今夜は、写真家の竹沢うるまさんとクリス智子さんが、
銀座のキヤノンギャラリーで開催中の特別企画展『果ての、その先へ。』の会場で、
写真、旅、人生について語り合った模様、そして、竹沢うるまさんによる文章を、
内山昂輝さんのモノローグでお届けしました。
今までに世界140カ国以上を旅してきた竹沢さんにとって、大切なキーワード、
「旅情」。
「旅先の街中に漂う旅情みたいなものをパッケージ出来ないか?」と考えたとき、
ポルトガル語の“サウダージ”(郷愁)に「旅情」と重なる部分を感じた竹沢さんは、
5年ぶりにポルトガルを訪れ、10日間程の旅で7000枚もの写真を撮ったそうです。
「旅情」は客観ではなく主観であると捉える竹沢さん。
なにかの瞬間や風景に触れた時、自分の心の中に起きた反応こそが「旅情」。
それを写真に落とし込むことを意識し、
今回の企画展はテーマに合わせ、スナップ的な写真を中心に構成されています。
ふとした瞬間がパッケージされた写真たち。
「(見た人に)旅情みたいなものが伝播していく感じ、
それが今回の写真展の特徴なんじゃないかな」
特別企画展『果ての、その先へ。』は銀座キヤノンギャラリーで8月10日(木)まで。
その後は、名古屋、大阪、札幌と巡回します。
是非会場を訪れて、写真を見て貴方の中に生まれる旅情を感じてみてください。
そして二人のお話は、写真とカメラについて。
今回、竹沢さんと一緒に旅をしたカメラはCanon EOS 6D MarkII。
「写真家にとって、カメラは身体の一部であって欲しいんです」
新しく使うカメラも段々馴染んでくると、頭で考えなくても、
心の反応がカメラを通して写真に写るようになっていくのだそう。
そんな竹沢さんがこのEOS 6D MarkIIを使ってみて一番いいなと思ったのは、
フルサイズで機動力があること。
そしてその機動力の一番の特徴がバリアングル。
モニターが稼働式になっているので、ファインダーを覗かなくても、
高いアングルや低いアングルの撮影が可能で、ネコが多い港街ポルトガルでは、
ネコを見つける度にバリアングルで撮影されていたんだとか。
アングルの自由度が増すことで、自分の今までと違う視点の写真が生まれやすく、
更に35mmフルサイズで描写されることにより、非常に緻密で且つ躍動感がある
イメージで撮れると話されていた竹沢さん。
直感的に使えること、フルサイズの高画質は、今回の旅でも実感出来たようです。
また、この番組を聴いて頂いた皆さまにプレゼントがあります。
今回の特別企画展で展示中の写真も多数収められた、
竹沢うるまさんの最新の旅の報告書、特別版「旅情熱帯夜〈00〉-Portugal-」
を5名様にプレゼントします。
B4の大型版で、沢山の写真と竹沢さん手書きの日記を楽しめます。
ご希望の方は、この番組サイトにある「メッセージはこちらから」から
必要事項を記入の上、ご応募ください。
旅は人生だと、誰が言った
世界を旅して夢を発見した奴は、どこにいる
東の果てにあるという絶景を、誰が見た
西の果てにあるという桃源郷に、誰が辿りついた
地平線の先に、何がある
水平線の先に、何がある
旅がおまえに自由を与えるのか
自由がおまえに旅をあたえるのか
それは誰の言葉だ
それは誰の心だ
眠れぬ熱帯夜におまえは何を思い、何を願った
その旅路で、おまえは何を見た
ポルトガルの風は、おまえに何をささやいた
打ち寄せる波は、おまえに何を語りかけた
果ての岬に立ったその瞬間、そこに存在していた旅人は一体誰だ
それは、過去のおまえか
それとも未来のおまえか
過去と未来の違いは何だ
写真とは何だ
旅とは何だ
果てとは、限界なのか
果てとは、幻想なのか
それは終わりか
それとも始まりか
おまえはどこへ向かう
おまえとは誰だ
果てのその先で、おまえは何を見る
(語り:内山昂輝)