2018年06月03日
J-WAVE SELECTION PIXUS TALK ABOUT PHOTOGRAPHY 〜TAKAYUKI MAEKAWA creation:〜
自然がいいと思った。
自然と関わって生きてゆけば、何かが分かると思った。
目の前に移りゆく大自然の流れに身を投じながら、
この心動かされる想いをどうにかしたい衝動にかられた。
そう語るのは、動物写真家、前川貴行さん。
今週のJ-WAVE SELECTIONは、陸海空のそれぞれのフィールドで
個性豊かに生きる動物たちを、約20年にわたり追い求めた前川貴行さんの
集大成ともいえる写真展「creation:」と連動。
写真/カメラの愛好家でもある俳優の市原隼人さんをギャラリーに招き、
展示された写真を前熱く語らいました。
市原:鹿ですか?この猟の写真もすごいですね。
リアルで生活感も感じて引き込まれます。どんな感覚でしたか?
前川:トナカイ(カリブ−)ですね。猟に同行させてもらったんですが、
肉も毛皮も現地の方にとっては大切な生活の糧なので
一生懸命写真を撮るしかないなって思ってましたね。
市原:僕もカメラを常に持ち歩いて、一日に何千枚も撮ったりするんです。
なんであの一瞬、このひとコマを切りとらなかったんだ!っと、後悔しないようにと。
ある日、道にネズミの死骸があって、いままでだったら素通りしてたと思うんですが、
何故か、生命力や美しさやストーリーを感じて30分間夢中で写真を撮ってたんです。
カメラをはじめて、生活感や価値観がかわって来た?って感じるんですが、
そういうことってありますか?
前川:写真を撮ってると、どんどんその先の出来事や、
その先の世界を知ろうとするからだと思いますね。
市原:撮影してると、危ない!って思うようなこともあるんじゃないですか?
前川:よくありますね。
ジャングルで4mくらい離れたところから雄のマウンテンゴリラを撮っていたら
50cmくらい目の前に、子連れのお母さんゴリラが急に出てきたんです。
あ、チャンスだ!っと思ってシャッターを4回切ったら、
腕を掴まれて・・・やばい!っと思ったまま
何秒か目が合った状態で沈黙があったんですが、カメラをそっと下ろすと、
手をパッと離してくれたので、後ずさりして、撮影を続けたんです。
その時「ちょっとあんた、近すぎるよ!」って言われてるように感じたんです。
市原:写真家の原点ですね!前川さんは、感じる力が強いんですよね。
市原:これはすごいですね!
しっかりこっち向いてますね・・・どのくらいの距離ですか?
前川:7〜8mくらいですね。
プリントが大きいから細部まで見えてきますね。
市原:いま紙媒体がどんどん無くなっている時代で、
スマホやネットだと、赤みが違う!とか、
自分が提供したい写真がどんな色で見られているかわからないですよね・・・
前川:ですね。こうして、プリントにしてみると、
画面で見るデータと味わいが違いますよね。
市原さんは撮った写真はどうしてるんですか?
市原:家でプリントしてます。何度も色味を調整したりして。
お気に入りの写真は額装してどんどん部屋に飾って増やしてます。
前川:俳優という職業で、写真にも熱中されていて、
表現者としての共通点もあると思うのですが、写真展をやったことは?
市原:無いんです。いつかやりたいです。
物語が見えたり、感情が沸いてくるような写真が
もっともっと撮れたらやってみたいです。
僕の写真が、誰かの経験になったり、
人の人生の中で楽しみや観点が増えたらいいなって。
前川:近々、個展を楽しみにしてます!
市原;いま、前川さんは、写真家としての人生、何パーセントくらいですか?
前川:ちょうど半分くらいじゃないですかね?年齢的にも感覚的にも・・・。
でも、上を目指すという観点からは、まだまだこれからって感じですかね・・・
写真展「creation:」は、キヤノンギャラリー銀座で〜6月6日水曜日まで開催中です。
その後、キヤノンギャラリー名古屋、キヤノンギャラリー大阪と巡回します。
キヤノンギャラリー銀座 2018年5月31日(木)〜6月6日(水)
キヤノンギャラリー名古屋 2018年6月21日(木)〜6月27日(水)
キヤノンギャラリー大阪 2018年7月12日(木)〜7月18日(水)
写真家・前川貴行、俳優・市原隼人
異なる世界で表現を追求する二人にとって、写真とは何か・・・?
その道のりは果てしなく続いていきます。