2025年06月17日

あんこの歴史と魅力~庶民に愛された甘い文化~

今週のゲストは、日本あんこ協会、会長のにしいあんこさんです。

あんこの基礎知識について詳しく伺いました。
にしいさんに曰くあんことは「食材をつぶしてペースト状にしたもの」と幅広く捉えており、砂糖を入れないもの、小豆以外にも芋あんや栗あんまで含まれます。
そのため一般的に想像するこしあんやつぶあんよりも、はるかに広い概念です!

あんこが庶民に広まった歴史について、ターニングポイントは、8代将軍徳川吉宗の時代。砂糖が国産化されたことによって、享保の改革前後あたりから甘いあんこスイーツが庶民に出回るようになったそう。
江戸後期には大福や羊羹、お饅頭やお団子が庶民に親しまれていました。

また江戸時代の人々の甘いもの好きエピソードとして、吉田松陰の話もご紹介いただきました。

「かなりストイックな彼なんですけども、大福だけはどうしても食べたくて買っちゃったっていうのが松陰さんの日記に家計簿に残っています」

また、こしあんとつぶあんの使い分けについて、にしいさんは「それぞれ使いどころがある」と説明されました。水羊羹にはこしあん、たい焼きやどら焼きにはつぶあんが多く使われるなど、それぞれの良さを活かした楽しみ方があります。

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2025年06月16日

和菓子の日!

今週のゲストは、日本あんこ協会会長のにしいあんこさんです。

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にしいさんは、1982年生まれ、奈良県出身。立命館大学を卒業後、広告代理店勤務を経
て、独立。2018年にはあんこ普及振興を目的とした「日本あんこ協会」を設立。
また、2023年6月には農林水産省が推進する「ありが糖運動」のアンバサダーにも就任
され、砂糖や甘味に由来する食文化の魅力を広く情報発信されています。

本日6月16日は「和菓子の日」
平安時代までさかのぼる由来を教えていただきました。
「848年に仁明天皇がご神託を受けられて、6月16日に1と6の数にちなんだお菓子やお餅を神前にお供えされたのが起源です。当時は疫病が流行していて、無病息災や健康招福を祈って捧げられました」とのこと。
またあんこに使われる小豆は邪気を払うとされ、神事や寺院でめでたいものとして使われてきた歴史があります。

そしてにしいさんが代表をつとめる日本あんこ協会は「あんこを通じて世界平和を実現する」ことを掲げLoveあんこピース」をスローガンにしています。

「あんこってすごい食べるとほっこりするじゃないですか。皆さん笑顔に、老若男女誰でもお好きなので!」

現在、協会員は全国で1万人を超えており、Web上でのあんこ検定に合格するとアンバサダーになることができます。また主催イベントとして「あんこ部」を開催し、東京三大どら焼きや三大豆大福といった有名なあんこスイーツの食べ比べを通じて、参加者それぞれの好みを見つけてもらうような活動を行っています。

詳しくはHPをご覧ください!
https://anko.love/

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2025年06月12日

今週のゲストはNPO法人日本補助犬情報センター専務理事兼事務局長の橋爪智子さんです。

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補助犬の普及について橋爪さん曰く「まだまだ知られていない、正しく知られていないのが大きな課題」とのこと。
また私たちにできることとして、「補助犬法という法律があること、三つの補助犬がいること、そして私たちの社会にはいろんな人がいるということを知っていただき、積極的に広めていただけたら嬉しい」とおっしゃっていました。

また私たちが補助犬ユーザーに声をかけることについて、、、
障害がある人はいつも困っているわけではないため、きょろきょろしたり困っている様子のときに「どうされましたか、何かお手伝いしましょうか」と声をかけてほしいということ!
一方で、「かわいいわね」と犬に触ってしまう人も...
「犬に対しては温かい無視をしていただいて見守っていただき、ユーザーさんが困っていそうだったらユーザーさんに声をかけていただきたい」と正しい接し方を説明されていました。

またNPO法人日本補助犬情報センターでは、普及啓発活動として、講談師の日向ひまわりさんによる講談「補助犬三銃士ものがたり」が制作されています。
こちらはYoutubeにも公開されています。ぜひ!
https://www.youtube.com/watch?v=rBK38itrzac

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2025年06月10日

補助犬の訓練と適性

今週のゲストはNPO法人日本補助犬情報センター専務理事兼事務局長の橋爪智子さんです。

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補助犬の適性について詳しく伺いました。盲導犬は、実はナビをしているわけではなく、曲がり角、段差、障害物を止まって教えることで視覚障害者をサポートしています。
主にラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなどの大型犬が活躍しており
各々の特性を踏まえたうえで、ユーザーさんと一緒に歩くことが好きな子が選ばれます。

また訓練の合格率はよくて4割、だいたい2割~3割の合格率となっているそう...。
「すごく難しくて、やはり犬は命ある生き物です。ロボットではないので大量生産ができるわけではないですからね。」

トレーニング自体は、とにかく褒めて褒めて行われるため、厳しいものではないそう。
ただ「この子が本当に補助犬のお仕事をしてハッピーかな、ユーザーさんとペアになることで本当にハッピーになれるかな?」という適性を厳しく見ているそうです。

またユーザーとのマッチングでは、生活スタイル、家族環境、通勤通学の有無など、その方に合った犬が選ばれます。
「出張などがある方には歩くのが早くて元気な子、おうちの周りのお買い物が中心なら、のんびりした子が選ばれます。体の大きさもそうですし、マッチングも非常にしっかりと見ているというのが、大切なポイントになります。」

現在日本で活躍している補助犬は、盲導犬796頭、介助犬60頭、聴導犬50頭の合計906頭のみです。基本的には一対一のペアですが、盲導犬については夫婦で1頭を共有する「タンデム歩行」の事例もあります。

staff| 21:00 | カテゴリー:ゲストトーク

2025年06月09日

身体障害者補助犬法、成立23年 - 真の社会参加を目指して

今週のゲストはNPO法人日本補助犬情報センター専務理事兼事務局長の橋爪智子さんです。

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橋爪さんは補助金の普及啓発に関するボランティア活動を2000年から始められ、法律の成立に尽力。 2002年身体障害者補助犬法が成立してからは、NPO法人日本補助犬情報センター専務理事兼事務局長として20年以上、補助券の普及啓発活動に取り組んでいらっしゃいます

身体障害者補助犬法では
視覚障害者をサポートする盲導犬
肢体不自由者をサポートする介助犬
聴覚障害者に必要な音を教える聴導犬、三つをまとめて「補助犬」と定義しています。

国の指定法人での試験に合格した、補助犬と補助犬ユーザーのペアが認定を受けることで、社会参加が認められる仕組みです。

橋爪さんが活動を始めたきっかけは、損害保険会社で働いていたころ、ニューヨークで日本人女性がアニマルセラピー活動を行うニュースを見て感銘を受けたことでした。
「私自身が幼い頃に獣医さんになりたいと思った時期もあるぐらい、犬猫が大好きで、ずっと一緒に暮らしてきたので...こういう分野に身を置いて自分の力で役立てるようであればすごく嬉しいなと。」

現在は、大学によってはアニマルセラピーなどのコースがありますが、当時は全くなく...ほぼすべて手探りの状態。
「障害がある方々に育てていただいた」と振り返っていました。

また法律成立から23年が経過した現在について、、
橋爪さんは「補助犬を知っている方は増えているが、補助犬法という法律があることはまだまだ知られていない」とおっしゃっていました。
小学校の総合学習で子供たちが学ぶ機会は増えていますが、「盲導犬は知っているけど、うちのお店は犬は駄目」とまだまだ断られることが多いのが現状です。
「この現状を何とかしないと真の社会参加というのが進まないので、法律の存在を全ての国民の皆さんに知ってほしいなと思っています。 」

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2025年06月05日

伝統工芸と現代技術の融合~世界に届ける虎の物語

伝統工芸と現代技術の融合~世界に届ける虎の物語
今週のゲストは写真家の山田耕熙さんです。

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山田さんの個展では、写真だけでなく様々なオリジナルグッズも販売されていました。
ステッカーやエコバッグ、メモ帳などのグッズの売り上げの一部は、現地のNGOを通じて寄付される仕組みになっています。

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またユニークなものでは日本の伝統工芸である屏風と掛け軸に虎の写真をプリントした作品。
これらは京都の表具師である職人さんに依頼して制作されたもの
「日本の伝統的な世界はまさに写真で現代のテクノロジーだからこそできる。写真を本物のそういうメディアに印刷するということを今回チャレンジしてみました」

展覧会には海外からの来場者も多く、韓国やアメリカでの開催を勧める声も寄せられているそうです。
特にアジアの仏教伝来のルートにある国々では受け入れられるのではないか?という意見もあったそう。

山田さんは現在、2017年から8年間にわたる虎の撮影活動をまとめた大型写真集の制作を進めています。
2冊セットの本格的な写真集で、年内の発表を目指しているとのことで、海外のマーケットも視野に入れながら、多くの人に届けたいとおっしゃっていました。

「もうタイガーに作ってもらった人生なんで、タイガーに返さなきゃいけないって思ってます」

山田さんの活動は公式ホームページインスタグラムなどのSNSで確認することができます!

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2025年06月04日

持続可能な野生動物保護の成功例~ランタンボール国立公園の仕組み

今週のゲストは写真家の山田耕熙さんです。

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山田さが撮影を続けているインドのランタンボール国立公園は、野生動物保護と地域住民の共存が成功している事例として注目されており、山田さん自身も現地での撮影において、環境への配慮を徹底されています。

山田さん曰くランタンボール国立公園の成功の秘密は、
野生のトラを観光資源の中心として位置付けて環境とか法整備して、世界中からツーリストを呼び込む基盤というものを構築されていること...。
地域産業が潤う循環を作ったことで、現地の人々に雇用が生まれ、教育も施されるようになったということ。さらに、トラによって家族や大切な家畜が襲われた場合には補償が受けられる制度も整備されています。

こうした政策により地域住民にとってトラは、自分が生活を安定確立していく上で必要な存在として理解されるようになるということ...

山田さん、経済効果と地元住民の便益と理解、それから野生動物の保護という三つの要素が欠けることなくバランスしてるっていうのが成功している要因と分析しています。

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2025年06月03日

人生を変えた虎との出会い

今週のゲストは写真家の山田耕熙さんです。

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これまで南極、北極、ガラパゴスなど様々な場所で撮影されてきた山田さん、、、
虎に集中して取り組むようになったきっかけは、人生で最も落ち込んでいた時期に出会った一頭の虎でした。

虎は生後2年ほどで親や兄弟と離れ、その後は単独で生きていく動物ということ。
「親も子も兄弟もバラバラになって、ただでさえ生きることが厳しいような環境の中をたくましく生きる姿っていうのにすごく引き込まれて、俺も強く生きていきたいっていう本当にそういう純粋な気持ちになって」

しかし、虎を取り巻く現状は厳しいものがあります。2010年には絶滅危惧種に指定、、
1900年には世界に10万頭いましたが、現在はわずか4000頭まで減少。実に96%が死滅している計算になります。
原因は生息地の破壊と密猟の二つです。密猟では、皮や肉、髭、爪、そして特に骨が狙われています。
というのも、骨は煎じて漢方にして飲むという根強い需要が、アジアにはあるそうで...
取り締まりが強化されても密猟は今でも続いているのが現状だということ...。

山田さんは私たちの日々の消費活動が、知らぬ間に彼らの生息地を奪っているという現実を、多くの人に知ってもらいたいと考えています。

「リアルジャングルから遠い、このコンクリートジャングルの中に生きている我々が、タイガーが生きる世界に対しても全く無縁な存在ではないっていうことを...ちゃんと伝えていきたいと思って活動してる部分があります。」

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2025年06月02日

旅の先にあったのが写真。

今週のゲストは写真家の山田耕熙さんです。

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山田さんは1979年生まれで、これまでに南極、北極、アフリカ、ガラパゴスなど世界各地で様々な生き物たちを撮影されてきました。現在は「人と野生動物たち、一緒に未来へ」をテーマに、インドのランタンボール国立公園で虎の姿を追い続けていらっしゃいます。
2020年には第8回日経ナショナルジオグラフィック写真賞のネイチャー部門最優秀賞を受賞されています。

先月、代官山で開催された山田さんの個展「Nahar -Ranthambhore」では、
コロナ後の3年間で撮影されたインドの野生のトラの写真約200点が展示されました。
この展覧会は無料で開催され、写真には丁寧なキャプションが付けられ、動画での説明も用意されていました。

「多くの人に届けて、感じ取ってそれを持ち帰ってまた伝播していってほしいっていうことを考えると、今回は無料で、それからグッズとかもちゃんと現地に還元されるようなやり方を考えてやるのが意味があると思って」

山田さんは写真家になろうと思って旅を始めたわけではなく、旅を通してその記録の先に写真があったという経歴をお持ちです。東京生まれ東京育ちの山田さんが極地に憧れたきっかけは、30代前半、人生の長くて暗いトンネルに入ってしまった時期...
奥様の勧めでBBC Earthの「Frozen Planet」というドキュメンタリーを見たことでした。
「途方もないスケールの時間で物語が語られて」いる映像の世界に衝撃を受け
「自分の目で見に行きたい、いかなきゃいかん」という気持ちになったことが、すべてのきっかけだったそうです。

staff| 21:00 | カテゴリー:


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