸山さん!
料額印面(切手を貼る位置のデザイン)の部分には三保の松原から見た
実際のなだらかな富士山が描かれており、実はこの1枚の中に「松竹梅」のテーマが隠されているそうです。

「印面の富士山のところは松林があって。消印っぽいデザインの模様に竹の紋様を書きました。
(くじ番号の)真ん中にカットを入れるんですけども、ここの部分に梅の紋様を書いて、松竹梅ということですね」

デザインの決定プロセスも熾烈で、8名のデザイナーからトータルで40件ほどの案が出され、
社内会議やインターネット調査を経て絞り込まれるそうです。
一方で、デジタル化に伴い「手紙の書き方」を知らない世代が増えているという課題もあります。
宛名や住所を書く位置がわからない子供たちも多いため、丸山さんたちは普及活動にも力を入れています。

「小学校とかに出向いて、『手紙書きましょう講座』とかそういう活動はたくさんしてます。
 裾野を広げるために、手紙書きましょうというような運動をしているんですね。」

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2025年12月15日

日本に8人の専門職!!

今週のゲストは、日本郵便株式会社 主任切手デザイナーの丸山智さんです。

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丸山さんは1970年、神奈川県出身。東京芸術大学大学院修士課程修了。専攻は漆芸。1999年郵政省技芸官(切手デザイナー)として当時の郵政省に入省。以後26年間、郵便局で発行する切手・葉書のデザインに携わっています。代表作は「日本の城シリーズ」「鉄道シリーズ」「日本の建築シリーズ」などです。

今日12月15日から年賀状の投函受付がスタートしています!
まずは年賀はがきの発行枚数の現状を伺いました。

「(減少傾向は)ちょっと抗えない、時代の流れなのかなということは思ってます。」

そもそも年賀状のルーツは平安時代にまで遡るそうで、
遠方で会えない人へ新年の挨拶を書状で送ったことが始まりとされています。

そんな年賀状のデザインを担当されているのが切手デザイナーの方々。
現在、日本郵便に在籍する切手デザイナーはわずか8名!
年賀状だけでなく、年間約30件発行される記念切手や、通常ハガキの「料額印面(切手を貼る位置のデザイン)」などを分担して制作しています。

デザインは社内の幹部たちによる会議で決定するそう。

「要は郵便のプロフェッショナルです。現場から上がってきて、幹部になられる方もいますんで、
 かなり鋭い意見とかは出ますね。」

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2025年12月11日

小説「どろにやいと」と次回作の構想

今週のゲストは、小説家、劇作家の戌井昭人さんです。

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芥川賞候補作となった小説『どろにやいと』(講談社)。この作品は、お灸を背負って行商する男を主人公にした物語で、山形とは明記されていませんが、山形の山に入って出られなくなるという設定です。

戌井さんは、この珍しいテーマを選んだ理由として、小沢昭一さんの「日本の放浪芸」の録音にあった"お灸売りの工場販売のような音声"に強く惹かれたからとおっしゃっていました。実際に自分でお灸を試してみたところ、その「癖になる」感覚を研究しながら執筆したそうです。

また、次回作について、現在、文芸誌に書いた作品を直している段階とのこと。主人公は「足でたらいを回す女性」。1900年から1971年頃のサンフランシスコを行き来する、激動の人生を送る女性の物語となる予定です。

タイトルは『あんたはだいじょうぶ』。その独特なネーミングセンスは落語のタイトルから影響を受けているとおっしゃっていました!

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2025年12月10日

モロッコに魅せられて

今週のゲストは、小説家、劇作家の戌井昭人さんです。

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戌井さんの作品『俳優・亀岡拓次』(文春文庫)や『ゼンマイ』(集英社)では物語の舞台としてモロッコが登場します。 モロッコには7~8回訪れているという戌井さん。特にバロウズやビートニクスの作家たちが滞在していたタンジェの街がお気に入りだそう!モロッコには、中世の雰囲気が残り、魚や食べ物も美味しいという魅力があります。戌井さんは、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズが滞在したという、チャルメラのような音を出す音楽の村、ジャジューカという村を訪れたこともあるそうです!

旅行について、「目的があまりなく、漠然とそこに行ってみたい」という気持ちで訪れることが多いという戌井さん。モロッコ以外では、フランスのマルセイユに魅力を感じ、特にマルセイユでは「ペタンク」という鉄のボールを投げるゲームの取材が楽しかったとのこと。

また、戌井さんの作品では食べ物が多用されています。これはご家族の影響が大きいようです。ご祖父様が「浅草へ行ったら釜飯を食うぞ」など食にこだわりを持っていたこと、家族で「何かあるとどこかへ行って何かを食べる」という習慣が根付いていたことが、現在の作品にも生きているとおっしゃっていました。

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2025年12月09日

浅草での生活とパフォーマンス集団「鉄割」の原点

今週のゲストは、小説家、劇作家の戌井昭人さんです。

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祖父に文学座代表を務めた演出家の戌井市郎さんを持つ戌井さん。
演劇一家の環境もありつつ、自身の作品に色濃く反映されている「浅草」の空気感は、
学生時代の経験が大きいといいます。
祖父に連れられて訪れていた浅草に憧れ、
大学時代には浅草寺近くの団子屋でアルバイトをし、
そのまま就職せずに働きながら暮らしていたそうです。

20代で旗揚げしたパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」。
この名前は、小沢昭一さんの著書『日本の放浪芸』に登場する曲芸の名前「鉄割」と、
アホウドリ(アルバトロス)などを組み合わせた造語。
友人同士で集まり、短いナンセンスな話を矢継ぎ早に繰り出すスタイルで活動してきました。
これまでは1年に1・2回ほどの公演をしていたそうですが...
コロナ禍を経て現在はお休み中とのこと。またやりたいと思っている...!と話していました。

また2008年に『ふな鮒のためいき』で小説家デビューを果たしたきっかけについて、

「小説を書いたらどうだと言ってくださる人が何人かいらっしゃって、編集の方が見に来てくれて...。
 定職に就いてなかったんで、本当小説でも書いて何とかしろみたいに言う人たちもいて(笑)」

その後、文芸誌に掲載された『まずいスープ』が芥川賞候補となり、本格的に執筆活動へ進むことになったそうです。

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2025年12月08日

崖っぷち父ちゃんと3歳の旅。戌井昭人さんの新作『おにたろかっぱ』

今週のゲストは、小説家、劇作家の戌井昭人さんです。

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戌井さんは1971年東京都生まれ。玉川大学文学部演劇専攻を卒業。文学座を経て1997年
にパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げし、出演もされています。
その後、2008年に小説家デビュー。『すっぽん心中』で川端康成文学賞、
『のろい男 俳優・亀岡拓次』で野間文芸新人賞を受賞されるなど、多岐にわたり
ご活躍されており、今年9月には新作小説『おにたろかっぱを発売されました。

本作は、仕事が減りつつあるミュージシャンの父親と3歳の息子「タロ」が、
三浦半島での日常を経てドサ回りの旅に出る物語です。
40代での子育てや実際の移住生活が執筆のきっかけになったといいます。

[3歳にしては饒舌]というタロの描写には、
実際によく喋るという戌井さんの息子さんの面影が重なっているようです。

またこのタロは、落語が好きという設定。
文章のリズムが「落語のよう」と評されることもある戌井さんは、
20代の頃は寄席によく通っていたそうで、
特に古今亭志ん生の「しゃべり方・たたずまい・雰囲気にたまらないものがある」とおっしゃっていました。

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2025年12月04日

ACP=「人生会議」という概念

今週のゲストはやよい在宅クリニック医師の犬飼淳さんです。

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クリニックでは、「2歳から103歳までの幅広い年齢層の患者さんを診ている」と犬飼さん。「患者様のストーリー、どう生きてきたかという物語がかなり大事になってきますので、やはり対話を我々としても大事にしています。」

小黒さんが気になったのが、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」。
ACPとは、命に関わることについて、将来のもしもに備えて、価値観や希望を家族や医療チーム、看護チームと繰り返し話し合い、今後の人生について考えていくプロセスのことです。犬飼さんは、「自分の人生を見つめるということは、医療にかかわらず非常に大事なこと。"どう生きたいか"を注視することによって、ただ医療を受けるのではなく、それをサポートとしてその人生をより輝かせていくか、どのように全うしていくか、ということをサポートできるプラン」とおっしゃっていました。

日本でのACPの普及状況については、「きっかけの少なさ」、「縁起が悪いという日本人特有の心理的ハードル」、「誰と話をすればよいのかわかりにくい」という理由から、なかなか普及していないとのこと。

最後に、在宅医療の未来について。病院で行っていた治療を在宅で行う「Hospital at Home」という概念があります。世界的に病院での治療を在宅で行う流れが広がっており、日本でも次回の保険改定で導入されることが決まっているそう。肺炎や尿路感染症などの急性疾患から導入される見込みで、今後はより多くの病院治療が自宅でできるようになるとのことです。

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2025年12月03日

世界と日本の在宅医療、現在地

今週のゲストはやよい在宅クリニック医師の犬飼淳さんです。

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犬飼さんは1986年生まれ。消化器外科医として癌治療に携わった経験から、
"最後まで闘う患者に寄り添いたい"という思いで訪問診療を始めたとのこと。

世界の在宅医療の動向については、1992年頃にイギリスで「バーチャル・ウォード」(病棟で起こっていることをご自宅で)の概念が始まり、アメリカではジョンズ・ホプキンス大学で「Hospital at Home」(在宅診療の根幹になる概念)が提唱されました。日本ではコロナ禍をきっかけに在宅診療が進展したようです。

海外の在宅サービスでは、医師と看護師が1日1〜2回訪問し、点滴や遠隔でのバイタル監視(血圧、体温、酸素飽和度など)を行っています。また、持ち込み検査やオンライン診療も実施されています。

日本の在宅医療については「まだ進んでいないのが現状」と犬飼さん。理由として、訪問診療が「最後の看取り」や「終末期」というイメージが強く、ハードルが高いそうです。一方、病院での治療レベルは世界的に高水準であり、在宅から病院への連携が重要だとおっしゃっていました。

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2025年12月01日

暮らしに寄り添う「第三の医療」とは?

今週のゲストはやよい在宅クリニック医師の犬飼淳さんです。

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犬飼先生は、日本医科大学消化器外科で癌(がん)治療に携わった後、現在はやよい在宅クリニックで訪問診療に従事し、患者さんとご家族の暮らしに寄り添う在宅医療を実践していらっしゃいます。

犬飼先生は1986年、静岡県浜松市生まれ。日本医科大学消化器外科で、
急性期の癌治療の手術・周術期管理、がん薬物療法、緩和ケアに携わったのち、
現在は、やよい在宅クリニックで訪問診療に従事し、師事する水口院長が掲げる
「過不足のない医療」の実現に向け、患者さんとご家族の暮らしに寄り添う在宅医療を実践していらっしゃいます。

犬飼先生によると、在宅診療とは入院や外来に次ぐ「第三の医療」という位置づけだそうです。
病院に行くのが大変になった方の自宅や施設へ、医師や看護師などのチームが実際に伺う医療のことで、
24時間365日体制で定期訪問や急変時の対応を行っています。
がん、認知症、脳卒中、老衰など、ほぼ全ての病気が対象となるということです。

この在宅医療を支えるのは、医師だけではありません。
訪問看護師、理学療法士、薬剤師、歯医者など、多岐にわたる専門家が連携して、患者さんの生活を包括的にサポートしています。
例えば、お口のケアや飲み込み(嚥下)のケアなども、チームで対応しているそうです。

また、在宅診療は患者さんにとっては通院の負担が減りますが、医師の負担は大きい状況です。
犬飼先生は、1日に8件から12件ほどの家庭を訪問することも...!

「でも一番つらいのは患者様なので、我々はそこになるべく寄り添いたいなと思って」

現在、在宅医療を利用しているのは全体の約3%とまだ少数派ですが、
公的医療保険も適用され、その必要性は年々高まってきているそうです。

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