2013年04月25日

東京と京都、花柳界の違い

岩下尚史さんが新橋演舞場の企画室長として携わった
「東をどり」が、今年は5月17日から始まります。

京都には「都をどり」がありますが、京都の花柳界は昔から遊びの場。
個人で遊びにいく場所です。
一方の東京は仕事や接待の場。都をどりにくらべ、東をどりが
知られなくなったのは、昭和40年くらいから花柳界自体が引きこもり、
外に対して多くを語らなくなったころからだそうです。

「東をどり」公式HP

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今夜の選曲: WELCOM BACK / JOHN SEBASTIAN

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2013年04月24日

花柳界の衰退は男たちの心持ちの変化

岩下尚史さんはインタビューで
「日本人の考え方がどこか幼稚になったのと花柳界の衰退は
シンクロしている」と答えていらっしゃいます。

花柳界の人間は、その衰退を不景気のせいにしていますが、
でもバブルのときもパッとしていなく、経済的なことではなくて
きっと男たちの心持ちが変ってきたのだと思う、と岩下さん。
昔の新橋や赤坂の花柳界は仕事や接待の場、会社が終わった後の
男と男の戦い。旦那振る舞いからみて、その人の器量や本質を知る
場所だったそう。そして彼らがやっていたことは、敵を懐柔すること。
今の人は敵と見方をはっきりして敵とは距離を置く人が多いですが
昔は敵こそ仲良くしていたんだそうです。

「東をどり」公式HP

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今夜の選曲: FULL CIRCLE / BYRDS

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2013年04月23日

芸者の踊りは巫女の神事!?

作家の岩下尚史さんは、芸者の踊りは古代までさかのぼれば
神々の振る舞いだとおっしゃっています。宴の祭司と、巫女の神事…。
著書「芸者論 神々に扮することを忘れた日本人」に書いてあります。

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岩下さんが入った時代(岩下さんが19〜20歳の頃)の花柳界は、
まだ戦後の残りがあったそうですが、平成になって随分変ったとか。
演舞場に入る前から新橋界隈をうろついていたという岩下さんは、
芝居の帰りに舞台袖に上がらせてもらって、おねえさんたちにいろいろ
聞いて忘れないうちにメモをとって、演舞場に入ってからは音として
残しておかないとと思い、インタビューテープに録音をしたそうです。

「東をどり」公式HP

今夜の選曲: OVER MY HEAD(SINGLE VER.)/ FLEETWOOD MAC

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2013年04月22日

東京の花柳界の歴史を執筆、ハコちゃん登場!

岩下尚史さんは、長年、新橋演舞場で仕事され、
数々の芸者さんと親交があったうえで執筆された
「芸者論・神々に扮することを忘れた日本人」は
花柳界が見た東京の昭和史になっています。

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新橋演舞場を退社した岩下さんに、
京都の芸者の本はあるけど東京の芸者の本が無いから
書いてみませんかとオファーがあったことが書いたきっかけだそう
明治以降の芸者さんたちの口実の筆記に照らし合わせてさかのぼって
書いたそうです。

「東をどり」公式HP

今夜の選曲: CRAZY LOVE / VAN MORRISON

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2013年04月19日

4月22日から26日は

作家の岩下尚史さんをお迎えします。
花柳界について、そして来月開催「東をどり」の話しなど
たっぷりうかがいます。

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■プロフィール■
1961年生まれ 熊本県出身。
國學院大學文學部卒業後、新橋演舞場に入社され企画室長として、
新橋花柳界主催「東をどり」の制作に携われ、97年に退職。
2006年に処女作「芸者論・神々に扮することを忘れた日本人」で、
第20回和辻哲郎文化賞を受賞、本格的に作家としての活動を開始し、
ラジオやテレビでもハコちゃんと呼ばれ活躍していらっしゃいます。

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2013年04月19日

震災以降の閉塞感と価値観

ロバート・キャンベルさんを迎えての最終日。
日本に28年と長く住んでいらっしゃるキャンベルさんに、
震災以降に変化した日本人の価値観についてうかがいました。
「東京に住んでいて思うのは、とくに若い人たちが、
 はやりすたりに敏感なのは変らないけど、
 何が本物か、何がいいのか…
 自分の先を見通す感覚が出て来ている。」

また、まず読んでみてほしい日本文学は、森鷗外の作品。
江戸時代など歴史が舞台の小説がいいそうで、とくにおススメは
「高瀬舟」。兄と弟の物語で決してハッピーではないものの、
人間の絆や正義を、理屈ではなく形として描いた
名作だとおっしゃっていました。

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今夜の選曲: LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER / DAVID BOWIE

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2013年04月18日

キーワードは兄弟!

ロバート・キャンベルさん曰く「日本文学の面白さは、
例えば土佐日記と開高健、
万葉集と斎藤茂吉を一緒に読んだりすると繋がっていたり…!」。
そして兄弟愛や愛憎の物語が多いのも日本文学の特徴。
源頼朝と義経、宮兄兄弟、細雪などもそうですね。

また江戸文学の世界では食べることが非情に卑しく、
文学の表現の中においしいものの描写が無いのに対し、
現代日本の感覚は真逆で食べ物の情報ばっかり!とも。
江戸時代は食べる行為が恥じらいだったようです。

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今夜の選曲: I CAN'T EXPLAIN / DAVID BOWIE

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2013年04月17日

日本文学界のニュースタンダード

「日本人が作っているものの中で、文学は、
世界に打ち出していくに耐える!強いものだと思う!」と、
ロバート・キャンベルさん

ニュースタンダードになるであろう作家としては…道尾秀介さん、
和田竜さん、朝井リョウさん、朝吹真理子さんのお名前が出てきました。
そんな最近の作家さんの特徴としては、今までは自分の考えていることを
人には言わなかったけど、今は規制せずに話しているんだそう。
たとえば、自分が今、何を考えているか…。

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今夜の選曲: LETTER TO HERMIONE / DAVID BOWIE

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2013年04月16日

東京、面白い街は?

日本に住んで28年のロバート・キャンベルさん
東京で面白いなと思う町は?
下町は関東大震災や戦争などで作り直されていて風景そのものが
新しい感じがするそうです。
だから下町よりも、戦災を受けずに残った中央線沿線や渋谷が面白いと。
例えば、新宿の落合は作家の林芙美子さんが住んでいた家が
記念館として残っていたり…素敵な住宅地の景観が残っているそうです。

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今夜の選曲: JOHN,I'M ONLY DANCING / DAVID BOWIE

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2013年04月15日

日本在住28年!最初に住んだ博多の文学文化

ロバート・キャンベルさんが来日したのは1985年。
今年で日本在住28年になります。
最初に住んだのは、九州大学文学部研究生としてやってきた福岡・博多。
江戸時代が専門のキャンベルさんにとって福岡は三都(江戸、京都、
大阪)から離れているので、都会的なブンガクや演劇はなく、
そのかわり漢文や漢詩、俳句が盛んでたくさん残っていて、
それが面白かったそうです。

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今夜の選曲: STAR / DAVID BOWIE

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