2023年11月07日

0歳からの伝統ブランドaeru

今週のゲストは、株式会社和える代表取締役 矢島里佳さんです。
京都からリモートでのご出演です。

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株式会社和える、最初の事業は「0歳からの伝統ブランドaeru」

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これは赤ちゃんの時から、日本の伝統に出会える循環を生み出したいという思いからスタートしたもので、
出産祝いとして誰もが赤ちゃんに贈るものを “何か“ではなく
幼少期から使いやすい日本の伝統産業品を届けることで
「日本を送る」という新たな文化を生み出したいという気持ちが込められています。

この事業のきっかけも、自身の経験から。
幼い頃から伝統に出会う機会がほとんど無かった為に、伝統を好きとか嫌いとかではなく、知らないという状態だった矢島さん。
今の多くの若い人達も同じ状況なのではないか?という気づきがスタートとなりました。

送れる伝統商品は、職人さん達と共に作ったオリジナル商品で、
徳島の職人さんに制作してもらった本藍染の産着などがあります。
本藍染のものとすることで、保温効果や紫外線カット効果があるため、
伝統商品でありながらも、赤ちゃんの肌を守る機能性も兼ね備えています。

また日本全国の陶器磁器漆器の職人さんと一緒に作った
“こぼしにくい器”という商品もあります。
こちらは中に返しがあるため、食べ物がしっかりスプーンに乗っかってくれる仕組みになっており、この工夫からグッドデザイン賞、ウッドデザイン賞も獲得しています!

また和えるでは消費者を“暮らし手”と呼んでいます。
これは、経済のための人たちではなく、人間らしく暮らしていく人たちという意味で生み出された単語で、和えるの哲学が組み込まれています。

今夜の選曲… Had To Phone Ya ~ Guess I’m Dumb/Instant Cytron

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年11月06日

株式会社和えるの精神

今週のゲストは、株式会社和える代表取締役 矢島里佳さんです。
京都からリモートでご出演頂きました。

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矢島さんは、1988年東京生まれ。
慶應義塾大学法学部卒業後、同大学大学院の政策・メディア研究科を修了。大学時代に、日本の伝統文化や産業の情報発信の仕事をはじめ、
2011年大学4年の時、和えるを創業。現在、東京・京都・秋田の3拠点で様々な事業を展開されていらっしゃいます。

株式会社和えるは、
日本の伝統を次世代に繋ぎたいという思いから誕生した会社です。

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矢島さんは東京で生まれて、千葉の新興住宅地で育った経験から
幼少期より伝統や文化“田舎の祖父母の家“といったものに憧れており
日本に憧れる日本人という感覚を持っていました。
その後日本の伝統を専門に伝えるジャーナリストを目指し進学しましたが
当時は納得のいく会社が見つけられず…。
自分自身で会社を作ろうと考えたことがきっかけでした。

そんな思いから生まれた「和える」が大切にしているのは“美しく稼ぐこと”

1つ目に、日本の伝統が次世代に繋がることをやっていく。
2つ目に、売り手よし買い手よし世間よしの”三方良し以上”
多くの人が悲しまない事業である事を確認することが大切だということです。
3つ目に、文化と経済が両輪で育まれること。文化を発信することで、
未来の経済を育んでいくという循環を生み出す。
これら3点を軸に据えながら実践しています。

また会社名の「和える」という名前は、和え物のように、それぞれの魅力を引き出したい。日本の伝統や先人の知恵と、今を生きる私達の感性や感覚を和えるという思いから付けられています。
「“混ぜる”ではなく“和える”の方が、多少時間はかかるけれど、より本質的で中長期的な視点で物事を和えて次世代に繋いでいく。それが日本の伝統の考え方の一つかなと思った。」と話していました。

今夜の選曲… Afro Blues Combo /Instant Cytron

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年11月02日

仲野さんの新作と日本での公演

今週のゲストは、サックス奏者の仲野麻紀さんです。

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音楽活動において重要なキーワード「アフリカ」

仲野さんがパリで生活している場所はモンマルトルの東側。
ここはアラビアの人や西アフリカの人が多く住んでいます。
ミュージシャンとの出会いや、演奏する機会を重ねるうちに、
段々と融合して垣根がなくなっていくような感覚があり、
このパリでの出会いが、音楽活動の重要なキーワードのきっかけとなりました。

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仲野さんと、アフリカの伝統楽器ティンビラを奏でる
モザンビークのミュージシャン、マチュメ・ザンゴとの
ライブがあります。

開催日/場所
11月19日・京都妙蓮寺
11月26日・六本木サテンドール
詳細はコチラをご覧ください。

今年3月に発売された仲野さんのアルバム『オープンラジオ』
群馬県伊香保にあるWorld Jazz Museum 21という会場で
ピアニストの渋谷毅さんと演奏時の録音を、そのまま収録した作品。
「春をテーマにしたアルバムということで、春に日本に帰国する度に、
渋谷さんと一緒に演奏できたら…!来年の春もご期待ください!」と
仰っていました。

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また、仲野さんが主宰している音楽レーベル「open music」の15周年記念プロジェクトと題して、バイナル(レコード)が入るマチのついたトートバッグも販売されています。
トートバッグには、開くんのイラストが使用されています。
彼は4月に岐阜で演奏した際に、会場で絵を描いていた男の子で、
その名前「開」がオープンミュージック=開かれた音楽にピッタリという事で、イラストを使用させて欲しいとお願いしたそうです。

とても素敵な一品なので、是非チェックしてみてください。

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年11月01日

音楽は世界を旅する!

今週のゲストは、サックス奏者の仲野麻紀さんです。

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毎年ツアーを行っている仲野さん、日本で開催する際には、神社仏閣や図書館、農場など…ユニークな場所で行っています。
なぜこういった場所に惹かれるのでしょうか?

「地球を構成するのは大都市だけではない、
周辺に住む人々も数多くいる、という意識が重要。
そこに生きる人たちの存在が経済を回していたり、
また、その場所で奏でられる“祭“などの音楽もある。
そういった辺境にいる人たちの息遣いを音楽で取り入れていきたいと
思っています。」

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さまざまな地で演奏する仲野さんにとって旅とは、人生そのもの。
そのため、よく仲野さんを言いあらわす肩書「旅する音楽家」は
「人生は音楽家」と言っているようで苦手とおっしゃっていました。

また仲野さんは
さまざまな場所で一緒に演奏したミュージシャンやその家族が
作ってくれたご飯のレシピや“なぜこのご飯ができたのか“という
エピソードをインターネット上で連載しています。

来年あたりに一冊にまとめて
『ごはんを作る場所には音楽が鳴っていた』というタイトルで
勁草書房から出版される予定だそうです。楽しみですね。

今夜の選曲… Larme qui ne voit pas / Mienai Namida / 仲野麻紀

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年10月31日

ジャズとの出逢い、そしてパリへ

今週のゲストは、サックス奏者の仲野麻紀さんです。

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子どもの頃からミュージシャンを目指していたという仲野さん、
どのような音楽を嗜んでいたのか。
「10歳頃には父がカセットテープに録音していた、油井正一さんなど、ジャズのスタンダードなものを聴き始めた記憶があります。
15歳の時にエレクトーンを弾きながら、その延長線上でジャズピアノに興味を持った際、武満徹さんの『SONGS』に衝撃を受け、のめり込みました。」

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ジャズに魅せられた仲野さん、「ジャズといえばアメリカ」というイメージがありますが、なぜ渡航先にフランスを選んだのでしょうか。

「アメリカのジャズだと思っていたものは、1890年代のパリでとても盛んだったもの。そこにはエリック・サティがいたり、19世紀末にはラベルやドビュッシーがアメリカのジャズとは異なるフランスのエスプリ(スピリット)を持った下地を作っていたことがわかった。」

仲野さんはフランスで演奏する中で、ジャズに関りが深いのは奴隷船と奴隷の人たちなのだと確信しました。
そしてヨーロッパ大国、アフリカ大陸、アメリカを繋ぐ三角貿易の中で、砂糖や金がフランスへ戻ってくるように、
”20世紀初頭にジャズはフランスへ帰ってきたのではないか”と考え、
「フランスを選んだ理由がここにあったのかもしれない」と
分析しています。

今夜の選曲… イスファハン / 渋谷毅、仲野麻紀

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年10月30日

ブルターニュとオープンラジオ

今週のゲストは、サックス奏者の仲野麻紀さんです。

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仲野さんは、1977年名古屋生まれ。
2002年パリに渡り、パリ市音楽院ジャズ科を卒業後も、パリを拠点に
演奏活動され、2009年からはopenmusicを主宰。
音楽レーベル,コンサートの企画・招聘を精力的に行っています。
また著書『旅する音楽』(せりか書房)で、
第4回鉄犬ヘテロトピア文学賞を受賞されていらっしゃいます

2018年12月以来、5年ぶりのご出演です。当時のブログはコチラ。
現在は拠点をフランス・ブルターニュに移して活動しています。
ブルターニュとは、ケルト文化が根付いた地で
旧石器時代の遺跡であるカルナック列石メンヒル、ドルメンなどもある、
フランスの中でも特に歴史の層が厚い場所です。

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仲野さん、2017年から-openradio-というインターネットラジオ番組を
新月・上弦・満月・下弦の月の満ち欠けに合わせて配信しています。
スタートのきっかけは食道癌で亡くなった大切な人に
言われた「僕は喋れないけど、君の声をききたい。」という言葉でした。

そんなインターネットラジオ番組「openradio」を模して作られた
ソロアルバム『OPEN RADIO』が2021年に発表されています。
まるでラジオのような作品です!

この『OPEN RADIO』の楽曲名は、ブルターニュの伝統曲を除いて、
すべてに書籍の名前が付けられています。
これは楽曲を演奏する際、全くの無からだけでなく、多くは何らかの
インスピレーションを受けて生まれていることから、それぞれ仲野さんが影響を受けた作品…中上健次『枯木灘』や夢枕獏『陰陽師』などが冠されています。

今夜の選曲… Duhont'ar ar mane / 仲野麻紀

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年10月26日

スポーツの素晴らしさと美しさを伝える。

ゲストはアーティスティックスイマーの小谷実可子さんです。

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小谷さんは現役時代に一度休養宣言をして、長野オリンピックに
尽力された経験があります。

長野オリンピック招致の経験について…
「選手の時は頑張っていれば、誰かが4年に1度オリンピックを
開いてくれるものだと思っていたけれど、
招致活動に携わったことで、開催地決定までに膨大な人とお金と時間と
労力と汗と涙が流されている事を、、、
またそれぞれの立場でオリンピックを成功させたい、
素晴らしいものにしたいと思っている人がいることを知った。」
と話していました。

また今までとは違う新たなオリンピックの価値を知ったからこそ、
招致活動後、すぐに選手復帰し、バルセロナオリンピックに
挑戦したということです。

そんな小谷さん、現在もJOC(日本オリンピック委員会)の常務理事を
担いながら、オリンピックの価値発信や、オリンピアンの皆さんと共に
社会課題解決のための活動を進めています。

▽世界マスターズ水泳選手権 ソロの演技の様子
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最後に、今後の活動について…。
「安部篤史さんと共に頑張って、アーティスティックスイミングは
男女一緒にやるものだ!というものを発信し、男子選手のやってみたいにつなげたい。」

また「”世界マスターズ水泳選手権”80歳以上の部に出ている方には
58歳でシンクロを始めて輝いている人もいるので、
「never too late!」です!」とおっしゃっていました。

今夜の選曲… Pilgrimage / 青葉市子

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年10月25日

男子シンクロの歴史 と 混合デュエット

ゲストはアーティスティックスイマーの小谷実可子さんです。

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これまで男性は五輪アーティスティックスイミング(シンクロ)への
参加できませんでしたが、来年のパリオリンピックよりチーム種目に
男性が2人まで参加可能
になり、新たな扉が開かれました。

この男女で行うシンクロは、4大会前の世界選手権から
「ミックスデュエット」が種目に追加されています。
初回から日本唯一の男性シンクロスイマー安部篤史さんが活躍しており、2019年には元ナショナルチームで泳いでいた足立夢実選手と共に
メダルを獲得しています。

安部さん…日本選手権の最初の大会では、
男性用の更衣室が無く一人トイレで着替えたそう。
小谷さん曰く「みんなの期待とプレッシャーを背負って、日本シンクロ界の男性の歴史を本当に切り開いてくれた貴重な存在」ということです。

そして小谷さん、そんな安部篤史さんと共に来年2024年2月に
ドーハで開催される世界マスターズ水泳選手権に混合デュエットで出場されます!!(小谷さん初の試み!!)

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お二人はお誕生日が一緒、足して100歳になります。
これまでも、一緒にアーティスティックスイミング界を盛り上げて
いこうね!という話はしてましたが、、、

小谷さんから今年の誕生日に「お誕生日おめでとう、また誕生日だね、
私と一緒に新たな挑戦をしませんか」というラブコールを送り、
受けてもらったと仰っていました。

今夜の選曲…Porcelain / 青葉市子

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年10月24日

小谷さんのシンクロ人生

ゲストはアーティスティックスイマーの小谷実可子さんです。

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小谷さんが、アーティスティックスイミング、、、
当時のシンクロナイズドスイミングに出会ったきっかけは、
9歳の時に水泳の先生にかけられた「向いているからやってごらんなさい」という言葉から。

15歳の時には、当時シンクロ界のトップ争いをしていたアメリカのNorthgate High Schoolへ留学した経験もあります。
アメリカ留学中、存分に練習し褒められ、上達したという小谷さんですが、
人生のターニングポイントは留学後。

というのも、派手な泳ぎが評価されるアメリカと、基本に忠実な日本との、審判の採点基準の違いで、帰国後の点数が伸びませんでした。
弱冠16歳の小谷さんは「日本よりレベルの高いアメリカでは評価されたのだから、審判が変わるべきだ。」と考え自らの首を絞め、転落していってしまいました。

ただ続けていく中で、自分が間違っていると意識を改め、その時から真面目に基本練習に取り組んだことで、着実に順位が上がっていき、、、

そして初めて日本で勝利をつかんだ時に、それまで当たり前だった勝利ではない”苦労の末にある勝ちの喜び”を知り「神様はこの経験をさせるために苦労を与えたんだ。乗り越える必要があって試練をくれたんだ。」と考えるようになったそうです。

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これが小谷さんのポジティブな人生の歩み方にそのまま繋がっているということで、まさに人生のターニングポイントと話していました。

今夜の選曲…Sagu Palm's Song / 青葉市子

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2023年10月23日

30年振りの現役復帰 と あらたな目標

ゲストはアーティスティックスイマーの小谷実可子さんです。

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小谷さんは1966年東京生まれ。
88年のソウルオリンピックで、シンクロナイズドスイミング
(現在のアーティスティックスイミング)の「ソロ」、「デュエット」で、銅メダルを獲得。
92年バルセロナオリンピック後に引退され、
現在は日本オリンピック委員会常務理事はじめ、オリンピックや
教育関連の要職を数多く担当し、国際的に活動されていらっしゃいます。

そして今年8月に開催された『世界マスターズ水泳選手権2023九州大会』
アーティスティックスイミングで、ソロ、デュエット・チームの3種目に出場され、全ての種目で金メダルを獲得しています!

▽スタジオにも3つのメダルを持ってきてくださいました!
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小谷さんは競技という形では30年ぶりに復帰ということで、
そのきっかけは「地元での開催」でした。

世界マスターズ水泳選手権は、2年に1度世界中の様々な地位で開催されるという事で、今年は日本・九州での開催が決まっていました。
小谷さんは、東京2020オリンピックパラリンピックの際に、スポーツディレクターを務めていましたが、大会終了後、楽しく生きるために何か目標が無ければ…と考え、自国で開催される世界マスターズ水泳選手権に興味を持ち、仲間たちと共に「これに出場して盛り上がりたいね」と話した事が最初のスタートという事です。

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小谷さんも出場した「世界マスターズ水泳選手権」
こちら出場の条件は「25歳以上で、登録をマスターズに変更している事」
また出場に当たっては、だいたい10歳くらいずつで区切られた年齢で
カテゴリーされており、小谷さんは50歳以上の部に出場されました。

小谷さん曰く。
マスターズにはスポーツの本当の魅力・意義に気付かされたと話していました。
その人の条件の中での限界を超える…
50歳なら50歳、20代のときより体は動かない・体力もないという中で、その時の限界を超えようとしてることから醸し出される、何かスポーツの魅力みたいなものがあったと仰っていました。

今夜の選曲… Easter Lily / 青葉市子

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク


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