2025年02月27日

『現れる場 消滅する像』

今週のゲストは、音楽家でサウンドアーティストのevalaさんです。

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evalaさんの展覧会『現れる場 消滅する像』が、
3月9日まで、初台にあるNTTインターコミュニケーション・センターで開催中です。
この展覧会は、サウンドアートの枠を超えた音の体験を提供するものです。

こちらはevalaさんのプロジェクトSee by Your Earsの現時点での集大成の展覧会となっており、合計8作品、ほとんどが新作で構成されています。

「美術館の展覧会というと、通常は絵画や彫刻が展示されるものですが、今回の会場はほぼ薄闇の空間になっています。その中で音だけを頼りに、さまざまな作品を体験する展覧会です。」

《Sprout "fizz"》という作品では、その展覧会の一番開けたスペースの床に130以上のスピーカーが配置され、それぞれ独立した音を発することで、訪れる人がまるで新しい自然の中にいるような感覚を味わえるようになっているということ!

さらに、代表作《大きな耳をもったキツネ》もこの展覧会で体験することができます。
この作品は音の反射が物理的にない無響室が会場となっており、一脚の椅子に座って、空間を広くしたり狭くしたりと、人工的な音響創作を体感できます。

「いわば真っ白なキャンパスみたいなものですね。真っ白なキャンパスだからこそできる、ちょっと非日常な体験というような、そういう作品です。」
この作品事前予約制ですが、とても人気だということ。「予約開始すぐにアクセスを頑張っていただければ...!」とおっしゃっていました。

『現れる場 消滅する像』は3月9日まで開催中です!

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2025年02月26日

非日常な音

今週のゲストは、音楽家でサウンドアーティストのevalaさんです。

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evalaさんに教会や神社仏閣などの建築物における音の違いについて伺いました。
音フェチだというevalaさんは、ずっと音を録りながら世界中を歩いているということですが、教会と神社仏閣においては共通項がありながらも対照的だそう。

「みんなが集まるパワースポット的なところって、実際に録音すると、音の反射が通常ではない、非日常なんです。なんか音から見つけてきているのかもしれないと思ったりします。」

例えば、沖縄にある男子禁制の御嶽では、サンゴの死骸が堆積し穴の開いた地面には吸音効果が、その空間に入ると、少し音が静かになるということ。
また、西洋の教会において建築物や楽器のチューニングを通して、天から音が降ってくるような反射構造があるそう。

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2025年02月25日

今週のゲストは、音楽家でサウンドアーティストのevalaさんです。

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evala さんが2017年より行っているプロジェクトが『See by Your Ears』

こちらは直訳すると「耳でみる」、作品としては、真っ暗闇の中、身体全体で音を体感する、目ではなく耳で何かを見ていくというものになっており、美術館や、劇場、公共空間などで作品を発表しています。

「視覚として可視化していこうということではなくて、耳から世界を見つめていこうみたいな意味合いのプロジェクトですね。」

2020年にはevalaさんのインビジブルシネマ作品『Sea, See, She - まだ見ぬ君へ』が文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞されました。
約72分程で、最初に鋭く光って以降、上映中は真っ暗な中、立体音響を存分に駆使して、全身で音を体感する作品になっているということ。

オンエアでは、特別にラジオバージョンに編集していただいたものを聞かせていただきました!

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2025年02月24日

サウンドアートとは?

今週のゲストは、音楽家でサウンドアーティストのevalaさんです。

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evala さんの携わるサウンドアート。

出発点はジョン・ケージの4分33秒、音楽ジャンルの中でも少し変わった実験音楽や、現代音楽的なもので、また美術の側からは1970年の大阪万博の際に武満徹さんがプロデュースした、スペース・シアター(鉄鋼館)、ロビーに置かれた、フランソワ・バシェ
による音の出る彫刻などが有名なものだということ。

資格造形的なものがあり、楽器とは異なるけど奇妙な音を出しているもの
美術withサウンドのようなものが、これまで展開されてきていると仰っていました。

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2025年02月20日

弘明寺での講演会

今週のゲストは、神奈川歯科大学大学院 統合医療教育センター センター長特任教授の川嶋朗さんです。

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川島先生は、2003年に日本の大学として初めて統合医療の診療を行う施設である
東京女子医科大学附属 青山自然医療研究所クリニックを設立し、2022年には、
統合医療SDMクリニックを開設され、院長でもいらっしゃいます。

川嶋さん曰く統合医療とは、一般的な医療に加え、患者さん一人ひとりに合ったさまざまな方法を組み合わせることで、最適な治療を提供するもの。特に、その人がどのように生きたいのかを大切にし、治療の手段にこだわらず最善の選択をすることが重要だと語っています。

お話を伺っていくと、まるで禅のお坊さんのような川島先生ですが。
毎年4月8日には、神奈川にある弘明寺で講演を行っており、今年は「諦めないがん治療」について話す予定です。この講演は無料で、誰でも気軽に参加できるとのこと。

ぜひ足を運んでみてください!

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2025年02月19日

『どうせ一度きりの人生だから 医師が教える後悔しない人生をおくるコツ』

今週のゲストは、神奈川歯科大学大学院 統合医療教育センター センター長特任教授の川嶋朗さんです。

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川島先生の著書『どうせ一度きりの人生だから 医師が教える後悔しない人生をおくるコツ』がアスコムより出版されています。
これは、治療というよりも幸福な人生を送るための指南書という形になっています。

執筆の背景には、先生が統合医療を行う中で、多くの末期がん患者と向き合ってきた経験があるそう。
というのも、統合医療を掲げている川島先生のもとには、通常の医療では救えない患者が"魔法の治療"を求めて訪れるということ。
ですが、川島先生は魔法を使う事はできませんし、「人間は死ぬものであり、どう生きるかが大切。死ねる自分になることが重要」と考えているということ。
そのために「やりたいこと(want to do)」「やるべきこと(have to do)」「やれること(be able to do)」のリストを作り、これらを終えることで納得のいく最期を迎えられるのではないかと提案しています。

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2025年02月18日

温活の方法

今週のゲストは、神奈川歯科大学大学院 統合医療教育センター センター長特任教授の川嶋朗さんです。

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川島明先生は、冷えと免疫の関係について「体温が下がると血液の温度も下がり粘度が増します。すると白血球の移動が遅くなるため、免疫力が低下する」と説明します。また、白血球が出すサイトカインの活性も低下することから、その関係を数字で具体的に出すのは難しいですが、冷えに伴って、白血球の動く速度や出す物質、その物質の機能的なものも落ちてくるなど、さまざまに影響を与えると仰っていました。

では、どのように温活を行えばよいのでしょうか。
川島先生によれば、「冷えは誰でも改善できる。基本は単純に冷やさないこと、温めること」だといいます。例えば、冷たいものを控える、冷房の使い方に気をつける、湯たんぽを活用するなど、日常の工夫が大切です。

さらに、根本的に冷えを防ぐためには「熱を作る筋肉を鍛えること」が重要です。適度な運動を習慣化することで、体が熱を生み出しやすくなるということ!

また、自律神経の働きも温活において欠かせません。「自律神経は、意識しなくても体の調整をしてくれるが、うまく機能しないと外部環境に影響されやすくなる」と先生は指摘します。例えば、熱中症になりやすい人は冷え性であることが多く、体温調節機能が適切に働いていない可能性があります。そのため、熱刺激を適度に取り入れることが自律神経を整え、冷え改善につながるといいます。

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2025年02月17日

冷えを感じる人が増加中

今週のゲストは、神奈川歯科大学大学院 統合医療教育センター センター長特任教授の川嶋朗さんです。

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川嶋先生は、1957年東京生まれ、北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学に入局。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院などを経て、2022年より現職につき、近代西洋医学と補完代替医療を統合した医療を実践されていらっしゃいます。また、体の冷えに関する著書も多数あり、"温活"を世に広めた、冷え治療の第一人者でいらっしゃいます。

川島先生によると、日本人の体温は昔に比べて低下しているということ。
昭和32年のデータでは36.9℃でしたが、現在は低下傾向です。その原因を探るため、約15年前に女性900人を対象に調査したところ、若い世代ほど「冷え」を感じる割合が高いことがわかりました。本来、体温を作る基礎代謝が高い思春期の若者が、年配の世代より冷えを訴えるのは不思議な現象です。

この現状を川島先生は現代文明との関わりで解釈しているということ。
「昭和32年、僕が生まれた歳なんですけど、家庭に電気冷蔵庫はなく、冷たいものを口にする機会は少なかった。また、学校には冷房が無く、今のように体を冷やすということもない、さらに、エスカレーターやエレベーターが普及したことで運動量が減りますよね。熱を上げるために一番大事な基礎代謝を上げるのに重要なのが筋肉なんですよ。」
加えて、ストレス耐性の低下も要因の一つといいます。

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2025年02月12日

『玉川上水の生物多様性調査を東京都に要望する署名活動』

リーさん現在は『玉川上水の生物多様性調査を東京都に要望する署名活動』を行っています。

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実は玉川上水にも関わりがある道路計画が、60年以上前からありました。
ずっと進んでいなかったこちらの計画ですが、ついに土壌調査が行われたということ。

リーさんたちは「いよいよ道路計画が進むのではないか」と危機感を覚え、この署名活動を立ち上げられたということ。

「道路反対ということを掲げるのではなくて、この玉川上水の生態系があまりにも素晴らしくて、ここをに道路をつくるということはとても影響が大きいのではないかと思いまして。
そうすることには東京都にとっても大きな損失なんじゃないかって。」

道路の調査ではなく、生物多様性地域戦略にのっとった調査をしてほしいと活動を行っています。

署名活動については、コチラのHPから。

署名についての詳細は、ちむくいのHPを是非ごらんください。

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2025年02月11日

玉川上水の自然を作ったのは...?

今週のゲストは、ちいさな虫や草やいきものたちを支える会、「ちむくい」代表のリー智子さんです。

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リーさんが代表をつとめている「ちいさな虫や草やいきものたちを支える会」
もともとは、影絵をやるために作られた会でしたが、そのうちに玉川上水には私たちの知らない世界があるのではないか?と考え、観察会を何度も開催するようになっていきました。

「生き物ってなるべく人に見つからないようにして暮らしているので、なるほど普通に散歩してたら見えないんですよね。 それと膨大な生き物は小さいので見えないですまず、はい。 見ようとして、あの草の間から見つけて顕微鏡とか、虫眼鏡で見ないと見えないっていうレベルです」

玉川上水は、多摩川の羽村から東京 四谷大木戸まで、43キロあります。
そしてこちらもともと人工的に作られた上水道!

自然豊かな玉川上水ですが、もともとは江戸市中の水不足への対策として作られたものでした。また、"落ち葉が入ると水が汚れる"と考えられていたそうで、木は植わっていなかったということ。

ですが時代の中で"玉川上水に水を通す必要が無いのでは?"となり、一時は空堀だった時代も。その後1986年に改めて水が流れるようになったという歴史があります。

リーさんは空堀で、あまりケアされていなかったタイミングに自然が育まれたのではないかと考えています。

「生き物たち自身が、種を飛ばしたりとか、小さな蟻が種を運んだりとかしながら自分たちが住み良いように作ったんじゃないかと、私は考えています。

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2025年02月10日

海外への憧れ!

今週のゲストは、ちいさな虫や草やいきものたちを支える会、「ちむくい」代表の
リー智子さんです。

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リーさんは、1961年北九州市・小倉生まれ。武蔵野美術大学 彫刻科を卒業後、
国内外の石彫シンポジウムに参加。世界の環境に不安を持ち、活動をスタートされ、
玉川上水を舞台に、生命の歴史を歩いて体感するプロジェクト「玉川上水46億年を
歩く」を主宰。生物多様性を知ってもらうための観察会などを企画するなど、環境問題に関する活動に尽力されています。

リーさんは幼い頃から海外に対する憧れの気持ちが強かったそうで、高校生の時には初めて、アメリカ ウィスコンシン州へ留学に行ったそう。

「多分きっかけとしてはテレビとか映画で日本とは全く違う世界があるわけじゃないですか、大きな冷蔵庫や、車にバンバン乗ったり。1960年代だと、日本人にとってまずは、アメリカが海外じゃないですか。アメリカに行きたいなって思って」

そこから一転、モノがあふれる大量生産・大量消費のアメリカから
何もないところに行きたい!と思い立ち、インドへ。
高校卒業後は、兄に誘われ、美術大学へ進学したリーさん。お兄さんと共に、石彫シンポジウムを企画していたという経験から、行ったことのあったインドを連想したそう。

「色々なところに行きましたけどね。物が溢れすぎていて、生活の中で本当に大事なことが見えなくなっているんじゃないかと思って。物がない世界と言えば、、、インドかな、という本当に単純な考えで(笑)」

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2025年02月06日

子供たちが大人になったときに自然と楽しく暮らせる社会を作ろう

今週のゲストは、動物かんきょう会議プロジェクト 主宰、イアン筒井さんです。

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筒井さんは1月10日に国連大学で開催されたSDGsに関するシンポジウムに参加されたということ、その時のお話をお伺いしました。

チリツィ・マルワラ学長による基調講演では、昨年9月の国連未来サミットでの世界のSDGs達成率が17%に留まっていることが明らかになり、
2030年以降もSDGsは継続されるとのこと。「人類はSDGsから逃れることはできない」と強調され、今後の議論が重要であるということが話されました。

特に、デジタルサービスの平等な利用と未来の世代への教育が重要なキーワードとして挙げられたそうで、、
筒井さんは、現代社会において「自分さえよければいい」と考える大人たちの傾向が問題であるとしたうえで、
西洋的な人間中心主義の限界に達していると感じていると仰っていました。
またSDGs自体が、1から17と沢山目標があることが、わかりにくさを助長しているとして
「子供たちが大人になったときに自然と楽しく暮らせる社会を作ろう」という一つの目標に絞ることが重要だとおっしゃっていました。

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2025年02月05日

『動物に聞いてみた。アニマルSDGs』

今週のゲストは、動物かんきょう会議プロジェクト 主宰、イアン筒井さんです。

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ヌールエデザイン総合研究所から昨年発売された『動物に聞いてみた。アニマルSDGs』は、筒井さんと益田文和さんによる共著で、これまでの活動の集大成といえる一冊です。

「これまで『気づく』ことをテーマにしてきましたが、それだけではもうだめだと。人間は持続可能な世界を作れてこなかった。だからこそ、すでに持続可能な生態系を生きる動物たちにその方法を学ぼうと考えました。」

この本の始まりは共著の益田文和先生との出会い。筒井さんのプロジェクトが2017年に第11回キッズデザイン賞、消費者担当大臣賞を受賞した際、益田先生が「未来の可能性は次世代の子供たちにある」と発言されたことがきっかけとなったそう。

SDGsに新たに「18番目の目標」を提案し、これまで小学校高学年を対象としていた動物会議の取り組みを、より広い世代へ伝えることを目的としています。

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2025年02月04日

動物かんきょう会議 ワークショップ

今週のゲストは、動物かんきょう会議プロジェクト 主宰、イアン筒井さんです。

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筒井さんの企画する、「動物かんきょう会議」は1997年の地球温暖化防止京都会議を機に発案されて以降、本やアニメのシリーズとして発展し、日本語版だけでなく韓国語版や台湾版も展開。2010年には名古屋での生物多様性会議にあわせてNHKで、日本と中国の共同製作でアニメが放映され、子供たちに広く世界観を伝えてきました。

また2015年には絵本やアニメを超えて、ワークショップが作られました。

ワークショップは2日間にわたり、初日は「人間から動物へ変身」するプロセスを体験し、自分自身の動物キャラクターを作成。動物の視点に立ってストーリーを考え、動物として人間に伝えたいことを発表します。
そして後半の会議では、動物の困りごとを解決するアイデアを発表し合うそう。
「デザイナーがクライアントに提案するように、子供たちは動物をクライアントとして捉え、より良い環境のための解決策を考えます。」

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2025年02月03日

動物の視点で考える会議

今週のゲストは、動物かんきょう会議プロジェクト 主宰、イアン筒井さんです。

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筒井さんは、1965年東京生まれ。本田技術研究所を経て、
1995年ヌールエデザイン総合研究所を創立。1997年の地球温暖化防止京都会議(COP3)をきっかけに、オリジナルコンテンツ『動物かんきょう会議』を発案し
総合プロデュースをされていらっしゃいます。

『動物かんきょう会議』の始まりは1997年の京都会議。
せっかく京都で国際会議があるのだから、面白い企画が無いかという募集があったということ。

「人間同士の会議では国々の利害関係に終始するので、いっそ動物の視点で考えたらどうかと思ったんです。」

2015年に国連で採択されたSDGsは17の目標で構成されていますが、筒井さんは18番目のゴールがあると考えており、『どうぶつに聞いてみた──アニマル SDGs』という本を出版されています。

「動物目線になった方がいい案が出るんじゃないかなって。どうしても僕たちは、人間目線・自分目線でしか物事を見れないじゃないですか。人間の豊かさのために環境破壊や動物駆除を"仕方がない"と考えてしまったり。でも、動物の視点に立つと、それがどれだけ理不尽なことかわかるんです。」

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