今回のポッドキャスティングは、
12月25日から12月28日放送分、
株式会社 紀文食品・顧問 山本真砂美さん
2017年12月28日
【Podcasting 第562回 】山本真砂美さん
2017年12月28日
日本人なら知っておきたい、和食の定義とは?
今週は、株式会社 紀文食品・顧問 山本真砂美さんをお迎えしています。
山本さんは、お正月ニッポンプロジェクト事務局、
そして和食文化国民会議・全国「和食」
連絡会議副議長を務めていらっしゃいます。
お正月ニッポンプロジェクとは?
山本さん「お正月ニッポンプロジェクトは、
“日本人のしきたり(青春出版社)”を書かれた
飯倉晴武先生が発起人となっていて、
私どもがお正月の行事そのもののいわれや文化を
保護継承していこうということがきっかけになっています。
そういった、いわれを継承していくためには、
世の中の皆さんにも 関心を持ってもらうことが大事ということで
“お正月ニッポンプロジェクト”が立ち上がりました。」
山本さん「和食文化国民会議は、和食文化が
無形文化遺産登録されたときをきっかけに
熊倉功夫さん(現 名誉会長)が発起人となって
作られた一般社団法人です。 ユネスコの無形文化遺産は、
審査もあります。 そのために、どんな普及活動をしているかとか、
商業的に無形文化遺産登録が使われていないことを証明するとかですね、
そういう機能を持っているための”和食文化国民会議”というところです。
では、和食の定義とは?
山本さん「例えば、ラーメンは和食なの?
とよくご質問を頂くんですけど、やはり日本人が
海外から受け継いで来たものもあるんですね。
例えば、”とんかつ”… カツレツが変わったとか、
いろんなものがそういう形になっているので、
これが和食だと料理で表現するものではないと考えていて、
「和食の心とかたち」というように定義しています。
日本の四季や自然を生かしたものであること、
日本の伝統的な食材を上手に使っていること、
健康にも良いこと、地域色、行事色が残っている、
例えば正月行事では、祝い箸など周りにある物も
含めまして和食文化としていて、
それらを保護継承していこうと定義付けをしています。」
和食文化の継承、、私たちも大切にしていきたいですね。
「みなさん、おせち料理を作って、鯛入りのかまぼこを食べて
良いお正月をお迎えください」小黒
今夜の選曲:WHAT A WONDERFUL WORLD / LOUIS ARMSTRONG
2017年12月27日
地域代表のお雑煮 インスタ映えの”飾り切り”
今週は、株式会社 紀文食品・顧問 山本真砂美さんをお迎えしています。
お正月料理といえば、”お雑煮”がありますが、
地域のよって随分違うものですね。
山本さん「京都は白味噌仕立てのお雑煮ですね。
東はやはり醤油仕立てのすまし汁、
具材はそれぞれ地域によってみんな違います。
(お雑煮が)1番地域性のあるおせち料理だと思います。」
北海道のお料理の先生に教えていただいたなかには、
すまし汁に、丸餅、いくら、鶏肉、鮭まで入っているという、
豪華なお雑煮もあるそうです。
今年は、インスタ映えなんていうことも
考えていらっしゃるかと思いますが。
山本さん「流行語大賞に“インスタ映え”がなってますけど、
紀文でも、それを意識しまして今までもやっていたのですが、
かもぼこの飾り切りを動画で、手順を提供したり、
新婚さんを集めてやっている料理教室でも
インスタ映えするおせち料理の盛り方とか、
お重詰めの仕方などを教えています。」
ーインスタ映えの”飾り切り” ー
ところで、“かまぼこ”を切る厚さ…
1番美しい厚さというのはあるのでしょうか?
山本さん「はい ”12mm” です。決まっています。
初めておせち料理を作るような新婚さん用の
商品の中には、”切れているかまぼこ”がありまして、
これは12mmに切られています。 コンビニエンスさんの
重詰めに入っている かまぼこも、ほとんどが12mmです。」
かまぼこのプロが導き出した12mm。
食感、かむ回数、口に広がる風味など
あらゆる角度から検証されたとのことでした。
今夜の選曲:JEEPERS CREEPERS / LOUIS ARMSTRONG
2017年12月26日
全国調査にみる”おせち料理”の現状とは?
今週は、株式会社 紀文食品・顧問 山本真砂美さんをお迎えしています。
おせちに関する全国調査をされたそうですが、
どういった調査を?
山本さん「この調査は2010年から始めています。
それ以前、1970年代から始めた首都圏だけの
調査がありますが、やはりお正月料理には
地域色があるので、首都圏だけの調査で全てを
語ることはできないということで、2010年から
全国47都道府県、1都道府県100サンプル以上、
7000サンプルでの調査を行なっております。
その結果、いちばん分かったのは、
若い人は、あまりおせち料理を用意していない。
全体でいうと7000サンプルのうちの約55%近い人が
おせち料理を用意しています。おせち料理を用意しないと
言っている人たちでも、その半数にあたる22%ぐらいの方は
実家で食べているので、基本的には、
おせち料理を食べた人は7割を越えています。
おせち料理離れがあるとはいっても、
食べない方はほんのわずかですね」
おせち料理を”作る人”もまだいるのでしょうか?
山本さん「物によって違いますが、
伊達巻だと、11%ぐらい手作りされている方がいます。
はんぺんを買って、卵とミキサーにかけて、
フライパンで焼いてとか。 黒豆とか、栗きんとんですと、
まだ3割4割は作られている方がいます。
煮しめは、いちばん作っていただけているかと。
なんといっても、お雑煮はメーカーでは提供できないので
家庭の味、地方の味が残っている代表的なものとなります。」
今夜の選曲:BLUEBERRY HILL / LOUIS ARMSTRONG
2017年12月25日
日本人なら知っておきたい、おせち料理の歴史
今週は、株式会社 紀文食品・顧問 山本真砂美さんをお迎えしています。
紀文食品は、蒲鉾、はんぺんといった水産の
練り製品の食品メーカーですが、創業何年に?
山本さん「来年で満80年になります。
先代は丁稚奉公から事業を始めまして、
八丁堀で米屋さんを始めたり、築地で海産物問屋とか
をやりまして、ご縁があって練り製品の事業に
参画する形になります。」
練り製品は日本人から見たら、かまぼこ、
はんぺん、ちくわなど… 馴染みの深いものばかりですが、
これらは随分昔から食べられたいのでしょうか?
山本さん「平安時代からだと言われていまして、
1115年、この時の練り製品はナマズのすり身を
使って、ガマの穂のように棒にすり身を握りつけてあって
今でいう’ちくわ’のようなものの原型だったと言われいます。
それがガマの穂に似ているので、”がまほこ”…”かまぼこ”
という名称になったと伝えられています。
山本さんは2003年から、紀文食品のお正月担当
ということで、お正月に向けて毎年新商品などを
出されるのですか?
山本さん「毎回考えます。おせち料理自体は
あまり変わるものではないんですけど、やはり
流通さんは新しいものをお求めになるので、
毎年出しています。1度失敗作になるのですが、
“温めるおせち”っていうのを出したことがあります。
ある方の一言で、「おせち料理ってなんで冷たいの?」、
「普段温かいもの食べているのに温かいものないの
おかしいよね」って言われて真剣に温めるおせちっていう
のを作ったんですけど、あまり売れずに2年でダメに
なりました。やはり温めて美味しいっていうと
焼き魚とか限られたものなのに、おせちっていうと
イメージとしてかまぼことか、伊達巻とか、栗金団とか、
黒豆とかで、それらを温めて食べる黒豆とか伊達巻とか
栗金団にして作ったので、やっぱりそれがちょっと
遠かったってことですかね。」
おせち料理の歴史もかまぼこ同様に
平安時代からなのでしょうか?
山本さん「おせち料理はですね、一般化するのは
していったのは江戸時代だと言われています。
江戸時代の中期から後期にかけて庶民の間で広がって
いったと言われていまして、もともとはお正月に
お迎えする年神様ためのお供え物から始まっています。
お酒やお米やお餅、プラスその地域で取れる産物が
お供えされてそれを下ろして、家族で食べるってことに
なります。1番最初のおせちはお餅を入れた雑煮と
言われています。」
今夜の選曲:HELLO,DOLLY! / LOUIS ARMSTRONG
2017年12月21日
2017年12月21日
【Podcasting 第561回 】田中輝美さん
今回のポッドキャスティングは、
12月18日から12月21日放送分、
ローカルジャーナリストの田中輝美さん
2017年12月21日
初めて島根行くならココ! 石見銀山遺跡の麓町”大森町”の魅力とは?
今週は、ローカルジャーナリストの田中輝美さんをお迎えしています。
田中さんのローカルジャーナリストとして
ご活躍中で、著書に「ローカル鉄道という希望」
というものがあります。以前から鉄道好き?
田中さん「本当に鉄道は大好きで、JR線は
全路線乗りました! ただ私は鉄道好きでは
あるのですが、その前にローカルジャーナリストと
として出発しているのでそこはシビアにですね、
実際に現場を歩いて取材をしています。
実際に現場を歩いていますと、地域の役に立っている
ローカル鉄道がたくさんありまして、
移動手段をを越えた地域振興の路線がありまして、
その事例を本の中では紹介しています。
例えば、九州地方になります、肥薩おれんじ鉄道という
鉄道がありまして、そこでは日本で初めてレストラン列車
というものを始めたんですね。提供するものも
地元産の野菜を使いまして、コーヒー以外は全て
地元産ですと胸張っておられていまして、地域の食材を
使いまして、地域ののシェフがプロデュースした料理を
味わうっていうことができます。」
初めて島根に行くならココ!
という場所はありますか?
田中さん「世界遺産にもなっているんですが、
石見銀山遺跡というものがありまして、
その麓の町が大森町と言いまして、そこは
江戸時代の街並みが残りながら人々が暮らしている
というので有名なところです。一時期は観光客が
押し寄せたんですが、今は半減しています。
でも地元の人はそれで良いと言っています。
観光客が多くきてしますと、人も多いし、ゴミも
多しで… それよりも自分たちの暮らしを街並みを
残して暮らしたいと。なので観光客の人が
来てもらいながらも自分たちの生活が送れる今ぐらい
サイズがちょうど良いんだって言っておられて
そこは人口減少時代の一つの象徴というか、
なんでも増やしてなんでも多ければ良いっていう
ものではなくて、自分たちの暮らしを守りながら
外の人とも付き合うっていう一つのモデルを
提示しているなと思いました。」
今夜の選曲:MOHICAN(VU JA DE VER.) / 細野晴臣
2017年12月20日
地域の素晴らしさを発見するには、”よそ者”の力が重要?!
今週は、ローカルジャーナリストの田中輝美さんをお迎えしています。
先日、田中さんの新著『関係人口をつくる』が出版されました。
その中に、地方のお年寄りが自分の街に”誇り”を持てなく
なってきていると綴られていますが、これについて教えてください。
田中さん「ずっと人口が減ってくる中で、地方の人たちは
傷ついているっていうのを私も思っていまして、この地域に私も
住んで良かったと中々思えなくなってしまっていて、
何もなくてつまらない地域だと思い込んでしまったり、
思い込ませれている節があります。」
地域の人々に“誇り”を持ってもらうにはどうしていけば?
田中さん「ひとつは関係人口にも関係してくるんですが、
“よそ者”の力ですね。人が出て行ってしまうことが
当たり前になってしまっている人たちに「俺たちの
地域素晴らしい!」っていうのは難しいですが、
“よそ者”、外のたちがやってきて、「この地域はこんなに
水が美味しいじゃないですか!」とか「景色綺麗じゃない
ですか!」って新しく発見して伝えてくれることで、
地域の人がそうだなと再発見してもらうって効果が
大きくてですね、”よそ者”は新鮮な感動を伝えてくれるので、
これからは”よそ者”が大事になってくる。”よそ者”を積極的に
取り込める地域が元気になってくるのかなと思います。」
今夜の選曲:NEKO BOOGIE(VU JA DE VER.) / 細野晴臣
2017年12月19日
島根県との関わりを考える団体 ”しまコトアカデミー”
今週は、ローカルジャーナリストの田中輝美さんをお迎えしています。
島根県との関わりを考える団体 ”しまコトアカデミー”
このセミナーには田中さんも関わっていらっしゃいますが、
これについて教えてください。
田中さん「この”しまコトアカデミー” の講座には
毎期、参加しています。島根出身者以外にも地域に
関心があって地域のことが学びたいっていう方が
来ている印象です。
例えば農水省のキャリアの官僚の方が島根出身で
受けていまして、昔から故郷に関わりたかったんだけど
中々関わるきっかけがなかったんだけど、この講座で
島根で活動している農業の人と知り合うことができたと。
政策作ることもいいんだけど、プレイヤーとしても
1つ農業に関わりたいってことでUターンで故郷に
帰って来た人もいますし、あとは東大の学生で故郷が
あまり好きじゃなかったけど、故郷に対して自分なりの
関わり方を見つけたいってことで旅と間の移住研究会って
いうのを立ち上げて活動していたりしています。
自分と地域の関わりをこの講座を通して、みんなそれぞれ
見つけて自分なりに活動していくって方が多いですね。」
今夜の選曲: 天気雨にハミングを / 細野晴臣
2017年12月18日
新たな地域との関わり方を考えるその活動について?
今週は、ローカルジャーナリストの田中輝美さんをお迎えしています。
田中さんの肩書でもある、
“ローカルジャーナリスト”とはなんなのでしょう?
田中さん「私自身がこの肩書きを作りまして、
自分で名乗っているので日本で1人です(笑)
地方で暮らしながらその地方のことを外に向けて
発信するという定義づけして活動しています。
地方の中に情報届けるもの地方新聞などとがあるので、
逆に地方外に向けて発信していくものがほとんど
なかったので地方に暮らしながら、地方の情報を
東京や全国に発信していきたいということです。
先日、田中さんの新著『関係人口をつくる』が出版されました。
その中に、”関係人口”という言葉が出てきますが、
この”関係人口”というのは?
田中さん「この言葉は、最初ソトコト編集長の指出さんや、
東北食べる通信の高橋さんが言い出された言葉で、
一言言いますと、観光以上定住未満とも言いまして、
地域に住んでいないけど、地域に関わって応援したい、
地域からしますと”外に住んでいる仲間”という言い方もしますが、
観光んよりももうちょっと関わりたい、
でも定住はしない人のことを言います。
この本を作るときに誰に向けて書くかということを
考えたときに、もちろん都会の人に”自分も関わっていんだ”
と思って欲しいというのもあったんですが、1番は地域に
住んでいる人に、都会には関わりたいって言っている人が
たくさんいるから一緒に新しい関わり方をして
楽しくやっていこうよっていうことを1番言いたくて書きました。
今夜の選曲:悲しみのラッキースター(VU JA DE VER.) / 細野晴臣
2017年12月14日
2017年12月14日
2017年12月14日
新著「動的平衡3」についてと、自身の研究について
今週は、生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。
「動的平衡」の理論のもと「生命とは何か」
という問いを追究し続けていらっしゃいますが、
福岡さんの研究分野は今年いかがだったのでしょうか?
福岡さん「私の生命論の定義は動的平衡ということで、
それを理論的に考える理論生物学者みたいな感じのを
目指しています。昔はネズミを殺したり細胞をすり潰したり
する実験をしていたんですけど、物理みたいに理論物理学者が
重力波を予言して、100年後に物理学者がそれを
立証するっていうのが、本当の学問のあり方だと思っているので
私は理論生物学者を目指して理論を今まで出してきたんですね。
動的平衡っていうは私のコンセプトの中心なので、
どこか地球の38億年の生命史の最初に偶然ながら動的平衡が
成り立ったんです。動的平衡っていうのは壊しながら
回していくサイクルが成り立っているということなので
そういうことが海底火山の中で物質を壊しながら、
作り変えられるっていうのが生命の起源なんです。
先日新著「動的平衡3」が刊行されました。
福岡さん「動的平衡っていうのは生命論だけじゃなくて
会社組織とか、社会とかスポーツとか組織論に
色々使えて、その辺の本屋さんに売っているような
ハウツー本ではなくて、もっと生命に学んだ組織論として
動的平衡を考えようっているのが「動的平衡3」になっています。
それから、私のライフワークともなっていますが、
フェルメールの研究がありまして、実は2017年は
日本であまり話題になりませんでしたけど、
世界的には一大フェルメールフィーバーが巻き起こって
いたんですね。それはパリのルーブル美術館を皮切りに
大フェルメール展が世界を巡回して年末にはアメリカの
ワシントンで開催されたんですね。37枚しかない12枚が
結集しました。多少内容が変わるとも聞きましたが、
日本もやってくる予定でして2018年秋に来るみたいです。」
2017年12月13日
毎年恒例! 福岡伸一が選ぶ「今年の1冊」とは?
今週は、生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。
福岡さんには毎年「今年の1冊」を
選んで頂いておりますが今年は?
福岡さん「今年読んだ本で面白いなと思ったのは
「サピエンス全史」っていう本なんですが、
人間がいかにしてホモ・サピエンスが、
ホモ・サピエンスたりえたかっていう、非常に
長いスパンの歴史を書いた本なんですが、時々
そういう本がブームになるんです。
ジャレドダイアモンドの「銃・病原菌」っていう本が
何年か前に流行りましたけれども、結局世界を
フィクションとして考えることができたので
サピエンスはセピエンスたりえた。国家とか
貨幣とか経済と家族制度とかそういうものは
全部虚構だっていう話なんですね」
今夜の選曲:MORE THAN I CAN SAY / 細野晴臣
2017年12月12日
ノーベル文学賞、カズオ・イシグロさんについて
今週は、生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。
福岡さんは過去に2回、
番組出演された際今読むべき本として、
カズオ・イシグロ作品をあげておられましたが、
この度、カズオ・イシグロさんが
ノーベル文学賞を取られました。
福岡さん「私は村上春樹よりカズオ・イシグロさんが
先に取るんじゃないかと予言していたんですよ。
これもまたカズオ・イシグロさんとの対談によって
深まったことなんですが、その時のことは
「動的平衡ダイアローグ」という本に書かれているんですね。
それで今回の受賞を受けた途端、
メディア各社がその本を見つけてですね、
カズオ・イシグロさんについて語ってください
という連絡がじゃんじゃん来たんですね。
カズオ・イシグロの本質は、人間が持っている「記憶」というのが
どれだけ大事なものでその人を支え、あるいは励まし、
ある時は裏切り、変容していくかっていうのを滔々と
語ったんですけど… 記者の皆さんみんな実は
あんまり本を読んでいないんですね。
もっと面白い話はないですか?って言われちゃったもの
だからカズオ・イシグロさんとお昼にお寿司を
食べたんですよ。寿司桶に綺麗に特上握り寿しを2人前
とってもらって食べ始めたら、イシグロさんはネタを
外したり、シャリを分けたりしてちらし寿司みたいに
して食べ始めたので、「あ〜カズオ・イシグロはもはや
日本人ではなくなっちゃっているんだな」っていうことを
チラッと言ったらですね、それが翌日の新聞はみんな
そこだけを使っているんですね… みなさんちゃんと
カズオ・イシグロを読みましょう! と思いました。」
今夜の選曲:SUSIE Q / 細野晴臣
2017年12月11日
今年1年の活動は?
今週は、生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。
今年1年の振り返って如何でしたか?
福岡さん「いろんな人との対話によって
思索というか思考が深まった感じがします。
春先には、音楽家の坂本隆一さんと集中的に会話を
しました。彼はテクノポップやデジタルな音楽から
出発しているんですが、長い年月をかけて
見えてきたのは、ノイズとか再現できない音みたいな
ものがいいんじゃないか思ってきたそうです。
それは私がちょうど生物学を目指し続けていて
分子生物学のようなデジタルな生物学から、
動的平衡っていうコンセプトに変わっていった
プロセスと非常に似ていてですね、
そういうことを語り合いました。
あとは夏ぐらいには、西田幾多郎っていう京都大学の
哲学の先生がいらっしゃるんですけど、
その弟子の池田善昭先生という方と対談しまして、
だいぶ前に私が言ってた、「動的平衡、すべては流れていく」って
いうのは、西田幾多郎が言っていた哲学と似ていると
おしゃって頂いてですね、それで対話を重ねてですね、
西田哲学の根底に流れている伏流水は非常に難しい
言葉なんですけど、この世の中には相反することが
同時に存在していて何もないように見えてもある。
あるいは、矛盾しているようだけど互いに招会いながら
作用しているっているが西田哲学のCoreであって
私のやっている動的平衡と同じで結局生命とは何か?
っていうのを、哲学者 西田幾多郎と生物学者 福岡伸一が
同じようなところを目指していたっているのがわかったんですね。
今夜の選曲:TUTTI FRUTTI / 細野晴臣
2017年12月07日
2017年12月07日
【Podcasting 第559回 】岡勇樹さん
今回のポッドキャスティングは、
12月4日から12月7日放送分、
NPO法人Ubdobe 代表理事 岡勇樹さん
2017年12月07日
ユニバーサルデザイン商品を扱うセレクトショップ「HALU」について。
今週は、NPO法人Ubdobe 代表理事 岡勇樹さんをお迎えしています。
Ubdobe が運営しているセレクトショップ 「HALU」。
ここでは、ユニバーサルデザイン商品や、
医療福祉情報のセレクトショップとのことですが、
このお店を立ち上げようとしたきっかけは?
岡さん「ユニバーサルデザインの商品なんですけど、
要は誰でも使いやすい、麻痺があったりとか障がいが
あったりとか、腕がない、目が見えないであっても
使いやすい商品として置いてあるのと、
福祉作業所っていうのが全国にあって、そこで作られている
おしゃれなものをセレクトして売っています。
あとは相談窓口もあって気軽に日常の中で医療福祉関係の
問題を専門職の人にすぐできるという場所を作りました。
1年前にお店として始めたんですけど、
ただ商品を仕入れて売るという商売が
中々厳しいのが現状で、そのお店でイベントを
やったりとかもしています。今はラジオブースも
作りましていろんなミュージシャンやアーティストとの
繋がりもあるのでその方たちの家族とかの
医療福祉体験だったり、自身が何年前に入院したとかいう
お話をラジオを通じてファンの方に医療福祉情報と
エンターテイメントを両方伝えるということをやっています。
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2017年12月06日
現在のUbdobeの活動と、今後のイベントについて。
今週は、NPO法人Ubdobe 代表理事 岡勇樹さんをお迎えしています。
岡さんが代表理事を務めるUbdobe。
全国に支部があったそうなのですが、
なんでも最近解散されたとか… それはどういった理由から?
岡さん「すごいタイムリーな話なんですが、11月1日に
全国の支部解散させたんですよ。元々は10個支部が
あったんですけど、北海道から沖縄まであったんですけど、
ふとしたら団体がすごい大きくなってきたんですね。
各支部でこういうことがしたいんですけど、
みたいな感じで許可制みたいな… 管理しなくちゃいけいない
感じになってきて、許可制になった瞬間に
めっちゃつまらないなこれと思ったんですね。何の為に
NPOという特殊なものを企業したのか考え直して、
それぞれの支部がもっとインディペンデントに
やっていかないと失速するし、本部があるからやれないっていうのは
本末転倒だなって思って、やりたいことをみんな自由に
やってみたいな感じで、自分もやりたいことやるからって…
別に決別ではなくて、解散をして仕切り直して自分たちで
勝手にやっていこうっていうのを始めたんですね。」
今後のイベントは?
岡さん「明日の12月7日から10日にかけて
島根県海士町というところでプロジェクトをやっていまして
海士町ツアーって言って現地にいけるツアーがあります。
それと12月16日には、福島のいわきで講演会をやらせて頂きます。
年明けの2月には、徳島県三好市ってところの山奥で
ツアーをまたやります。ツアーは医療福祉従事者の移住を
促すような、地域福祉に貢献しましょうっていうのをコンセプトに
したりですとか色々とやっています。」
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今夜の選曲:WATERMELON MAN / HERBIE HANCOCK
2017年12月05日
音楽療法の効果とは? 認知症の祖父との実体験について。
今週は、NPO法人Ubdobe 代表理事 岡勇樹さんをお迎えしています。
岡さんが音楽療法を学ばれたのがどういった
きっかけだったのでしょう?
岡さん「僕も知らなくてですね、僕のおじいちゃんが
認知症になったんですけど、そのおじいちゃんに
ある特定の音楽聞かせ続けたら記憶が戻ってきた体験が
あったので、もしかしたら音楽が認知症に作用している
のではないか? って思って調べたら音楽療法ってのがあったんです。
それで当時僕はサラリーマン3年目ぐらいだったので、
もうこれだ!って思って会社を辞めて、音楽療法が
学べる専門学校に入ったんです。」
認知症のおじいさんの記憶が戻ったという
体験談を詳しくお聞かせ頂けますか?
岡さん「じいちゃんはずっと映画が好きで、
アメリカにすごい憧れがあったんですよ。で当時
僕が住んでいたところは西海岸だったので、憧れを
持っていたじいちゃんが遊びにきた時に、
もう泣きながら、ゴールデンゲートブリッジみて
スコットマッケンジーの花のサンフランシスコを
聞いていたんですよ。で、その「花のサンフランシスコ」を
日本に帰ってきてから、日本語に訳してくれとじいちゃん
から頼まれまして、日本語に訳してあげたんですね。
それで何年もの間一緒に歌っていて、下手したら
10年ぐらい一緒に歌っていたんですね。
なので深い記憶に残っていたのかもしれないです。
それで記憶が戻ったっていうその時の反応なんですが、
うちのじいちゃんが本当に重度の認知症で自分のことも
わからなけば、その辺のコップを食べちゃうような
だいぶファンキーな認知症だったんですが、そのじいちゃんに
それこそ、フランクシナトラ聞かせてもプレスリー聞かせても
全く反応しないんですよ。でもスコットマッケンジーの
この曲を聴かせると段々首が乗り始めて口もパクパク
してくるんですね。なんというか目も段々瞳孔みたいのが
戻ってくる感じがしたんですね。で、1回だけ僕のことを
思い出すところまでいったんですよ。僕の兄と妹の名前を
呼んで、「今日は2人はいないのか?」と言ったんですね。
2人を認識しているってことは僕を認識しているという
ことだなと思いまして、その時すごい感動したんですよね。」
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今夜の選曲:SAN FRANCISCO(BE SURE TO WEAR SOME FLOWERS IN YOUR HAIR) / SCOTT MCKENZIE
2017年12月04日
福祉のイメージアップを図る、医療福祉エンターテイメントとは?
今週は、NPO法人Ubdobe 代表理事 岡勇樹さんをお迎えしています。
岡さんは2008年にUbdobeを立ち上げ 、
医療福祉とエンターテイメントを融合させたイベントを
数々手がけられています。
そもそも医療福祉エンターテイメントというのは?
岡さん「基本的には、音楽やアートっていうエンターテイメントを
医療福祉と掛け合わせて発信していくプロジェクトを行っています。
色々やっていて、まず1つ紹介すると「SOCiAL FUNK!」っていう
クラブイベントがあって例えば癌とか認知症とか臓器移植とか…
あまり身近ではない医療福祉のテーマをクラブイベントの
テーマとして設定してDJとかLIVEの間に、国立がんセンターの
先生が出てきたり、臓器移植ネットワークの方が出てきたり、
患者さん本人が出てきたり、働いている人が出てきたりするんです。
展示や映像で表現したりとかも色々やっているんですけど、
医療福祉系クラブイベントということでやっています。」
岡さん「あとは「デジリハ」というのがありまして、
それは子どものリハビリテーションとデジタルアートを
掛け合わせてリハビリ自体を楽しくしちゃおうっていう
プロジェクトや、行政からの受託事業でプロジェクトを
やったりもします。様々な都道府県から福祉の人材が
足りないのでそのイメージアップをあげるようなイベントですね。
活動としては本当に様々で、イベントもデザインもやるし、
地方創生の事業もやるし、あとはお店もやったりしています。」
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今夜の選曲:MONK'S DREAM / THELONIOUS MONK