2017年07月23日

7/23のゲスト:アート・リンゼイ

7月23日は、ブラジル音楽シーンでもプロデューサーとして活躍しているアメリカ人アーティスト、アート・リンゼイ(Arto Lindsay)をゲストにお迎えしました。

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アート・リンゼイは1953年、ニューヨークで生まれ、少年時代の15年間をブラジルの北東部で過ごしました。

70年代末、ニューヨークのアンダーグラウンドな音楽シーンで活動を始め、独創的なノイズギターをトレードマークにセンセーションを巻き起こしました。

その後、ブラジルの音楽も取り入れて独自の世界を追求し、プロデューサーとしても、カエターノ・ヴェローゾ、マリーザ・モンチなど、ブラジルのアーティストのアルバムを数多く手掛けています。

現在はブラジルのリオに生活の拠点を置き、6月にニューヨークとブラジルのミュージシャンを率いたバンドで来日公演を行ないました。

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アート・リンゼイは、ニューアルバム「Cuidado Madame(ケアフル・マダム)」で、アフリカからブラジルに伝わった宗教「カンドンブレ」の儀式で打楽器奏者が叩く「アタバキ」と呼ばれるパーカッションのリズム・アンサンブルを取り入れています。

「カンドンブレは、もともとアフリカのいくつかの異なる宗教がミックスしたものです。カンドンブレはカトリックと融合した、とも言われていますが、それは表面的な要素であり古い考え方だと思います。カンドンブレは、ブラジル独自の宗教なのです。

 私のアルバムに参加したアタバキ奏者、ガビ・ゲヂスは、以前からカンドンブレの音楽における重要人物でした。彼はインストゥルメンタルの音楽も、バイーアのポップスも演奏するミュージシャンで、つまり、様々な種類の音楽に適応できるのです。

 私は10年ぐらい前、バイーアのカーニヴァルで、アタバキの演奏を取り入れたパレードを行ないました。アタバキのリズムとエレクトロニックなサウンドをミックスしたプロジェクトで、メルヴィン・ギブス、モレーノ・ヴェローゾ、ガビ・ゲヂスなどが参加しました。

 私には一つのプランというか、望みがあります。それは、アタバキと日本の楽器、笙を組み合わせたプロジェクトです」。

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アート・リンゼイの最近のプロデュース作品の中で今、日本でも注目を集めているのが、サンパウロの作曲家、ロウレンソ・ヘベッチス(Lourenço Rebétez)のアルバム「オ・コルポ・ヂ・デントロ(O Corpo de Dentro)」。

ジャズのビッグバンドと、アートのアルバムにも参加したガビ・ゲヂスなど3人のアタバキ奏者が共演しています。

「ロウレンソは、バイーアのビッグバンド、オルケストラ・フンピレズの大ファンで、バイーアに滞在して、リーダーのレチエリス・レイチからアフロ・ブラジル音楽を学びました。私も、フンピレズの音楽に興味があるので、プロデュースしたのは自然な流れです。

 ロウレンソは優れた編曲家、作曲家で、自分自身の "声" を発展させ始めています。モアシール・サントスを越えるブラジリアン・ジャズを作るのは、難しいことですが、彼にはモアシールを継承して、新たな音楽を提示できる可能性があると思います。優れたジャズ・ギタリストでもあります。ブラジルに限らず、大人数のビッグバンドを維持するのは大変なことですが、さらにアルバムを発表していってほしいと思います」。

コメントのあと、手のひらをこすってリズムを取りながらアカペラで歌ってくれた曲は、ジョアン・ジルベルトのレパートリーでもあるサンバの古典「Preconceito(プレコンセイト=偏見)」でした。

アート・リンゼイの新作を中心とする特設サイトはP-Vine公式サイト内

アート・リンゼイがプロデュースしたロウレンソ・ヘベッチスの「オ・コルポ・ヂ・デントロ」特設サイトはディスクユニオン公式サイト内

staff| 17:50 | カテゴリー:GUEST


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