2023年06月06日

「水族館をプロデュースする」というお話を伺います。

水族館プロデューサーの 中村元さんをお迎えしています。

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水族館プロデューサーという仕事について。
水族館に来るお客さんは、だれしもが「魚を大好き」というわけではないので、
この人たちにどう伝えればよいか、どうすれば来館者が増えるかを考える仕事だそう。

学生時代にマーケティングの勉強をしていた中村さん。
「水族館にくるお客さんは、料金を払った後どのように水槽を見るか」という調査を
行ってみると、
・お金を払った後の最初の水槽は、どのような水槽でも大体の人が見てくれる。
・展示後半になると、だんだんと疲れていくのかあまり見てくれなくなる。
・明るくて青い水槽の方が、暗いものや緑色の水槽よりも人々の目を引く。 など

生物関係なしに、様々な要因で何をみているのかが決まっているという事が
わかったと仰っていました。

そんな中村さんが手がけた水族館の一つが「サンシャイン水族館
リニューアルにあたって
ビルの上という立地や、水の重さから大きな水槽が作れないということで
小さくても行きたい場所にしたいと考えたそう。

最初に考えたのはキャッチコピー「天空のオアシス」

小さな水族館なので
「土日よりも平日の女性を増やしたい」
「17時以降のお客さんを増やしたい」といったように、
キャッチコピーに合うように試行錯誤を重ねていき、
現在のサンシャイン水族館ができたそうです。

今夜の選曲… BLUE MOON BLUE / 高橋幸宏

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年06月05日

「スナメリの出産とラッコ・ブーム」お話

今週のゲストは、水族館プロデューサーの 中村元さんをお迎えしています。

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中村さんは1956年三重県生まれ。
1980年に鳥羽水族館に入社され、飼育係、企画室長、副館長を経て、2002年に独立され、
水族館プロデューサーとして、新江ノ島水族館、サンシャイン水族館をはじめ、
多くの水族館をプロデュースされていらっしゃいます。

また講談社ビーシーより発刊されている、
中村さんの著書『中村元の全国水族館ガイド125』
水族館ガイド本として2005年の最初の発行から4冊目の改訂版になります。
(↑の写真で中村さんが手にしている本です。)

もともとメディア関係の仕事に就きたかったという中村さん、
「水族館も人に見せて伝えるものだからメディアだ!」と考え水族館え進んだそう。

水族館入社後は「何かを伝えるためには、その生物のことを知らなければならない」と考え、
飼育係を経て、自分で作った部署「企画室長」を担っていました。
この部署は、中村さんが営業部で営業をして回るよりも、
飼育係の時に撮影した「スナメリというイルカの出産シーンの映像」が
全国のメディアで放送された時の方がずっと人が増えている手ごたえを感じたことから、
これを専門にできる場所が欲しいと館長に頼んで、作られた場所だそうです。

企画室長としての仕事で最も手ごたえを感じたのは、ラッコ!

当時社会的に知名度が無く、毛皮の名称として使われていたラッコについて
どうやっておなかの上で貝を割るのか、といった生態を撮影し
メディアに持ち込んで伝えたそうです。
実際の集客としては、70万人だったお客さんが、200万人まで増えたそうで、
その後全国の水族館でラッコの導入がはじまったそう!

それまで毛皮としてしか知名度のなかったラッコの
「生態系にも影響を与えてしまった」と話してらっしゃいました。

今夜の選曲… SOMETHING NEW/高橋幸宏

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年06月01日

隈研吾さんとのコラボ…手キスタイルブランド『KUMASHIMA』とは?

小倉織物製造株式会社代表取締役・築城弥央さんをお迎えしています。
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『小倉縞縞』では建築家の隈研吾さんとコラボされた
テキスタイルブランド『KUMASHIMA』を立ち上げられました。
丈夫さが特徴的な小倉織…そこに目をつけた隈先生が
インテリアとしての可能性を感じて、共同で生地を
開発されました。
その縁から始まったブランドが『KUMASHIMA』です。

袴地で縦糸がとても強固な小倉織ですが、椅子の張りなど
に見合う素材にするためには、現状のものより強度を
あげた生地を作ることが必要です。
世界基準を目指されての開発研究が進められています。

▼小倉縞縞のHPはこちらから!
https://shima-shima.jp

今夜の選曲… Excuse Me (I Think I've Got A Heartache)/Willie Nelson

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年05月31日

「小倉織」の環境に配慮した取り組みとは?

小倉織物製造株式会社代表取締役・築城弥央さんをお迎えしています。
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『小倉縞縞』で行われいる環境に配慮した
取り組みについても伺いました。

築城「小倉織は、とても丈夫なので長く愛用でき、
使えば使うほどより良くなるんです。
経年変化を楽しめて、なめし側のような風合いを
持つものなので、まさにSDGsの生地だと私は思って
いたんです。
北九州には、プラスチックや漂流したプラスチック、
大量に捨てられてる洋服を回収して、原始糸に戻す技術を
持つ工場があったんです。
その再生の糸を、横糸にだけ使うことで本来の小倉織の
特徴を残しつつ、再生糸を使うことでまた循環していく
ことが意味があるんじゃないかと。」

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↑今回お持ちいただいた再生糸を使ったバック。

再生紙を使うことで、綺麗な色が出るんだとか!
こうした製品は身近で使うことのできるネクタイや、
名刺入れなど、今のライフスタイルに合ったものを
作って展開されています。

▼小倉縞縞のHPはこちらから!
https://shima-shima.jp

今夜の選曲… She Called Me Baby / Willie Nelson

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年05月30日

ブランド「小倉縞縞」を世界へ……というお話、伺います。

小倉織物製造株式会社代表取締役・築城弥央さんをお迎えしています。
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築城さんは大学卒業後、台湾の企業に就職されます。
復職関係の会社でマネージメントの仕事をする傍ら、
日本についてたくさん質問されることがあったと言います。
お母様が携わられていて、一番身近であった染色…
この文化が”日本ならではのもの”だったということを
再認識し、27歳のときに小倉織ブランド『小倉縞縞』を
お母様と立ち上げます。

小黒「手織りじゃなくて機械を売りにした理由は何なんでしょう?」
築城「本当に伝統工芸の世界では海外で実際に
美術館とかで収蔵されたりしてすごく評価を
いただいたりもしていたんですけど、地元では
小倉織というものを知られていないっていう現実が
ありました。
私達が全然知らない状態で復元再生したばかりの
ときだったのでそれを地元でも認知してもらう
ということも含めて、ある程度量産ができて、
身近なものにして日常の中で使っていただきたい
ということで、15年前にブランドを立ち上げました。」

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築城さんは、小倉織の生地をドイツ見本市
「アンビエンテ2015」という展示会へ出展しました。
そこで海外の反応を伺ったと言います。

築城「こんな面倒な織物をよくやってると言って
いただきましたね。
皆さんやりたがらない織物なんです。
とても高密度だし、傷も出やすいし、手間のかかる
織物だったけど、わかる方はその魅力をすごく
わかってくださった。
これはやっぱり海外…ヨーロッパに特に見せて
持っていったらいいんじゃないかということで
海外展開は決めていました。」

今夜の選曲…Life Turned Her That Way / Willie Nelson

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年05月29日

北九州の伝統工芸「小倉織」の魅力を発信するお話、伺います。

小倉織物製造株式会社代表取締役・築城弥央さんをお迎えしています。
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築城さんは1980年福岡県生まれ。
大学卒業後、台湾の日系企業を経て、
2007年に伝統工芸の小倉織ブランド『小倉縞縞
そして、2018年に小倉織物製造株式会社を設立。
商品開発販売と、国内外に小倉織の魅力を
発信されていらっしゃいます。
北九州市の伝統工芸『小倉織』とはどんな織物
なのでしょうか?

築城「北九州の福岡県小倉という場所であった
伝統織物です。実は一旦途絶えて復元再生していて
江戸時代初期から武士の袴地として使われてきて、
明治時期になると袴から男子の学生服の
シンボルになるほど人気を博しました。

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築城「縦じまが特徴の織物で、縦糸が横糸に対して
約3倍ぐらい多いんです。なので、とても高密度になり
縞がすごく立体的に…グラデーションのように見える
ところが特徴です。
本当に『槍をも通さぬ小倉織』という言葉が
文献にも残っていたりするぐらい、男性が狩りに
行ったりするときの袴であったり陣羽織であったり、
身を守る、本当に丈夫で強い生地で使われてきていた
っていうふうに言われてます。」

今夜の選曲… The Chokin' Kind / Willie Nelson

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年05月25日

【Podcasting 第823回】西島雄志さん

今回のポッドキャスティングは、
5月22日〜25日放送分、彫刻家の西島雄志さんです。

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年05月25日

光と彫刻とのバランスとは?

彫刻家の西島雄志さんをお迎えしています。

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小黒「(今年の活動の)一番のメインは今年の9月に
開催予定の中之条ビエンナーレを目指して
作品作りをしていると?」

西島「そうですねポーラミュージアムNEXの作品は
結構な大作だったんで、ためている作品が全部
なくなってしまいました。
またネジネジ今もやってるんでこれを使いながら
次は中之条ビエンナーレ……9月9日からなんですけども
そこに向けて今一生懸命作ってるところですね。」

小黒「今回の個展「瑞祥zui-shou -時の連なり-」はそのライティングも大事なポイントだと思うんですけど、
別にライティングしない作品も今まであったんですか。」

西島「そうですね彫刻って、物のイメージあると
思うんですけど、空間と光と彫刻ってセットなんです。
光の当て方で作品って全然見え方が変わるんですよ。
自分の見せたい感じの中ではやっぱりライティングを
しながら作ったりするんで、一緒に1セットで考えてる作品ですね。」

▼「瑞祥zui-shou -時の連なり-」は、銀座のポーラミュージアムNEXで6月4日まで開催されています。
ぜひその神秘的な世界を体験し、最後の部屋では驚いてみてください。
西島さん、ありがとうございました。

今夜の選曲…Long Walk / Go Go Penguin

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年05月24日

中之条ビエンナーレとは?

彫刻家の西島雄志さんをお迎えしています。

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西島さんは群馬県中之条町で開催されている
国際現代芸術祭、中之条ビエンナーレ
2011年より参加されています。

西島「それまでは、例えば銀座のギャラリーで
年に1回個展をしたりと、続けていたんですが、
やっぱり銀座のギャラリーってちょっと敷居が高くて。
見に来られる方って美術関係の人だったり、知り合いとか
そういう人たちだけが行き交う場所になって
すごい違和感を感じたんです。
もっといろんな方に見ていただきたいなというふうに
思ったときに銀座のギャラリーに中之条ビエンナーレの
チラシが入ってたんです。」

西島さんがチラシを見つけた当時の中之条ビエンナーレは
3回目の開催。ちょうど公募制になったばかりでした。
興味を持った西島さんが、応募したことでこの縁が続いています。
そして、9回目となる開催を今年の9月に控えています。
▼中之条ビエンナーレHPはこちらから

西島「中之条ビエンナーレて少し特徴的で、
中之条の町が運営をやってるんです。
町がアーティストを集めてやっているので
予算はすごい少ないんですけど、その分、
街の人との交流だったり、滞在して制作することを
すごい推奨してるんですよ。だからみんな結構長い期間
レジデンスに留まって制作するので、
すごいその場っていうことを意識した作品が多い場所ですね」

▼西島さんの個展「瑞祥zui-shou -時の連なり-」は
銀座のポーラミュージアム・アネックスで開催中。

【アクセス】
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線 銀座駅 A9番出口徒歩6分
東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅 7番出口すぐ
JR有楽町駅 京橋口改札徒歩5分

東京都中央区銀座1-7-7ポーラ銀座ビル3階

今夜の選曲…We May Not Stay / Go Go Penguin

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年05月23日

気配や想像の哲学 というお話、伺います。

彫刻家の西島雄志さんをお迎えしています。

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今回の個展“瑞祥”は3つの部屋で構成されて
います。小黒が気になったのは、1つ目の部屋、
2つ目の部屋と続けて展示されていた鳥の彫刻。

西島「あれはヤタガラスを使った作品です。
ヤタガラスは導きの神、導いてくれる神様の使い
として表現しています。」

小黒「あともう一個聞きたかったのは、彫刻を
完璧に埋めていないじゃないですか。
想像させるみたいにして、あれも意味があるんですか?」

西島「元々自分は、存在感とか気配とか、
目に見えないものを表現したいと思って
彫刻をつくっているんです。
空間も人も気配を纏っていて、お話を
するときでもその周りにあるものと対話
している…そういうものを感じていて、
それを形にしたい。
で、どうしても形にしきってしまうと、
形の方が強くなりすぎちゃう。目に見えない
ものに形を与えるって確かにすごい矛盾が
あるんですけどそこをなんとか形にする。
そうすることで、見る人がそこを補完して
見ていくことに重要な意味があると思っています。」

▼西島さんの個展「瑞祥zui-shou -時の連なり-」は
銀座のポーラミュージアム・アネックスで開催中。

【アクセス】
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線 銀座駅 A9番出口徒歩6分
東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅 7番出口すぐ
JR有楽町駅 京橋口改札徒歩5分

東京都中央区銀座1-7-7ポーラ銀座ビル3階

今夜の選曲… Glow / Go Go Penguin

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク


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