2020年04月30日
【Podcasting 第681回】齋藤恒さん
今回のポッドキャスティングは、
4月27日、28日、30日放送分、
有限会社盛光堂
代表取締役・齋藤恒さん。
今回のポッドキャスティングは、
4月27日、28日、30日放送分、
有限会社盛光堂
代表取締役・齋藤恒さん。
有限会社盛光堂
代表取締役・齋藤恒さんをお迎えしています。
小黒「齋藤さんのYoutube「日本刀の美」で共演されている
プロレスラーの前田日明さん、
例えば彼の場合は刀のどんなところが好きでコレクションしてるんですかね?」
齋藤「前田さんは備前の長船派の光忠という作者がとてもお気に入りで。
光忠の魅力というのは、乱れた…波紋ですね。
前田さんは乱れた、波のようにうねった波紋がお好きで、
その光忠を好きで、前田さんは集めていますね。」
小黒「日本刀と呼ばれているものは、鎌倉時代から始まったんですか?」
齋藤「聖徳太子なんかが差している直刀も、
日本刀にはなるんですけど、
われわ我々のいう日本刀というものは、
平安末期からになりますね」
小黒「お店で簡単にお金出して買うにしても、あれだけのものだから、
届け出さなきゃいけないんですか?」
齋藤「刀自身が登録されていて、登録されている
都道府県に登録者変更届を出す形になります」
小黒「今後、日本刀を世界へ広げたいという思いをどんな計画で展開なさろうとしていますか?」
齋藤「刀剣は、値段を背景にした美術品だけでなく、
その背景には様々な物語がありまして、
若い世代、世界の方に見ていただくと、
いろんな刀について発見があると思います。
動画コンテンツとリンクした、ウェブマガジンを用意しています。
どんどん発展させていきたいなって思っています。」
HUNGARIA / DJANGO REINHARDT
有限会社盛光堂
代表取締役・齋藤恒さんをお迎えしています。
日本刀のロハス的価値とは?
齋藤「伝統技術や刀や刀装具をみる心眼を、後世に伝えていきたいと思っています。
現代刀匠の方も250名ほどいらっしゃると聞いています。
日本の刀剣の技術は世界に誇れる技術だと思っています。」
小黒「齋藤さんが普及のために、Youtubeで見れるようにしてるじゃないですか。
その時に一番伝えたいポイント…普通の人は、どこから入れば興味を持てるようになりますかね?」
齋藤「今年1月から始めている日本刀の美、コチラをご覧いただけますと、すでに刀をわかってらっしゃる方じゃなく、これから興味を色んな方に持ってもらおうというコンセプトの元、基本的なことを発信していますので、初心者の方も理解しやすくなっていると思います。」
1月から始めて反響は?
「今まで初心者の方向けの番組がなかったので、こういう番組を待っていたと声もいただいています。また、海外の方からも英語版をとリクエストをいただいているので、そういうところにも発信していきたいと思います。」
今夜の選曲… REDEMPTION SONG / BOB MARLEY AND THE WAILERS
有限会社盛光堂
代表取締役・齋藤恒さんをお迎えしています。
小黒「この間メトロポリタン美術館の方がいらっしゃったと聴きましたが?」
齋藤「メトロポリタン美術館の武器武具の責任者の方がいらっしゃいまして、
たまたまその時に、当店で展示していた兜を気に入っていただいて
ご購入していただきました。
我々の分野では、刀剣、刀装具、武具・甲冑を取り扱いをしております。」
小黒「日本人って面白いと思うんですけど、元々刀は武器じゃないですか、それを工芸品に高めていくのは、日本民族以外ではどうなんですか?」
齋藤「西洋では西洋甲冑がものすごい高い評価を世界中でされています。」
小黒「今日お持ちいただいた雑誌はどちらの?」
齋藤「メトロポリタン美術館が2016年から2018年のうちに購入した作品をまとめておりまして、その中には私どもの店で購入していただいた、兜も掲載されています。」
今夜の選曲… I GOT RHYTHM / DJANGO REINHARDT
今回のポッドキャスティングは、
4月20日から4月23日放送分、
有限会社BACH代表の幅允孝さん。
有限会社BACH代表で、
ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えしています。
幅「3月に開館予定だったんですが、
大阪の中之島にこども本の森という、図書施設を作りまして。
建築家の安藤忠雄さんが自分で寄付を集めて、
それを大阪市に寄贈するということをしたんですよ。
安藤さん自身が本というものを学びながら、
学校ではなくて書物として学んできた自負があるので、
本を読んでもらいたいと
私がそこのクリエイティブディレクターとして、選書だったり、18000タイトル子供のために
こどもは子供扱いされるのを嫌いますから、
その時期にちゃんと本物を見せてあげるというので、
今の子は、動画やゲームに行っちゃうので、
本の差し出し方として、プロジェクトマッピングを使ったり、
アポリズムという
その時に一番気を付けたのは、幼年童話というものですね。
絵本と、児童文学の間、
今は自分から物語を掴みにいかないんです。自発的に読むってことに、
頭の中でイメージが広まると、読むのって面白いって
今幼年童話を推しているんですよね。」
今夜の選曲…SUNSHINE WITH MY GIRL / PRINCE BUSTER
有限会社BACH代表で、
ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えしています。
幅さんの読書の仕方とは?
幅「小さい時は一冊丸ごと、
ちゃんと読まないと敗北だって
日本の学校教育はなってますけど、
大学くらいから併読になりましたね。
そのときの自分に一番ストレスが
ないものを手にとるようにしています。」
小黒「本屋さんいくと平均何冊くらい買っちゃうんですか?」
幅「結構買いますね。
平均10冊、15冊くらい。迷ったら買う。
本屋さんは基本ハンティングだと思ってます。
なんの前条件もなく、トイレをすませ、荷物を軽くし、
後ろの予定をあまり入れずにフラァ〜っと行くと、
面白そうなものが向こうからやってくるというか。
面白い本がないっていうのは自分の余裕がないからであって、
本屋には未知しかない。
面白そうな本を見た時に、なんか匂うなって、
そういう感覚を大事にしています。
今は世の中のエンタメはシェアベースになってますけど、
本くらいは好き勝手読んでいいと思うんですよね。」
幅「例えば、この間買ってきたのは、
講談社ブルーバックスの宮坂昌之さんの『免疫力を強くする』、
『感染症と文明ーー共生への道』山本太郎さんの作品と、
J・M・クッツェーという南アフリカ出身の作家の小説作品で『モラルの話』
という3冊とかを買うんですよ。
今の時代、免疫を強くするって興味ある人って多いと思うんですけど、
一個の意見というより、いろいろな意見を自分の中で組み合わせて、
多面で捉えると言いますか。
そういう時に免疫力の本もあれば、感染症の歴史も読んで、
自粛ムードの時に外に出る出ないみたいなモラリティが問われているから、
誰かの物語で吸収するのもいいんじゃないかなって。
要は、自分の中に吸収したいものを複数のソースから得て、
それを少しずつ読むのがいいんじゃないかと個人的には思います。」
小黒「今聴いててぱっと思いついたんだけど、
ドラマの『孤独のグルメ』と言ってること似てるね。
自分のためだけの唯一解放される食事を選ぶ…
『幅五郎』に改名したほうがいいんじゃない?笑」
今夜の選曲… PINL NIGHT / PRINCE BUSTER ALL STARS
有限会社BACH代表で、
ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えしています。
海外でのプロジェクト……ジャパンハウスとは?
幅「(ジャパンハウスは)日本文化を海外に伝える目的で出来たものです。
サンパウロ、ロンドン、ロサンゼルスの3カ所にあります。
日本デザインセンターの原研哉さんが
全体の監修をやっているんですが、
僕たちはその三つにライブラリーを作らせてもらってる感じです。
置いている本は、基本ビジュアルブックで、写真集や
グラフィックデザインの本、建築の本は日本のものが多いです。
あとは、同じ本で英語版と日本語版を置いてあって、
漫画作品などは読み比べてみたり。
ブラジルとかでは、日系の移民の方が多いので、
久々に日本語に触れるという人もいらっしゃいます。
そういうこともあって、基本は英語の本なんですが、
ちょいちょい日本語の本も入っています。」
小黒「三箇所のジャパンハウスで、選書の狙いとかあったんですか?」
幅「基本的には全く別です。
日本文化を伝えるという骨子は一緒なんですが、
かなり細やかに分けてはいます。
例えば、サンパウロは16mくらいある棚のスタート地点に、
日本酒を売ってるスペースがあったので、
そこから日本の食の起源…神饌という神様に捧げる料理、
そこから平安時代の京料理だったり、茶懐石、ティーセレモニーの本…
また、そこから器のクラフトやデザインに関するものだったりと、
横スクロールで一冊手に取ると、どんどん流れていけるように気にしました。
あとは、場所によって人の傾向が違ったりする。
僕らが好きな本を持っていくだけだと
お節介になるのでインタビューするんです。
サンパウロではインタビューできなかったのですが、
日本にいるブラジルの方に色んな本を見せながら聞いたりしました。
日本人作家が撮ったブラジルの風景なので、
喜んでもらえると思って篠山紀信さんがリオのカーニバルを撮った
写真集『オレレ・オララ』という本を持って行ったら、
『リオなんかと一緒にしてもらっちゃ困る。向こうはお祭りとエンタメの街で、
サンパウロはビジネスと文化の街なんだから』
という感じで意外とウケが悪かったり……。
そうやって、1人の読者を見つけることがすごく大事だと
思っているので話を聞きながら本を選んでます。」
今夜の選曲… PRINCE OF PEACE / PRINCE BUSTER ALL STARS
有限会社BACH代表で、
ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えしています。
幅「BACHは、本を選んでお金をいただくという
珍しい仕事をしていますので、目の前の仕事なんとか
懸命にやっていたらいつの間にか15年経っていたという感じです。
ただ、昔に比べて、売り場というより図書館の仕事が増えてきましたね。
公共図書館……あと、企業図書館、病院図書館とか、
そういう本を読める場所、
環境も含めて提案させていただくことが増えてきました。
本の中身も大事だと思うんですけど、
選んだ本をどういう風に差し出すのかもとっても重要で。
いい本だったとしても、昔はそこに置いておけば
読んでくれたかもしれない。
でも、時間の奪い合いが激しい今は、
没入に時間がかかってしまうような本を、
手にとって読むまでになるのは難しいです。
本棚のしつらえとか、家具とか環境…
最近でいうと、床材とかも関わってくるんです。
例えば、公共図書館で新刊図書のコーナーは、
床のタイルをちょっと硬めにすると回転率が速くなったりします。
哲学とか心理学の本は、潜り込むのに時間がかかるので、
そういうところのカーペットはちょっと毛足を長くするんです。
3ミリ長くすることで、滞留時間が変わったり。
…そういうのを、人に協力してもらって
ストップウォッチで測って実験したりしてます。
最終的には気が付いたら読んでいたという環境を作りたいので、
そういうところまで、こだわらざるをえなくなった。
昔はいい本ですって、批評だったり関連だったりを
伝えればよかったんでしょうけど、
今は中々、本を手にとってくれないんです。」
今夜の選曲… ROLL ON CHARLES STREET / ROLAND ALPHONSO
今回のポッドキャスティングは、
4月13日から4月16日放送分、
TORIBA COFFEE代表の鳥羽伸博さん。
TORIBA COFFEE代表の鳥羽伸博さんをお迎えしています。
鳥羽さんは、銀座のコーヒー店の上でミュージックバーも経営していらっしゃいます。
鳥羽「音響機材は世界一流のものを置くっていう、コンセプトが最初にありました。
でも、掛ける音楽に関しては、もっと幅を広く…
一緒にやっている大沢伸一さんの考えも反映されていて、
最先端の音楽もかけられる、かつ名曲もかけられるというようにして、
それに合わせた音作りをするっていう。
とにかく、大沢さんとは色々やりあって、
かなり時間をかけて作ったお店なので、
僕たちも満足のいっているお店になっています。」
小黒「鳥羽さんは、物事をジャッジする時もロックなのか、
というので決めているということなんですけど、
これからのロックなビジョンというのを教えてください」
鳥羽「去年、3店舗、ビーガンのお店を開けたんですよ。
それはやはり、自分の中で生活スタイルが変わって、
それについて考えなきゃ行けないというのが自分の中にあって。
自分の熱い感情が動かない限り心は動かないものが
大事だと思っているので。
結局ビーガンになって、1年、2年くらい
待ってから店を開けたんですよ。自分なりの自問自答があって。
僕が食べたいのは、甘いものとか、
油っぽいものとか、ジャンクフードみたいなの食べたい!
自分が今一番必要としているもの、それに対して熱い思いが
あるかどうかを確認して店を開いた感じですね」
今夜の選曲:LIKE A HURRICANE / NEIL YOUNG & CRAZY HORSE
TORIBA COFFEE代表の鳥羽伸博さんをお迎えしています。
ビーガンになったきっかけは?
鳥羽「3年近く前になりますかね。
ビーガンになる前の夜はステーキを600gくらい食べてました。
非常に楽しいディナーで楽しかったんですけど、
もう明日から肉・魚やめよかっなっていうぐらいのノリなんですよね」
鳥羽「何年も前に、灰野敬二さんとお会いした時、
灰野さんって40年くらいビーガンなんですよ。
帰りに車でお送りしていく時に
『ドラッグやったりしている奴らに俺は言いたい!
ビーガンでいることの方がよっぽどロックだ!』
って、叫んだんですよ。この人何言ってるんだろうって、
最初思ってたんですけど、今考えてみると、
受け入れるってよりも断ることの方が大変だったりするんですよね。
断る、やめるっていう方がチャレンジの気がして、
なんとなくそう思っていたところに、
ビーガンやってみようかなっていうのが出てきたんですよね。」
小黒「それで3年間続けてきて、変化はありましたか?」
鳥羽「全くないですね……
今考えるとあのまま肉食べたりしてる生活をしてたら、
健康的にもまずかったろうと思いますけど、
何か目覚めることもないっていうのも面白いですよね」
今夜の選曲:TWISTIN' THE NIGHT AWAY / SAM COOKE
TORIBA COFFEE代表の鳥羽伸博さんをお迎えしています。
鳥羽さんは、高校卒業後にロンドンに留学されています。
小黒「ロンドンって、そんなにコーヒーうるさいところだと
思わないんですけど、どこで、コーヒーにたどり着くんですか?」
鳥羽「いや、コーヒーの仕事するとは思わなかったです。
日本に帰ってきてからも、考えてなくて。
ただ、ロンドンに留学したての1996年ごろって、イギリスではアートが凄かったんです。
いろんな人がいろんなことをやって自分を表現しているのが非常に面白くて、
何かを通して自分を表現しなきゃいけないっていうのは、
その時に思ったんですよね。
日本に帰ってきてからいろんな仕事をして、
その上で、コーヒーで自分を表現できるかなって思ったのが元々ですね」
鳥羽さんの意外な交友関係…?
小黒「鳥羽さんの友達って、僕の世代の知り合いばっかなんだけど?」
鳥羽「ひどい人たちばっかりですね笑。
皆さん音楽が大好きな方たちなので、それを通して知り合いました。
小黒「でも、みんな点々としてるじゃないですか、ニューヨークだったり、
ミラノだったり。繋がりは自然にできちゃったんですか?」
鳥羽「そうですね。僕の師匠みたいな方がインターネットの普及前に言ってたのが、
『これから情報化社会になっていくから、行動力の方が重要だよ』って先に言われて、
その時は全然意味がわからなかったんですけど、それからネットがどんどん発展して行った時に、『あ、実際に行ったやつの方が強いな』となんとなくわかって、
何年も海外をウロウロしてました。」
銀座にお店を構えた理由とは?
鳥羽「たまたまっていうのが正直なところなんですが、
珈琲店がない場所って考えると銀座はよかったかなと今になって思ってます。
意外とコーヒーってそんなに失敗のないビジネスだと思っていて、
例えばライバルのいない住宅街だったら、多分ずっとやっていけると思うんですね。
きちんとコーヒーを丁寧に焙ければ、それは長く続くものだと思うんで、
場所はそんなに関係ないかなと思っていて。
その中で銀座というのは、たまたまというか、
銀座が寄ってきたというか…そういうご縁があった気がしますね」
今夜の選曲:FA-FA-FA-FA-FA(SAD SONG) / OTIS REDDING
TORIBA COFFEE代表の鳥羽伸博さんをお迎えしています。
『TORIBA COFFEEはカフェではありません。喫茶店でもありません』
という、お店のコンセプトについて。
鳥羽「やっぱり、コーヒー豆を売るお店をやりたかったっていうのがあります。
僕はコーヒー豆を売って、そのコーヒー豆を
お客様が家で楽しんでいただくという形態を
作りたかったので、必要以上に口出しするのは
止めようという考え方で最初は作りました。」
コーヒー豆に対する独特のこだわり…
鳥羽「やっぱりお寿司屋さんも河岸に行って、
一番いい魚を探すというのがあると思うのですが、
自分たちも農地に行って豆を探すというのは、今回は止めようと決めました。
あくまでも、今一番いいと思う豆を自分たちの考え方で
ブレンドして、自分たちの考え方で焙こうというのが
店のコンセプトなので必要以上に情報を入れないというのは思っています。」
今回は、お店のコーヒー豆をスタジオにお持ちいただきました。
小黒「New Latin Quarter TuneとかHawaian Bitter Sweet Samba
……何だか、音楽みたいなノリの名前がついてますけど、
このネーミングも全部ご自身で?」
鳥羽「ネーミングも考えてますね。
最初にコーヒーのイメージを作ってから決めます。
New Latin Quarter Tuneは、Latin Quarterの憧れがあったので、
名前の響きから来てるんですけど、
これはコーヒーで言うと、
ラテンの国を4分割してるという考え方で、
4カ国の豆を選んでブレンドしたら意外と上手く行きました。
中米と南米の豆を混ぜてみたり、
出来上がったコーヒーのイメージを合わせていくという感じです。
たまに失敗もありますが笑。」
豆も大事なんだけど、焙くのも大事なんですか?
鳥羽「うちは焙煎屋さんなんで、どちらかっていうと
焙煎が一番大事だと思っているのですが……
当然コーヒー豆を作ってる方々は豆だと言いますし、
淹れるのを専門にされてる方は淹れ方で
どんなまずい豆でも美味しく淹れられると自信を持ってたりもするんですよね。
これ非常に難しい問題で…
ただ、やはりいい豆でもいい焙煎じゃなきゃ、
ダメなんじゃないかなと思いますし…。
最後の方がいいですよね、こういうのって?笑」
今夜の選曲:THE THRILL IS GONE / JERRY GARCIA & DAVID GRISMAN
TORIBA COFFEE代表の鳥羽伸博さんをお迎えします。
1977年東京生まれ。
高校卒業後イギリスに渡られ、8年の滞在を経て帰国。
2014年に銀座にコーヒー豆専門店『TORIBA COFFEE』をオープンし、
さらに併設したミュージックバーで音楽イベントも開催していらっしゃいます。
今回のポッドキャスティングは、
4月6日から4月9日放送分、
オテル・ドゥ・ミクニ
オーナーシェフの三國清三さん。
オテル・ドゥ・ミクニ
オーナーシェフの三國清三さんをお迎えしています。
外国の方は寿司を食べるようになりましたが、
味覚が変わってきてる?
三國さん「僕が20歳の頃、スイスのジュネーブ大使館の
料理人になったんです。その頃、外国人は一切、
刺身もお味噌汁も食べなかった。
『あんな生臭いもの、食べ物じゃない!』と言って。
それが今、パリに行ってお寿司屋さんに行くと、
刺身だけのどんぶり一杯を食べている。
そのとき思ったのは『味覚というのは
絶対に決定的なものがなくて、変わるんだ』ということです。
味覚っていうのは本当にいい加減だと思います。
あれだけ拒否ってた外国の方が、刺身をうまいって食べている。
味覚というのは、良い意味でいい加減だと思います。
その時の時代で、世界中が受け入れるものなんだと思います。」
今夜の選曲:OH HAPPY DAYS / DION
オテル・ドゥ・ミクニ
オーナーシェフの三國清三さんをお迎えしています。
昨年秋に東京美術から出版された
『JAPONISÉE Kiyomi Mikuni』について伺いました。
三國さん「作るのに5年かかりました。
実は、35年前に『皿の上に、僕がある』っていう本を
出版しまして、真俯瞰から料理を撮るっていうのは
世界で初めてだったんです。これをドイツで出版したときに、
出版社の買い手つきまして。
35年前に、外国の本を買うことはあっても、
版権とかを本を売るってことはしてなかった。
それで結局この本は、世界には出なかったんです。
35年前にその悔しい思いがありまして、
次は絶対に世界の最優秀本にするんだってことで、
5年前に英語版も併せて作ったんです。
世界に料理の本だけを審査する、
審査発表会(グルマン世界料理大賞)があるんですが、
この賞は、料理会のオスカー賞と呼ばれてるんですけど、
2019年の225か国の中の最優秀賞を見事ゲットしたんです。
世界中のシェフたちが絶対にしてないことをしようと、
表紙を和紙にしたり、備前焼の人間国宝の佐藤苔助さんに
何百枚も焼いてもらったお皿を使ったりして、
世界中の人が驚くようにしました。」
今夜の選曲:CAN'T WE BE SWEETHEARTS / DION
オテル・ドゥ・ミクニ
オーナーシェフの三國清三さんをお迎えしています。
三國さんが考えている五味について教えてください。
三國さん「元々はイタリアのスローフードと、
フランスのシェフ達が、味覚「甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦い」を
12歳までに教えていたんです。彼らは、四味なんですけど、
僕は「旨味」を入れて五味にしてます。
フランスのシェフたちが「三國お前もやれよ」っていうので、
2000年から小学校に出向いて味覚教育を教えています。
最近は、小学6年生の時に教えた子が、ウチの店にくるんですよ!
30代の立派にサラリーマンになってもう感動的です。
まだ、小学校に行く活動は続けてるんですけど、
やっぱり長年続けた成果っていうのは感動しますね。
教えた子たちが親とか同僚を連れて食べに来てくれると、
すごくじーんと来ます。やってよかったなって思いますよね。」
味覚教育をやっていて日本の子供たちの味覚は衰えている?
それともグルメブームで鍛えられてる?
三國さん「中学校行くと生意気になって別なんですけど、
小学6年生っていうのは、親の言うことしか聞かないので、
要は親の責任、親のエゴですよね。
親がファストフードやジャンクフードに拘れば、
子どもそうなるし、親がちゃんとスローフードに拘れば、
子どももそうなる。だから、親次第ですね。
ずーっと味覚授業をやってきて、
100人いたら、どうでもって人が半分で、
ちゃんと気をつけなきゃいけないって思う人が
半分だと思っています。僕の理想は100%ですけど、
半々でも十分、そのバランスでもいいのかなって、そういう実感です。」
今夜の選曲:RUBY BABY / DION
オテル・ドゥ・ミクニ
オーナーシェフの三國清三さんをお迎えしています。
今回スタジオに素敵なお弁当をお持ちいただきました。
弁当をやるようになったとか?
三國さん「今みなさん、自宅待機だとかで
うちだけじゃなく日本中のレストランも
お客さんが半分以下になってる。スタッフも仕事が少ないし、
そういう時用におしゃれなお弁当を作ろうということになりました。
これからもっと状況が厳しくなるので、
こういう時にちょっとお家で、家族だけでご飯を食べる時に、
小洒落た食べ物があれば気持ちも華やぐと思います。」
マンスール・キッチン・ミクニBENTO、
お重に入っており2人前で9800円。
メニュー名:フォアグラの軽いムース、ショコラ味、トリュフ添え
このチョコレートみたいなものは?
三國さん「これは、フォアグラのムースの上に
チョコレートとトリュフが乗っかってるんです。
栄養価的にもトリュフって、幸せを感じたり、
いろんなオレイン酸とか、悪玉コレステロールを下げる
効果とかもたくさんあるんです。それにプラスして、
フォアグラやトリュフっていうと、
なんとなく気分的にも気持ちいいじゃないですか。」
メニュー名:ローストビーフの赤ワインリゾット包み
このお肉はなんでしょう?
三國さん「それは、ローストビーフで牛フィレなんです。
赤ワインで炊いたご飯を、ローストビーフで丸めて、
ウドの酢漬けが入ってるんです。」
メニュー名:深谷もやしと青さのジュレがけ
この海苔みたいなの何?
三國さん「それが、あおさのり。
これが免疫力をすごく高めてくれるということで、
今本当に手に入らないくらいなんです。」
家族みんなで食事する時に、ご飯や味噌汁、お刺身の他に、
このBENTOがあると食卓が華やかになりますし、
老若男女食べられるように仕掛けております。」
今夜の選曲:DONNA THE PRIMA DONNA / DION
オテル・ドゥ・ミクニ
オーナーシェフの三國清三さんをお迎えします。
1985年にオープンした
四谷のオテル・ドゥ・ミクニのほか、
各地でお店をプロデュース、札幌、名古屋、京都など
全国に展開していらっしゃいます。
元ラグビー日本代表 大畑大介さんと、
車いすラグビー日本代表 池崎大輔さんをお迎えしています。
昨年から言われている『ONE TEAM』について。
大畑「組織って一つのことを達成させるために、
しっかりとした明確な目標がないとダメだと思うんですね。
その目標に対し、全員が同じ温度感でできるかは別だと思う。
だけど、やはりそれぞれが自分の中で、自分の価値を見出しながら、
自分ができることに対して、100%全うできるかだと思います。
そのことによって、同じベクトルを向いて、
そのチームが一つ広がっていくということになると思うんですね
そういったところが『ONE TEAM』として皆さんに
受け入れられたことだと思います。
またラグビーはエースや4番の集まりだけじゃない。
一般的にスポーツのトップ選手、その組織というのは、
全てに置いてトップの選手が集まってると思われがちですが、
ラグビーの場合はそうじゃないんです。
確かに素晴らしい能力のある選手もいますが、
その周りにどういった選手がいるかによって、
チームの構成は変わっていくんですね。
その中で、自分が何のために、誰のために、
チームのためにって思いが、一番重要なことになってきます。
そういったことが出来たからこそ、素晴らしい結果に
繋がったんだと思います、自分たちの中で、社会の中で
どういったとこに置かれているかって、それぞれあると思います。
そういったものに自分を投影できたのが、ラグビーにはあったと思いますね。
元ラグビー日本代表 大畑大介さんと、
車いすラグビー日本代表 池崎大輔さんをお迎えしています。
車椅子ラグビーはマーダーボールと呼ばれているくらい、
激しいスポーツなんですけど、これはどの国で誰が発案?
池崎さん「1977年で僕の生まれる一年前の
43年前にカナダの方で作られた競技なんです。
障がいの重い人にも、スポーツをやる機会を与えよう、
何かスポーツを作ろうっていうので生まれたのが、
この車椅子ラグビーなんです。でもやってる人は、
両手両足に障がいがあって、障がいの重い人たちなんですけど、
競技を見てみると、一番車椅子の競技の中で激しい競技ではあるんです。
そこにはいろんな意味があるんですけども、
車いす同士のぶつかり合いっていうのは、激しい転倒もある。
その激しさからマーダーボールという名前がつきました。」
三菱商事の障害者スポーツ支援プロジェクト
『DREAM AS ONE』は、障がい者スポーツの理解や
認知度を高めるために様々な活動を行っています。
池崎さんはサポーターとして参加されていますが、どんな思いが?
池崎さん「一番僕がすごいなと思うのは、パラアスリートと、
オリンピアンとパラリンピアンの違いってスタートが違うんです。
そのために、障がい児がパラスポーツを小さいうちから体験する。
スポーツっていう人生もあるんだよって、
そこの出会いと気づきときっかけを作るイベントをしているんです。
ターゲットを小学生とかに向けてやっていまして、
小さいうちからスポーツに関わってもらう。
そして、大きくなったときに、もっと早い段階でパラスリートとして、
世界に挑戦できる力を付けてもらう。
そういうのをやっていきたいなと思っています」